BMWとアウディで迷う方必見。どちらを選ぶべきか?

ドイツ車の購入を検討する際に、特に人気が高いのがBMWとアウディです。どちらも魅力的な選択肢であり、個々のブランドが持つ独自の魅力が、それぞれ異なる顧客層に支持されています。

この記事では、BMWとアウディの特徴や顧客層、歴史について詳しく解説し、どちらが皆さんにとってベストな選択肢なのかを探ります。

目次

BMWはどのような顧客に支持されているのか?

BMWが支持している顧客層
  • 見栄えの良さを意識しつつも、さりげなくセンスの良さが主張できる
  • それでいて、どこに乗っていっても恥ずかしくない。

このような全方位的に隙がないクルマが欲しいユーザー層に支持されているといえます。

メルセデス・ベンツでは若々しさに欠け、押しの強さが自身の好みとは異なる。その反面、より若々しく、スポーティなクルマが好みで、運転を楽しみつつ、なおかつセンスの良さも感じさせるブランドがBMWでしょう。

日本におけるBMWのブランドイメージとして、メルセデス・ベンツよりも好意的に捉えられているというデータもあります。

事実、都心のタワーマンションの住民用の駐車場には数多くのBMWが停まっています。多くの方がメルセデス・ベンツが買えるにも関わらず、BMWを選んでいるのです。

大手企業やIT系などに就職し、若くして成功を収めたパワーカップルが、夫婦でBMWを運転をしたり、時には旅行に出掛けたりするための用途として選ばれるのでしょう。

走りを楽しむクルマといえばBMW

BMWが掲げる「Sheer Driving Pleasure(駆けぬける歓び)」というスローガンにすべてが集約されているといっていいでしょう。ファミリーカーとして使われる4ドアセダンであっても、運転する楽しさ、喜び、アウトバーン仕込みの高速安定性とFR車らしい軽快なハンドリング、この絶妙な仕立てはBMWならではのものといえます。

過激さは求めないけれど、とにかく気持ち良く走りたい、街乗りであっても運転を楽しみたいという方にはBMWをおすすめします。

BMWの歴史

そんなBMWの歴史について解説していきましょう。

1916年、グスタフ・オットー航空機工業社は、ドイツ政府の要請により、バイエルン航空機製造会社に合併され、「BMW AG」が設立されます。

その翌年の1917年には、ラップ原動機製造所が、バイエリッシェ・モトーレン・ヴェルケ(Bayerische Motoren Werke GmbH)となり、1918年にはAG(公開有限責任会社)に改組されています。

この「バイエリッシュ・モトーレン・ヴェルケ」は、ドイツ語で「バイエルン州のエンジン工場」を意味します。その後、1922年に、社名とブランド名を含むエンジン製造事業をバイエルン航空機製造会社に移管します。

BMW Motorsport社の誕生とMモデルの進化

そして世界中のクルマ好きを魅了する関連企業が1972年に誕生します。それは、BMW AGにおけるモーターレース活動のすべてを集約した100%子会社「BMW Motorsport社」です。

同社が誕生したことで「BMW M」モデルが作られるようになります。その後、現在に至るまで、BMW車のモータースポーツにおける活動および数々の歴史、さらにはM1を起源に、M3、M5など、BMWをベースとしたよりスポーティなロードカーである「BMW Mモデル」を次々と世に送り出し、熱狂的なファンを獲得していることは知ってのとおりです。

あわせて読みたい
BMW “M”の維持費は高い?維持費が高くなる原因とは? メルセデスベンツにとっての"AMG"、アウディであれば"S"および"RS"、フォルクスワーゲンは"R"、レクサスであれば"F"など……。各ブランドには、通常のグレードとは別格の...

ブランド戦略の再編成と新たな展開

さらに、2000年に行われたグループ戦略の再編成以降、BMW・MINI・Rolls-Royceの3ブランドで、国際自動車市場のプレミアムセグメントのみに集中することを決定し、現在にいたります。

その後は各ブランドにおいてモデルレンジが拡充されることとなり、Xシリーズや1シリーズなどがデビューを果たしました。

また2001年には、BMW MINIブランドが立ち上げられ、2003年にはBMWがRolls-Royce Motor Carsブランドを引き継ぎ、ファントムやゴーストなど、同社のブランドイメージにふさわしい圧倒的な存在感を放つ重厚なモデルを世に送り出しています。

MINIおよびRolls-Royceの両方ともに、BMWグループに属する以前のブランドやクルマのイメージを崩すことなく、なおかつBMWの一員であることを声高に主張しないところも、BMWらしいスマートらしさの表れといえそうです。

アウディはどのような顧客に支持されているのか

続いてアウディについて見ていきましょう。

BMWが見栄えの良さを意識しつつも、さりげなくセンスの良さを主張できる車を求める顧客に支持されている一方で、アウディは対外的なステータス性よりも、自らのライフスタイルや審美眼を優先し、なおかつセンスにも自信がある人に支持されています。

BMWが若々しくスポーティな車を好む一方で、アウディは誰もが憧れる職業やデザイナーズハウスのような住まい、ショールームのようなインテリア、無駄のないスマートな体型など、洗練されたデザインを重視する人に選ばれます。

BMWユーザーが運転の楽しさを追求するのに対し、アウディユーザーは世の中のトレンドに非常に敏感であり、トレンドを積極的に取り入れようとする「アーリーアダプター」に属する人に好まれます。

4WDといえばアウディ

​​内外装ともに洗練されたデザインを持ち、なおかつアウトバーンを高速域で掛け抜けるドイツ車らしい安全性を併せ持つアウディ。お洒落で都会的なイメージがある一方で、モータースポーツの世界でも活躍しています。

1981年にはWRC(世界ラリー選手権)というカテゴリーに4WD機構を備えた「Audi quattro」の名を冠したレーシングカーがデビュー。翌1982年にはあわせて7つのラリーで勝利を挙げ、マニュファクチャラーズチャンピオンの座を獲得することとなります。

さらに1983年には、ハンヌ ミッコラがドライバーズタイトルを獲得。また、これまで2度WRCチャンピオンを獲得しています。近年はポルシェとの関わりが深いヴァルター ロールがアウディチームに参加した1984年シーズン終了時には、アウディがマニュファクチャラーズ チャンピオンと、ブロンクビストによるドライバーズチャンピオンの両方のタイトルを獲得したほどです。

現在でも、一部の上級グレードおよび上級モデルに4WDシステム「quattro」を搭載したクルマが用意されており、アウディを語るうえで「quattroシステム」は欠かすことのできない存在なのです。

アウディの歴史

1899年、アウグスト・ホルヒがドイツ・ケルンにて「アウグスト・ホルヒ&チエ」という名の自動車会社を創立しました。その後、1909年には新しい自動車会社を立ち上げます。1910年以来「アウディヴェルケAG」という名で事業を続けており、こうして現在の社名が誕生したのです。また、アウディを示す「フォーシルバーリングス」は、ドイツのザクセン州を代表する4社の自動車メーカー「アウディ」「DKW(その小さな一馬力)」「ホルヒルヒ」「ヴァンダラー」が連合してできた自動車メーカー「Auto Union(アウトウニオン)AG」の象徴でもあります。

また、1971年当時、時代を先取りしたアウディの「NSU Ro80」の広告に使われたスローガン「Vorsprung durchTechnik(技術による先進)」は、今でも同社の専門性を強調するメッセージとして発信されています。このスローガンをアウディ車のカタログやWebサイトなどで目にしたことがあるかもしれません。

また、アウディの創業者であるアウグスト・ホルヒ博士は「レースは技術の実験室である」といった信念のもと、モータースポーツに力を注ぎます。そして、1930年代に人類初の400km/hオーバーを含む数々の世界記録を打ち立てたのです。その後も、現在のF1マシンの原型となったシルバーアローを生み出し、WRC(世界ラリー選手権)で数々の勝利を収め、さらにル・マン24時間レースではディーゼルエンジンで初めてガソリンエンジンに勝利しているのです。

これらのモータースポーツで培った高い技術は、アウディのすべてのモデルに生かされています。例えば、膨大な風洞実験に裏打ちされた、空力特性に優れるデザイン。フルタイム4WDシステムの「quattro」。直噴技術によってパフォーマンスと高い燃費効率を両立したFSIエンジン。パワーを無駄なく伝達するSトロニックトランスミッション。いずれもレースで磨き抜かれ、市販車へとフィードバックされた技術ばかりです。

そして、アウディ独自の4WDシステム「quattro」は、同社を代表するテクノロジーといえます。アウディは、このquattroシステムをEVモデルにも採用しています。完全電動化による駆動マネージメントは、リヤ左右の駆動力配分をアクティブに制御することが可能となったのです。

BMWとアウディ、どちらにするか悩む!選ぶ基準は?

BMWがおすすめの人は?

「センスの良さと運転する楽しさが重要な人にはBMWがおすすめ」です。

メルセデス・ベンツでは少しアダルト過ぎ、あるいは押しが強い気がする。もう少し若々しく、さらにはセンスの良さが感じられるドイツ車…といえば、BMWをおいて他にはありません(ポルシェだとカドが立つこともありえます)。

また、BMWのスローガンである「駆けぬける歓び」に代表されるように、このメーカーのモデルは走りを楽しむことに重きが置かれています。運転する楽しさ、高級車でありながらスポーティな走り…。

メルセデス・ベンツに魅せられるオーナーがいるように、BMWの味に魅了されてしまうと、もう他のブランドには興味が持てなくなるほど心酔する人も少なくありません。

メルセデス・ベンツと同様に、BMWで冠婚葬祭や旅行に出掛けても見劣りすることはないでしょう。BMWを所有しているという満足感、軽快かつスポーティなドライブフィール…。メルセデス・ベンツとはまったく異なりつつ、こちらのBMWらしさを存分に堪能できる味付けがなされているのです。

アウディがおすすめの人は?

「洗練したライフスタイルを求める人にはアウディがおすすめ」です。

メルセデス・ベンツでは保守的だし、BMWは今ひとつ肌に合わない。ポルシェだとちょっと目立ちすぎる。端から見て「お洒落」「洗練されている」「センスがいい」と映るブランドというと、選択肢はぐっと限られてきます。

もはやアストンマーティンやロールスロイスなど、富裕層をメインターゲットにしたラグジュアリーブランドの領域です。そんなハイブランドより多少は現実的で、なおかつ趣味の良さを感じさせるブランドとして、アウディは絶妙なポジションにいます。

都会的な洗練さがあり、なおかつクルマだけではなくライフスタイル全般に及ぶセンスの良さ。そんな雰囲気を醸し出せる魅力を兼ね備えているといえます。実年齢よりも若々しくありたい、そしてそのように見られたい。

お洒落に無頓着な人であればハードルが高そうに映るかもしれませんが、それを自然に、なおかつさらりとこなせるのがアウディオーナーにふさわしい人物像といえるのかもしれません。

 

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次