アウディのミッドシップスポーツカーR8とはどのようなクルマなのでしょうか。今回は、アウディ唯一のミッドシップスポーツカーであるR8の特徴や魅力などを解説します。アウディスポーツのトップに位置するR8を検討している方やR8に興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。
アウディ R8はどんなクルマ?その魅力とは
アウディ R8は、ドイツのプレミアムブランドであるアウディが販売しているミッドシップレイアウトのスポーツカー(クーペ)およびオープンカー(スパイダー)で、アウディラインナップの頂点に位置するモデルです。
アウディのラインナップの中でも、独特な存在感とオーラを放つアウディ唯一のミッドシップスポーツカー R8は、アウディのサブブランド「アウディスポーツ(Audi Sport GmbH)」が製造しています。
耐久レースで培った技術を反映した量産スポーツカー
そもそもアウディ R8は、かつてルマン24時間耐久レースで5勝を挙げ、世界各国で行われた耐久レースにおいて、62戦を勝利で飾った、アウディ R8レーシングカーの遺伝子を持つ量産スポーツカーです。そのため、スポーツモデルのスポーツカーではなく、レーシングカーの技術を市販車にフィードバックしたスポーツカーです。
さまざまな人から注目されるR8
アウディ R8は、モータースポーツという過酷な環境で鍛え上げられたノウハウや技術を市販化したモデルとして、アウディ好きの方だけでなく、スポーツカーやスーパーカーなど高性能モデル好きからも支持されています。
また、V8またはV10の自然吸気エンジンを搭載していることもR8が人気の理由のひとつです。ダウンサイジングターボエンジンやハイブリッドテクノロジーなど、環境性能や効率に優れるパワーユニットがアウディラインナップに増えても、 R8は自然吸気エンジンを搭載し続けています。
自然吸気エンジンは、アクセルの操作に連動してエンジン回転数が上昇すると同時にパワーが放出されることから、クルマを操作しているというダイレクトな感覚を体感できるエンジンです。
そのため、よりパワフルで高効率なダウンサイジングターボエンジンやハイブリッドユニットが登場しても、自然吸気エンジンを支持する声があるのです。
操作感をダイレクトに感じられるアウディ唯一のミッドシップスポーツカーR8は、その成り立ちや搭載されるエンジンの心地よさなどにより、時間が経過した今でも高い人気を誇っています。
アウディ R8の歴史
2006年に欧州でデビュー
アウディ R8は、2006年に欧州でデビューしました。Audi Le Mans quattroの特徴でもあった流麗かつ力強いスタンスの2ドアクーペボディ、シングルフレームグリル、ボディサイドのドア後方に設けられたサイドブレードなどをそのまま引き継いでいます。
さらに、ミッドシップに配置されたエンジンのパワーをquattroドライブで路面に伝えるドライブトレインや軽量高剛性なアウディスペースフレーム(ASF)も採用しており、全長、全幅、全高、ホイールベースなどの諸元もコンセプトカーとほとんど変わりませんでした。
2007年に発売された初代Audi R8
2007年に発売された初代Audi R8は、排気量4.2Lの自然吸気V8エンジンとシングルクラッチ式ギアボックスの6速Rトロニックを搭載。駆動方式には、ビスカスカップリングを介して4輪を駆動するquattroドライブが採用されました。
2年後の2009年には排気量5.2Lの自然吸気V10エンジンを搭載した Audi R8 5.2 FSI quattroがデビュー。2010年には同じV10エンジンを積むオープントップモデルのAudi R8 Spyderを追加しました。
2013年のマイナーチェンジでは、シングルクラッチ式ギアボックスがデュアルクラッチ式の7速Sトロニックに進化。また、6速マニュアルギアボックスがAudi R8 4.2 FSI quattroだけでなくR8 5.2 FSI quattroにも追加され、計5モデルにラインナップを拡大しました。
一方、デビューの翌年にあたる2008年にはGT3仕様のレースカーが完成。Audi R8 LMSと名付けられたこのGT3マシンは、2015年までに通算28のシリーズタイトル獲得にくわえて8つの24時間レースで総合優勝する活躍を示し、アウディのスポーティなイメージを向上する大きな役割を果たしてきました。
燃費性能向上技術も投入されている2代目R8
2015年に登場した2代目のR8では、FSIエンジンを徹底的に見直し、インテークマニホールドに燃料噴射システムを追加することにより排出ガス特性を改善。また、部分負荷状態で片バンクの5気筒を休止させるシリンダーオンデマンド(COD)システムにより燃費を向上させています。
5.2L V10 FSIエンジンは、ポテンシャルがより引き上げられ、さらにダイレクトに反応する鋭いエンジンに変更されています。販売当初、540hpと610hpのバージョンが選択できたV10エンジンは、その後のアップデートで出力が570hpと620hpに強化されました。
また、2代目R8では、ファイナルファンタジーXVとアウディのコラボレーションモデル「The Audi R8 Star of Lucis」が1台限定で販売(税抜き価格:5,000万15円)されたり、V10エンジン10周年記念限定モデル「Audi R8 Decennium(デセニウムはラテン語で「10年」を意味している)」が世界222台限定(日本国内は10台)で販売されました。
2代目R8のボディタイプは、初代R8と同様にクーペ(2代目デビュー年:2016年)とスパイダー(デビュー年:2017年)の2つをラインナップしています。
アウディ歴代最高出力を誇るエンジンへ
2019年には、マイナーチェンジされ、アウディの市販モデルとして過去最高の620psを発揮する5.2L V10エンジンを搭載するハイパフォーマンスモデルとなりました。また、名称をAudi R8 Coupe/Spyder V10 performance quattroに変更。アウディラインナップ最強モデルを意味する名称となりました。
2023年には、自然吸気高回転型5.2L V型10気筒エンジンの歴史を締めくくる8台限定の日本最終モデル「Audi R8 Coupe Japan final edition」を発表。R8が発売されてから17年間、一定の人気を保ちながら進化を続けてきた歴史に幕を下ろしました。
アウディ R8のスペックとライバルモデル
ここからは、進化し続けてきたアウディ R8の最終モデルのスペックやライバルとなるモデルを紹介します。
アウディ R8のスペック(2023年モデル)
【アウディ R8クーペ/スパイダーV10 Performance 5.2 FSI quattro S tronic】
項目 | 仕様 |
サイズ | 全長4,430mm×全幅1,940mm×全高1,240mm |
ホイールベース | 2,650mm |
最低地上高 | 120mm |
車両重量 | クーペ1,670kg/スパイダー1,760kg |
乗車定員 | 2名 |
エンジン | 5.2L(5,204cc)V型10気筒DOHC(1気筒あたり4バルブ) |
エンジン最高出力 | 456kW(620PS)/8,000rpm |
エンジン最大トルク | 580Nm(59.1kgm)/6,600rpm |
トランスミッション | 7速AT(Sトロニック) |
駆動方式 | quattro(4WD) |
※2022年10月時点(2023年モデル)のスペック
アウディ R8の競合車種
アウディ R8のライバルは、ランボルギーニ ウラカンやマクラーレン 720Sなどのミッドシップスポーツカーです。
高性能なスポーツカーの場合、競合する車種と比較することもありますが、それぞれの個性や好みで選ぶというケースも少なくありません。
そのため、比較した結果の良し悪しではなく、実際に見たり触れたり、乗り心地の好みなど、自分の感性にマッチするモデルを選ぶことをおすすめします。
アウディ R8は壊れやすいってホント?
アウディ R8は、定期的にメンテナンスが必要な部品があります。一般的によく聞く故障には、トランスミッション(クラッチの摩耗)、エアコン、オルタネーターなどです。
ただし、これらは車の乗り方や点検・メンテナンスによって寿命を延ばすことができます。そのため、R8を購入する際は、定期点検の実施、時期に応じた部品交換や調整などが確実にされているか確認しましょう。
また、R8をすでに所有されている方や最近手に入れた方は、定期的に点検やメンテナンスを実施し、トラブルが発生する前に部品交換や調整などをしておくことをおすすめします。
点検やメンテナンス、部品交換や調整などをしておけば、故障のリスクを下げることができます。また、街中を走行するときは、急発進や急停止などを極力控え、丁寧な運転を心がけましょう。
アウディ R8とスパイダーとの違い
アウディ R8のクーペとスパイダーは、基本的に同じボディサイズかつ同じパワーユニットを搭載しています。そのため、主な違いはクローズドボディかオープンボディかという点です。
R8スパイダーに採用されている電動式ソフトトップは、遮音性に優れたクロス製で、フレームにアルミニウムと鋳造マグネシウムを採用し、トップコンパートメントカバーがCFRP製となっています。重量は約44kgで軽量化と低重心化に貢献しています。開閉に要する時間は約20秒。また、50km/h以下であれば走行中の操作が可能です。
アウディ R8の新車・中古車価格は?
アウディのトップモデルに位置するR8の価格は次のとおりです。
- R8 Coupe V10 performance 5.2 FSI quattro S tronic:3,185万円(税込)
- R8 Spyder V10 performance 5.2 FSI quattro S tronic:3,337万円(税込)
- R8クーペ:約600万円〜2,500万円以上
- R8スパイダー:約700万円〜約2,000万円
R8は、ハイパフォーマンスモデルであるため購入時の価格が高額ですが、売却時の価格は新車価格を下回るケースが多いようです。
しかし、アウディ唯一のV10自然吸気エンジンモデルR8は、2023年のファイナルエディションで日本国内の販売終了し、2024年に最後のR8がラインオフされました。
そのため、今後アウディV10エンジンの価値や市場からの見方が変わるかもしれません。アウディのV10エンジンやR8の評価が変われば、リセールにも影響するでしょう
アウディ R8はどんな方におすすめ?
アウディ R8は、高性能なスポーツカーが欲しいものの、スマートなスタイリングのクルマがいいという方に最適なハイパフォーマンスカーです。
外観や内装の質感はアウディらしい上品な仕上がりとなっています。ただ、エンジンに火を入れて走り出すと、その圧倒的な走行性能と安定した走りに驚かされるでしょう。
いい意味で裏切られるハイパフォーマンスモデルがアウディ R8なのです。
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