ポルシェのミッドシップスポーツカー「718」シリーズには、クーペモデルの「718ケイマン」とオープンモデルの「718ボクスター」があります。
この718シリーズの中のトップエンドに位置するオープンスポーツカーが今回紹介する「718スパイダー」です。
本記事では、「718スパイダー」が718シリーズの中でもどのような位置づけのクルマなのか解説するとともに、走行性能や実用性など、購入する際に気になるポイントについても紹介します。
またトップランクでは全国のお客様に、最上の1台のクルマを届けるためにオンライン商談も実施しております。気になる車種の購入のご相談について、お気軽にご連絡ください。
718スパイダーの概要
718スパイダーは、ミッドシップスポーツカー「718」シリーズのトップエンドに位置するモデルとして2019年にデビューしました。
718ボクスターと718スパイダーの違い
718のシリーズのオープンモデル「718ボクスター」とオープンスポーツカーのトップエンドモデル「718スパイダー」を比べると、ソフトトップルーフの開閉機構やトランクリッドの形状などに違いがあります。
718スパイダーでは、ルーフのロックの解錠/施錠が電磁式になっており、ルーフそのものの開閉を手動で行います。格納したルーフは、空力性能にも貢献する凹凸のある立体形状のトランクリッド内に完全に収納され、オープンにした時にルーフの一部が外側から見えないようになっているのも、718スパイダーの特徴です。
先代(981型)ボクスター スパイダーとの違い
718スパイダーと先代(981型ボクスター スパイダー)との違いは、デザインやボディ剛性だけでなく、エンジンパワーの出方やサウンドなどが異なります。
好みによってどちらが良いのかというのは異なりますが、ガッチリしたボディやエンジンパワーを求めるのであれば718スパイダー、しなやかさとエンジンを回していく高揚感を楽しみたいのであれば981ボクスター スパイダーがよいでしょう。
718スパイダーのパワートレイン
718スパイダーのエンジンは、水平対向エンジンならではのサウンドを発生し、エンジンを回す気持ちよさを感じられる水平対向6気筒自然吸気エンジンです。
排気量は4.0L、最高出力は309kW(420PS)、最大トルクは420Nm、組み合わされるトランスミッションは6速MTとなっています。
エンジンのフィーリング
911カレラのターボエンジンをベースにしている718スパイダーの水平対向6気筒自然吸気エンジンは、高回転型でエモーショナルなフィーリングと、エンジンの回転数とともに盛り上がるエンジンサウンドやパワーが特徴です。
最大トルクは5,000〜6,800rpmで発生し、エンジンの最大回転数は8,000rpm。最大回転数の高さからも、高回転まで気持ちよく回るエンジンであるといえるでしょう。
また、最高速度は301km/h(発売当時のメーカー公表値)、0-100km/h加速は4.4秒。加速性能や最高速度の数値からも、シリーズのトップエンドに位置するスポーツカーらしい運動性能であることがわかります。
環境性能も考えられている
718スパイダーのエンジンは、ポルシェらしさを感じられるパワフルでエモーショナルなエンジンですが、片側バンクのシリンダーが休止し燃費性能の向上に貢献する「アダプティブシリンダーコントロール」を装備しています。このような環境に配慮したテクノロジーが搭載される点は、環境性能に厳しい現代のクルマらしい部分といえるでしょう。
環境性能を向上させる機能を装備している718スパイダーの燃費は10.9L/100km(欧州サイクル)。日本でよく見る一般的な燃費表記(燃料1Lで走行できる距離)に換算すると9.1km/Lとなります。あくまでも欧州サイクルの燃費をもとに換算した数値となりますので、参考程度にお考えください。
718スパイダーの走行性能
718スパイダーは、パワフルで高回転まで回せるエンジンと高剛性ボディにより、低速から高速まで安心感があります。また、コーナリング時の気持ち良さも兼ね備えています。
ボディの特徴
ボディは718ケイマンGT4と共通の高剛性ボディを718スパイダーにも採用しています。前後アクスルのスプリングストラットは、モータースポーツからフィードバックされた軽量タイプです。シャシーは、よりダイレクトな反応を獲得するためにボールジョイントを採用しています。
走行性能を高めるテクノロジーも搭載
718スパイダーは、ボディやシャシーそのものの剛性が高くなり、軽量化されているだけでなく、さまざまな制御技術を搭載していることも特徴です。走行性能向上に寄与する主なテクノロジーは次のとおりとなります。
- ポルシェアクティブサスペンションマネージメント(PASM):車高を30mm低くすることができ、より優れたコーナリング性能を実現
- ポルシェスタビリティーマネージメント(PSM):優れたセンサーを採用したスタビリティマネージメントは2段階で解除することが可能
- ポルシェトルクベクタリング(PTV):機械式リヤディファレンシャルを備え、縦と横方向のダイナミクスを強化し、コーナリング性能とドライビングプレジャーを向上させる
これらのさまざまな技術により718スパイダーは、ドライバーの操作に対してダイレクトな反応を得られるクルマになっているのです。
重心の低さはスパイダーならでは
加えて、軽量なソフトトップルーフやミッドシップに搭載された水平対向エンジンなどにより、重心高がクーペモデルより低く抑えられていることも718スパイダーならではのドライビングフィールに貢献しているといえるでしょう。
718スパイダーは、スポーツクーペと共通の高剛性ボディと高回転まで回せるエンジンの気持ち良さをオープンエアとともに楽しめる魅力的なモデルに仕上がっています。
718スパイダーの動画解説はこちら
718スパイダーの実用性
718スパイダーは、2ドア2シーターのオープンスポーツカーであるため実用性や日常使いにおけるユーティリティを心配する方もいるでしょう。しかし、718スパイダーは、このようなスポーツカーならではの心配をする必要がありません。
実はユーティリティがいい718スパイダー
718スパイダーは、フロントとリアにトランクがあり、旅行バッグや手荷物などを収納することができます。そのため、日常使いや日帰り旅行などで不便だと感じることはないでしょう。ただし、長尺物(ゴルフバッグなど)をラゲッジスペースに収納するのは難しいため、長さがあるものや高さがあるものは助手席に載せることになります。
ルーフの開け閉めは大変?!
718スパイダーをはじめとするオープンカーならではの楽しみは、なんといってもオープンエアを感じられることです。718スパイダーのルーフ開閉は、ロックの解錠/施錠のみ電磁式、ソフトトップの開閉や格納は手動となります。
操作手順を覚えたり、操作のコツを掴んだりするまではソフトトップの開閉に時間がかかる可能性がありますが、慣れてしまえば数分で開閉できるようになるため、ルーフの開閉手順について心配する必要はないでしょう。
プレミアムブランドが販売しているオープンカーは、ルーフの開閉が電動になっているケースが多いです。電動開閉式のオープンカーの場合、運転席に座ったまま短時間でルーフの開閉操作ができるため、急に雨が降ってきたときなどに便利といったメリットがあります。
一方、718スパイダーは、運転席に座ったままルーフの開閉をすることができません。信号待ちや突然の雨などのときにルーフを閉められないというデメリットがあるため、天候を気にしながらルーフを開けておくか閉めておくか決める必要があります。
ルーフの開閉をするという手間が楽しい!
手動のルーフにより手間がかかると感じるかもしれませんが、それ以上にルーフを開閉するという行動そのものに楽しさを感じられたり、オープンエアを楽しむための準備に高揚感を感じられたりします。このような感覚を感じられるのは、手動で開閉するオープンカーならではのメリットです。
718スパイダーは、日常使いすることができるオープンスポーツカーであるとともに、オープンエアを楽しむための準備の時間も楽しいと感じさせてしまう魅力的なモデルとなっています。
718スパイダーの使い勝手などの解説動画はこちら
718スパイダーの中古車価格は?
718スパイダーの中古車価格は、2024年4月時点で1,500万円台〜2,000万円台でした。デビュー時点の新車販売価格が1,215万円(税込/8%)だったことを考えると、高い価値を維持し続けているといえます。
また、718スパイダーシリーズの受注状況、希少性、日本市場への割当台数などによっては、市場価値が上がる可能性があるでしょう。そのため、718スパイダーを中古で購入しようと考えている方は、今後の市場動向を見ながら購入時期を慎重に見極める必要があります。
もし、718スパイダーを検討しているのであれば早めにクルマを見に行ったり、おおよその見積もりや商談を進めたりするとよいでしょう。
718スパイダーはどのような人におすすめ?
ポルシェのミッドシップオープンスポーツカー「718」シリーズのトップエンドモデルである「718スパイダー」は、スポーツカーの運動性能とオープンカーの開放感を兼ね備えている魅力的なクルマです。そのため、スポーツドライビングとオープンエアを同時に楽しむことができます。
718スパイダーは、オープンスポーツカー選びで妥協したくないという人にとって最適なクルマです。オープンスポーツカーを買うときに「スポーツカーとしても楽しめるモデルを選びたい!」という方は、ポルシェ718スパイダーを候補に入れておくことをおすすめします。
718スパイダーに関して、ご不明な点やご相談事項がございましたら、お気軽にお問い合わせください。弊社の経験豊富なスタッフが丁寧に対応させていただきます。