ポルシェボクスターとケイマンの違いについてわかりやすく解説

スポーツカーメーカーとして世界各国で高い知名度と人気を誇るポルシェ。911をはじめとした高性能スポーツカーを世に送り出し、スポーツカーの販売が厳しい現代でもその歴史を絶やすことなく製造・販売を続けています。

また、近年では、SUVやEVなども展開しています。さまざまな種類があるポルシェの中で、ボクスターやケイマンはどのような立ち位置の車なのでしょうか。今回は、ポルシェのエントリースポーツカーと言われることもあるボクスターとケイマンの違いについて解説します。

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目次

ポルシェボクスターの概要

ポルシェ ボクスターは、1996年に生産を開始したミッドシップオープンスポーツカーです。

初代986型ボクスターは、996型911とフロントエンドを共有している2ドア2シーターのオープンスポーツカーとなっています。つまり、ポルシェの代名詞ともいえる911のエッセンスも取り入れられて作られた手に入れやすい価格のミッドシップオープンスポーツカーとなっているのです。

座席のすぐ後ろに搭載される水平対向6気筒エンジンは、デビュー当初2.5Lで、最高出力は159kW(204PS)でした。1999年には、最高出力162kW(220PS)を発生する2.7Lエンジンへ変更。その後、最高出力が168kW(228PS)へ出力が引き上げられました。また、搭載されるエンジンが変更されたタイミングでボクスターSを追加。

ボクスターSには、最高出力158kW(252PS)の3.2L水平対向6気筒エンジンを搭載しています。このボクスターSのエンジンは、後に191kW(260PS)にアップグレードされました。

初のモデルチェンジを果たしたボクスター

2004年には、2代目987型ボクスターへモデルチェンジしました。洗練されたデザインや再設計されたインテリアなどによって、よりポルシェらしいスタイリングになっています。エンジンは、ボクスターが最高出力176kW(240PS)の2.7L水平対向エンジン、ボクスターSが最高出力206kW(280PS)の3.2L水平対向エンジンを搭載しています。

その後、2代目ボクスターはエンジン排気量および出力のアップをしました。最終的に、ボクスターのエンジンは最高出力188kW(255PS)の2.9L、ボクスターSは最高出力228kW(310PS)の3.4Lまで引き上げられています。

また、ティプトロニックSオートマチックトランスミッションがPDKトランスミッションに代わったことも2代目ボクスターのトピックです。2012年には、新しいデザインを採用し、よりシャープなスタイリングになった3代目981型ボクスターを発表。981型ボクスターは、軽量ボディや改良されたシャシーを採用し、よりスポーツカーらしいスタイルと走りを手に入れています。

エンジンは、ポルシェの伝統ともいえる水平対向エンジンを引き続き搭載し、最高出力195kW(265PS)の2.7Lエンジンと最高出力232kW(315PS)の3.4Lエンジンの2種類をラインナップしていました。また、最高出力243kW(330PS)を発生させる水平対向エンジンを搭載するボクスターGTSやボクスター スパイダーも販売していました。

「718」になったボクスター

2016年には、4代目982型718ボクスターがデビュー。4代目からはモデル名に「718」が付けられるようになりました。エンジンは、最高出力220kW(300PS)の2.0L水平対向4気筒ターボエンジンと可変タービンジオメトリー(VTG)付きのターボチャージャーを備えた最高出力257kW(350PS)の2.5L水平対向エンジンの2種類です。

その後、最高出力269kW(365PS)のボクスターGTSがデビューしました。また、718ボクスターは、ボクスター GTS 4.0(水平対向6気筒エンジン)やボクスターTなど、さまざまなバリエーションを展開していることも特徴です。

ポルシェケイマンの概要

ポルシェ ケイマンは、オープンスポーツカー ボクスターのクーペバージョンです。

ボクスターは、ダイナミックでスポーティなボディライン、ミッドシップならではの優れたパフォーマンス、魅力的な価格設定などにより大ヒットしたモデルです。この2シーターオープントップモデル「ボクスター」の成功を受け、ポルシェはクーペモデルの開発に着手しました。そして、2005年のフランクフルトモーターショーで「ケイマン」としてデビューし、市販化されました。

2005年に販売を開始した初代987型ケイマンは、座席のすぐ後ろのミッドシップにエンジンを搭載するオープンカーのボクスターとポルシェの代表モデルである911の中間に位置するモデルとなっています。

ラインナップは、2.7L水平対向エンジン(後に2.9Lへ拡大)を搭載する「ケイマン」と3.4L水平対向エンジンを搭載する「ケイマンS」を中心に、ケイマンRやポルシェデザインエディションなども販売されました。

モデルチェンジでミッドシップスポーツカーらしいスタイリングに

2012年には、2代目981型へモデルチェンジしました。新開発されたケイマンは、ボディがより低くなり、全長が長くなっています。また、軽量化とパワーに磨きがかけられ、走行性能が向上しました。さらに、長くなったホイールベース、ワイドになったトレッド、大径化されたホイールなどにより、ミッドシップスポーツカーらしい優れた走行性能を実現しています。

ラインナップは、ケイマンとケイマンSの2種類。ベースとなるケイマンは、最高出力202kW(275PS)を発生させる2.7L水平対向エンジンを搭載しています。より優れた性能を持つケイマンSには、3.4L水平対向エンジンが搭載され、最高出力329kW(325PS)を発生させます。その他にも、GTSやGT4など、よりスポーティなモデルやスパルタンなモデルも販売されました。

2016年には、3代目982型718ケイマンがデビュー。3代目からモデル名に「718」が付されるようになりました。また、基本的なデザインが718ボクスターと共通であることからも、クーペモデルの「ケイマン」、オープンモデルの「ボクスター」とキャラクターが明確になっています。

「718」になったケイマン

718ケイマンに搭載される4気筒水平対向ターボエンジンは、718ボクスターと共通です。ベーシックモデルである718ケイマンには最高出力220kW(300ps)の2.0Lエンジン、上位モデルの718ケイマンSには257kW(350ps)を発生する2.5Lエンジンを搭載しています。その他にも、GT4やGT4 RS、ケイマンT、GTS 4.0など、さまざまなバリエーションがあります。

ポルシェ ボクスターとケイマンの違い

ポルシェらしいドライビングを楽しめるオープンカーとクーペのボクスターとケイマンは、どのような違いがあるのでしょうか。

それぞれのポルシェの中の位置づけ

ポルシェには、スポーツカーやSUVなど、さまざまなタイプのモデルがあります。まず、ポルシェのモデルをタイプ別にまとめてみましょう。

2ドアスポーツカー
  • 911(クーペ・オープン・タルガ)
  • ボクスター(オープン)
  • ケイマン(クーペ)
SUV
  • カイエン
  • カイエンクーペ
  • マカン
4ドア

パナメーラ

電気自動車(BEV)
  • タイカン(4ドア)
  • タイカンクロスツーリスモ(ワゴン)
  • マカンエレクトリック(SUV)

2ドアスポーツカーの中でもトップに君臨するのはポルシェの代名詞ともいえるRRの「911」です。この911よりも手に入れやすい価格帯のスポーツカーが「ケイマン」と「ボクスター」となります。

ミッドシップレイアウトとなる「ケイマン」と「ボクスター」は、次のようなキャラクター分けがされています。

  • ケイマン:ミッドシップスポーツカーとしてのドライビングを楽しめるモデル
  • ボクスター:ケイマンが持つスポーツドライビングをオープンエアで楽しめるモデル

つまり、高性能な水平対向エンジンを搭載するポルシェの頂点に位置する「911」、ドライビングを楽しめるミッドシップのスポーツカーの「ケイマン」、ミッドシップスポーツカーのドライビングをオープンで楽しめる「ボクスター」となるのです。

スペックの違い

981型までのボクスターとケイマンを比較すると、ボクスターよりケイマンの方がエンジン出力が高くなっています。一般的に、オープンカーよりクーペのようなクローズドボディの方がねじれ剛性やボディ剛性が高くなります。そのため、ボクスターとケイマンでエンジンのスペックが異なっていたといえるでしょう。

ただし、モデル名に「718」が付されるようになった982型からは、2.0Lターボエンジンの「ボクスター/ケイマン」と2.5Lターボエンジンの「ボクスターS/ケイマンS」の出力が同じです。

しかし、ボクスターとケイマンのどちらにもラインナップされている高性能モデル「GTS 4.0」では、ボクスターとケイマンで最高出力が異なっています。また、ケイマンにラインナップされている「GT4 RS」はボクスターにラインナップされていません。

この出力やラインナップの違いからわかることは、オープンボディとクローズドボディでは、明らかにボディ剛性が違うということです。そのため、オープンボディよりもクローズドボディの方が剛性が高く、高出力エンジンのパワーにも耐えられるといえるでしょう。

エクステリアの違い

エクステリアは、オープンカーとクーペという大きな違いがあります。

ボクスターは、ソフトトップルーフが装備され、ルーフの開閉が可能です。一方、ケイマンは、開閉ができないクーペボディとなっています。このような違いがあるため、サイドから見たシルエットやリヤから見たときの印象にも違いがあります。

ボクスターとケイマンを同時に並べて見比べる機会は少ないと思いますが、2台を見比べることができる機会があるときは、さまざまな角度から見比べると、基本的に同じ車と言われるものの印象がかなり違うと感じるでしょう。

また、オープンカーとクーペという違いは、ラゲッジスペースにも影響しています。ボクスターは、座席のすぐ後ろにルーフを格納するスペースがあるため、リアのトランクはトランクリッド部分のみが開く構造となっています。

一方、ケイマンはリアガラスも開くハッチバックです。開口部が大きく、室内とつながっているため、長さがある荷物も収納することができます。

内装の違い

インテリアは、基本的に共通のデザインとなっています。ボクスターとケイマンでは可動できる部分(主にルーフ)に違いがあるため、スイッチ類など細かな部分に違いがあるものの、全体的な世界観や造形は同じです。

走行性能の違い

走行性能は、ボディ構造の違いがあり、ねじれ剛性やボディ剛性が異なるため、ドライビングの感覚に違いがあります。

車との一体感や自分の身体の一部のように車を乗りこなしたいのであれば、オープンボディのボクスターがよいでしょう。一方、ガシッとした硬い殻に包まれてスパッと走り抜けたいのであれば、クーペのケイマンがよいといえます。

どちらにしても、本国ドイツのアウトバーンやニュルブルクリンクなど、車にとって過酷な環境でも耐えられるほどのボディ剛性を確保しているため、購入を検討しているときは実際に車に乗って、自分の感覚に合う方を選ぶとよいでしょう。

中古車価格の違い

中古車価格は、ボクスターとケイマンのどちらもほぼ同じ価格帯です。ただし、ボクスターは、ケイマンよりも早い時期から販売されていたため中古車価格の幅が広くなっています。

中古車の価格帯は、ボクスターが約100万円〜約1,600万円、ケイマンが約200万円〜1,300万円です(2024年3月時点)。

どちらも100万円前後〜1,500万円前後という同価格帯であるものの、発売開始年やボクスターまたはケイマンにのみ用意されていたモデルがあるといったことなどが影響し、モデルごとに価格帯の違いがあると考えられます。

ポルシェ ボクスターはどんな人におすすめか

ポルシェ ボクスターは、ポルシェらしいスポーツドライビング、ミッドシップレイアウトのスポーツカーならではの操作性の良さ、オープンエアの心地よさ、ドライバーと車と自然の一体感を楽しみたい方におすすめです。

オープンカーは、クーペのようなクローズドボディより剛性が低いと言われることもありますが、アウトバーンやニュルブルクリンクなど車にとって過酷な状況になる環境で育てられたスポーツカーならではの安心感ある走りは、ドイツ車のポルシェだからこそ実現できる走りといえるでしょう。

ポルシェ ケイマンはどんな人におすすめか?

ポルシェ ケイマンは、高剛性なクーペボディに包まれながら、スポーツドライビングを存分に満喫したい方におすすめです。また、重量物が車の中心に集約されているミッドシップだからこそ感じられる車との一体感もケイマンならではの魅力といえるでしょう。

またポルシェ ケイマンやボクスターの購入を考えている遠方の方、あるいはご多忙な方に向けた「オンライン商談」もご用意しております。気になる中古車がございましたら、お気軽にご連絡ください。皆さまからのお問い合わせを心よりお待ち申し上げております。

 

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