今回はDセグメント同士のライバルである、ベンツCクラスとレクサスISについて比較紹介をしたいと思います。次期愛車に考えている方はもちろん、改めて両車種それぞれの違いについて知りたい方に向けて触れていきたいと思います。
それぞれのブランド概要
まずはそれぞれのブランドの概要について振り返ってみたいと思います。
ベンツの歴史
メルセデスベンツ(以下、ベンツ)は、1926年にドイツで設立され、今年で98周年です。日本ではプレミアムブランドの代名詞と認識を多くの方が持っていると思います。
しかし、ドイツ本国では日本では、目にする機会が少ないバンやタクシー、トラックといった商用車も多くラインナップされており、日本の自動車メーカーと同様の多彩なラインナップを展開しています。
日本に正規輸入されている車種のメインはセダン、コンパクトハッチバック、SUVです。また、従来通りステーションワゴン、クーペ、カブリオレもラインナップされています。
近年では、日本のプレミアムミニバン人気を考慮してミニバンもラインナップに加わり、痒いところにも手が届くラインナップの車種展開をしています。
どのような顧客に愛されているのか?
ベンツを愛する顧客は、ベンツの持つプレミアムな世界観と質実剛健な作りを愛する方々です。
長期間ベンツを所有している方の多くは、買い替えの際に次も最新のベンツを選ぶ傾向が強いです。
昔からベンツのポリシーとして「最善か無か」という言葉があります。「最善でなければ、無と同じ」という考えで車両開発を行っています。
今回のテーマとなっているCクラスの前身になる190シリーズがデビューした際、車体のサイズに捉われず今までの大型サルーンで培われた考えが凝縮されており世界中を驚かせました。そのポリシーは現在のCクラスにも長年受け継がれています。その時代のベストを追求し、最新技術を盛り込んでいます。
現在ベンツは新たな顧客層獲得を目指し、間口を広げたマーケティング活動を行っています。若年層からファミリー層まで含めた新たなファンの獲得に動いています。
走行性能の高さと言ったらベンツ
ベンツが得意とするのは、高速走行時の走行性能と取り回しの良さにあるでしょう。ドイツ育ちの車を語る上で、速度無制限区間が今も残るアウトバーンは外せません。
誰もが愛車の限界性能を試すことができる環境が日常にあるため、ベンツの走行性能は脈々と育てられています。
日本では体感できない超高速域で磨かれたその走行性能は特筆すべきものとなります。その性能の屋台骨として高いボディ剛性があります。それは、車に詳しくない女性がベンツのドアを閉めたとき、「金庫の扉みたい」と言ったとされる話もあります。
レクサスの歴史
レクサスは1989年にトヨタ発の北米向けプレミアムブランドとして誕生しました。高品質、プレミアムな機能性、日本車ならではの信頼性を武器に市場参入する際に開発された初代LS(日本名セルシオ)は、音や振動の発生源自体を対策する手法を取り、驚異の静粛性を実現しました。それは今までのプレミアムブランド各社を震撼させました。
2005年より日本展開を開始し、当初は欧州のプレミアムブランドに対抗するラインナップとしてスタートしました。今ではプレミアムコンパクトからSUV、最近ではミニバンが加わり幅広いラインナップを誇るブランドとなりました。
どういった顧客に愛されているのか?
レクサスを愛する顧客の多くは、その高い品質と信頼性を求めている方々です。
それまで国産車を乗っていた方としては、海外ブランドへの乗り換えを躊躇してしまうこともあるかと思います。
その不安を払拭するのは、やはりトヨタ譲りの安心感と国内の販売ネットワークによるアフターフォローの規模が1番の理由ではないでしょうか。
故障率の低さや販売店数の多さから国内のどこに行ってもサービスを受けることが可能な点がレクサスの強みであるといえるでしょう。
また、トヨタグループのラインナップから見ても異端児ともいえるハイパフォーマンスモデルを限定車とせずにラインナップしている点も車好きから支持されている点といえます。
おもてなしの心といえば、レクサス
日本車ならではのきめ細かな配慮が施された装備の数々、内装の質感はもちろん搭載されているカーナビなどのデバイス類の使い勝手にはやはり日本メーカーならではのおもてなしの心が宿っています。
静粛性に関してもレクサスの得意分野となります。モーターのみで走行可能なストロングハイブリッドシステムを搭載している車種も多く、従来以上の静粛性が求められます。
後からの対策は難しいため、開発初期段階から音源に対する対策を行っていることもおもてなしの一環といえます。
走り心地を比較(ベンツ Cクラス W205 VS レクサス IS)
同じセグメントであるベンツCクラスとレクサスISは世界各国で販売され熾烈なライバル関係にあります。日本仕様として、それぞれの項目で両者を比較してみましょう。。
グレード展開について
幅広いユーザー層へ向けたモデルのため、両車のグレード展開も近しい関係になります。
Cクラスは最量販グレードにあたるC200を皮切りに、ディーゼルエンジン搭載のC220d、プラグインハイブリッドのC350e、ハイパフォーマンスグレードのAMG C43、C63がラインナップされています。
対するISはIS300が最量販グレードとなり、ハイブリッドのIS300h、V6 3.5LのIS350、ハイパフォーマンスグレードのIS500と、同様の布陣です。
エンジンラインナップについて
グレード比較の際に少し触れましたが、エンジンラインナップについては大きな差があります。
Cクラスは直列4気筒ターボエンジンが基本となり、C350e以外はマイルドハイブリッド(モーターのみの走行はできず、エンジンのアシストを行うハイブリッドシステム)の組み合わせとなります。C350eはプラグインハイブリッドとなり、モーターのみで最大110kmの走行が可能となります。
下記にCクラスのグレード毎に搭載されるエンジンをまとめました。
グレード | エンジン構成 |
C200 | 直列4気筒 1.5L ガソリンターボ |
C220d | 直列4気筒 2.0L ディーゼルターボ |
C350e | 直列4気筒 2.0L プラグインハイブリッド |
C43 | 直列4気筒 2.0L ガソリンターボ |
C63 | 直列4気筒 2.0L ガソリンターボ |
AMGも含め現在はダウンサイジングエンジンとなっています。最新技術を集めた4気筒エンジンで、それぞれのグレードに合わせたパフォーマンスが与えられています。特にC43とC63は同じ2.0Lターボにもかかわらず、最高出力はC43が408馬力、C63は476馬力と68馬力もの差があることに驚きます。
ISについてはトヨタが誇るハイブリッドシステムに加え、多気筒モデルも用意されており直列4気筒からV型8気筒までバラエティに富んだラインナップとなります。一覧を下記にまとめました。
グレード | エンジン構成 |
IS300 | 直列4気筒 2.0L ガソリンターボ |
IS300h | 直列4気筒 2.5L ストロングハイブリッド |
IS350 | V型6気筒 3.5L ガソリン |
IS500 | V型8気筒 5.0L ガソリン |
ここまでのラインナップ設定をしてくれていることは大変嬉しいことですが、選択肢の多さが悩みの種でしょう。
走り心地に直結するパワーユニットであるため、エコ視点ではCクラスのプラグインハイブリッドかトヨタが誇るハイブリッドシステムのどちらを選ぶべきか?
スポーティー視点では、Cクラスの電動アシストを用いたターボ技術による2.0Lとは思えないパワーとレスポンスか、ISのV8 5.0L自然吸気が生み出すリニアに湧き上がる贅沢なパワーを選ぶべきか?購入者のライフスタイルや趣味によって、多くの選択肢が待っています。
駆動方式について
両者に共通しているのは、基本駆動方式は後輪駆動である点です。
CクラスもISも往年のFRセダンですが、キャラクターとしてはスポーツFRセダンの要素が多くあります。
C200、IS300hは後輪駆動だけでなく4WDも用意されています。グレードは限られますが、冬季に4WDが必要となる地域に住むセダン愛好家も安心して両車種を購入候補とすることができます。
C200はガソリンエンジン、IS300hはハイブリッドであり、走り心地は互いに個性が際立つものとなります。
C43、C63はそのパワーを受け止めるため、4WDのみの設定となっています。対してIS500は後輪駆動のみとなります。C63とIS500のエンジン性能はほぼ互角です。
この駆動方式の違いはメーカーの考え方の違いともいえます。Cクラスはそのパワーを余すことなく路面に伝え、天候に左右されない走行性能を追い求めての効率を優先した選択。
ISは重量バランスを気にしつつも、後輪駆動ならではのハンドリングの良さを活かしドライビングプレジャーを優先した選択です。
駆動方式は走り心地に大きな影響を与えるますが、ハイパフォーマンスな両車ならでは世界観があります。運転する際にそれぞれの気持ち良さと自身のフィーリングが合うかを確認して選択するのが良いでしょう。
それぞれどんな方におすすめか?
ベンツ「クラシックでエレガントなスタイルと快適な乗り心地を求める方におすすめ」
ベンツをおすすめしたい方は、クラシックでエレガントなスタイルと快適な乗り心地を求める方です。
近年のベンツのデザインは、CクラスからSクラスまで一貫したデザインスタイルをとっています。そのため上級クラスのモデルと同じようなエレガントさを兼ね備えています。
また内装デザインも同様のテーマとなっておりクラスレスな印象を持つでしょう。また先に述べたように強靭なシャーシ性能が快適な乗り心地へとつながっています。落ち着いたセダンを求める方にCクラスはおすすめといえます。
レクサス「静粛性と高い品質を求める方におすすめ」
レクサスをおすすめしたい方はズバリ、静粛性と高品質を求める方になります。
レクサスが発足した当時、初代LSの静粛性の高さに世界中のプレミアムブランドを震撼させました。今もその静粛性への作り込みの高さは受け継がれています。
また当時と違いハイブリットの登場によりエンジンの振動を出さずモーターのみで走行する場面も増えました。それはより高い静粛性を試される環境となります。
日本車ならではの品質管理能力による高耐久、高品質も兼ね備えています。その品質の高さが認められ、レクサスは今日まで世界で選ばれ続けています。トヨタ、ひいては日本のものづくりの底力の結晶といえるでしょう。
どのブランドがいいのかわからない方はトップランクまで
ベンツのクラシックでエレガントなスタイルと快適な乗り心地、レクサスの静粛性と高品質。どちらも魅力的な選択肢ですが、決めかねている方はぜひトップランクにご相談ください。
オンライン商談も可能で、ご自宅からでも詳細な車両確認ができます。お気軽にお問い合わせください。