世界的にも大きなヒットを記録したポルシェ初のSUV「カイエン」の弟分として、2014年に発売された「マカン」。
「いつかはマカンを保有したい」「中古で調べたらなんとか手が届きそうだ」と思うものの、「やっぱりポルシェだから、維持費はそこそこかかるんじゃないの?」と一度は考えますよね。
そんなマカンの購入を検討している方に、今回はマカンの維持費に関してまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
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マカンの概要
カイエンと同じく、VW社とシャーシを共同開発したという経緯を持っておりますが、こちらはFFベースのAWDプラットフォームとなっています。実際には「アウディ・Q5」の兄弟車的なポジションとなっております。
エンジンは2.0ℓ直4ターボ/2.9ℓV6ツインターボ/3.0ℓV6ターボ/3.0ℓV6ツインターボ/3.6ℓV6ツインターボの計6種があり、2.0ℓがVW製、3.0ℓはポルシェ製とアウディ製、3.6ℓがポルシェ製、2.9ℓはアウディ製となっており、少し複雑な構成になっています。
トランスミッションは7速PDKのみで、M/Tの設定はございません。アウディ製エンジン搭載となった後期モデルは、シャーシのかなりの部分とエンジンがアウディ(VW)由来ということで、ポルシェによる仕立てではありますが、前期モデルのようなポルシェ味はしなくなったとのレビューも見られます。
2024年に新型が発表されてEVに一本化されたため、レシプロエンジン搭載の「マカン」は2024モデルが最後となります。ここではその「ポルシェ・マカン」の維持費について検証してみましょう。
マカンの維持費の内訳について解説
それではマカンの維持費について、それぞれ詳しくみていきましょう。維持費の項目については主に以下が挙げられます。
- 燃費
- 定期メンテナンスと修理費
- 消耗品の交換コスト
- 税金と車検費用
ポルシェの全ラインナップの中では「ボクスター」に次いで求めやすい価格設定のため、初期費用はやや抑えられますが、維持費についてはどうでしょうか。燃費や整備費用、消耗品費などを交えて検証してみましょう。
マカンの燃費と他のSUVとの比較
上記のようにエンジンのバリエーションが6種もあるため、ここではポルシェ度が最も高いと思われるポルシェ製の3.6ℓV6ツインターボが搭載されている前期「マカン・ターボ」にフォーカスを当て、燃費について掘り下げてみます。燃費の数値は、街乗りで5〜7㎞/ℓ、高速で10〜12㎞/ℓというのが実状のようです。
3.6ℓの排気量で400馬力を発生させるパワー優先の特性のため、この数値はけっして悪くはないと思いますが、世情的には歓迎されはしないでしょう。
ライバル車との比較も紹介しておきましょう。BMW・X3 Mは街中で5〜7㎞/h、高速で8〜10㎞/h、AMG GLC43は街中で6〜8㎞/h、高速で9〜11㎞/hです。X3 Mは3.0ℓ直6ツインターボの480psなので燃費が良くないのは当然ですね。
GLC43は390psと出力がマカンと近い数値ですが、こちらも3.0ℓV6ツインターボと排気量が小さいため、燃費的には不利な比較となります。
定期メンテナンスと修理費
定期的なメンテナンスのスケジュールと費用は以下の通りです。
- オイル交換:オイル代が1,800円×8ℓ×年2回+工賃=約28,800円
- 定期点検:約25,000円(12ヶ月項目)
- 消耗品費:約20,000円
- 計73,800円
※費用は2024年2月時点の情報です。
一般的な項目の計上で国産車の平均値を軽く上回るのは、エントリークラスの車種ではありますが、さすがはポルシェと言えるでしょうか。
高価な部品交換や修理が必要になる可能性
マカンで事例の件数が多いPDKミッションのトラブルの場合、内部の制御電子部品の交換で20万円〜と言われています。ちなみに、万が一ミッションASSY交換になると300万円近い出費になるという話も聞こえてきますが、そこまで重度の例はほぼ見られないのでよほどのことがなければ心配は不要でしょう。
ちなみに事故で外装が広範囲にダメージを受けた場合、ポルシェセンターでの修理見積もりが軽く100万を越えるとの報告例があります。ざっくりとですが、国産車の場合は半分の価格で済ませられる内容だと思われます。
消耗品の交換コスト
マカンに使用される高品質な消耗品(タイヤ、ブレーキパッド等)の費用についてです。マカンが履いているタイヤは、ピレリのフラッグシップ「PZERO」で、しかも265/295幅の21インチサイズという最も高価なレンジの品のため、まともにディーラーで交換すると、工賃込みで50万円オーバーと言われています。
ブレーキパッドの交換も、ディーラーに依頼するとディスクローターとのセット交換を勧められるので、一台分セットで15万円超という価格になります。
消耗品の寿命と交換頻度
消耗品の寿命と交換頻度については、マカンはハイパワーでそれなりに重量がある車種なので、タイヤの交換は一般の目安より早いサイクルでの交換が望ましいです。
具体的には、2万㎞で交換するとして、年間7000㎞走ると仮定すると3年に1度の交換となります。ブレーキパッド&ローターは安全の担保のためにも、だいたい4〜5万㎞が交換の目安だと思っておいた方が良さそうです。
税金と車検費用
税金と車検費用に関しても触れておきます。日本における自動車税、重量税の計算方法と車検に関する費用の内訳は以下の通りです。
- 自動車重量税
- 自賠責保険料
- 印紙代
これに車検代行業者に支払う手数料を加えたのが車検費用となります。
マカン(前期3.6ℓグレード)の車検に掛かる費用の具体例は以下の通りです。
車両重量:1925㎏(エコカー減税非対称)
法定費用
- 自動車重量税:32,800円
- 自賠責保険料:25,830円
- 印紙代:2,300円
合計:60,930円
車検代行手数料の相場が1万〜1.5万円として、合計すると 76,000円ほどになります。
マカンのリセールバリューと価値を維持するためのポイント
マカンの中古車の状況について
マカンの中古車の状況について、2024年2月時点でのマカンの中古車市場価格を見てみますと、安いものでは300万円台という値付けがされています。そこから600万円くらいに掛けてが中心ボリュームという印象です。グレードの差よりも年式の要素が価格に大きく影響しているようで、上位グレードのターボであっても年式が古いと300万円台で購入可能です。
再販価値を高く保つためのポイント
車両の状態としては、ポルシェらしい走りを支えるエンジンや足回りなどにメンテナンス費用を掛けておくのがリセールバリューの面でも効果は高いと思われますが、その費用が高価であるという面がありますので、掛けどころは見極めなければなりません。
また、内装の擦れは買い取り価格に大きく響くので、その点を重視するのであれば、普段から丁寧に扱うようにしておきたいところです。
中古車市場価格の傾向を見る限り、時間の経過で古い年式から価格が落ちていくのは避けがたいところですが、自動車業界全体の動きを踏まえて長い目で見ると、今後はガソリンエンジンのハイパフォーマンス車の価値は上がりこそすれ、落ちることはないと思われます。
特にポルシェという不動のブランド力がある車種なので、長く所有すればゲインは大きく得られるでしょう。
マカンの総合的なコストと他車種との比較
ここまでで挙げた各費用の年間合計金額を試算してみよう。
費用の種類 | 詳細 | 年間費用 (円) |
---|---|---|
燃料費 | 5 km/L、7000 km/年、180円/L | 250,000 |
定期的なメンテナンスの費用 | ・オイル交換:1,800円×8L×年2回+工賃=約28800円 ・定期点検:約25,000円(12ヶ月項目 ・消耗品費:約20,000円 | 73,800 |
主な消耗品の交換費用 | タイヤ交換:50万円 →1年分で約17万円 ブレーキパッド交換:15万円 → 1年分で約2.5万円 | 195,000 |
車検費用 | 自動車重量税:32,800円 自賠責保険料:25,830円 印紙代:2,300円 車検代行手数料:1.5万円 | 75,000 |
年間合計費用 | 593,800 |
実際にはこの他に自動車保険料や任意保険料、細かい消耗品代、駐車場代などが加わります。それらをざっくり140万円と見積もって、総合計金額は約150万円という金額になると考えられます。
中古車のマカンを購入する前に考慮するべきポイントは?
マカンの維持費は決して安くはないが、維持費を抑える工夫もできる
この試算結果を踏まえますと、「マカン」はSUVのエントリーモデルとは言え、ハイパフォーマンスの代名詞である「ポルシェ」ブランドの中のれっきとした一車種であり、「マカン」を手に入れるならば、そのパフォーマンスに見合った費用が必要であるという結果となりました。しかし、この試算はあくまでも各項目を最大値として計上したものです。
例えば、費用に対する割合の大きいタイヤやブレーキパッドなどの消耗品の購入を工夫することで、それなりの額が軽減できるでしょう。
また、中古車を購入する際に、交換やトラブルの発生が少ない個体を見極められれば、後々の出費が抑えられますし、乗り出し後に万が一不具合が発生した場合でも、トップランクに任せていただければその費用を最小に抑えることが可能です。しっかり考えて上手に「マカン」のエキサイティングな走りを堪能していただきたいです。
購入前に考慮すべき要点とアドバイス
特に価格がリーズナブルな低年式のモデルの場合は、あちこちに要交換の可能性が増しているはずなので、事前に慎重に見ておかないと、購入後に「高年式の個体にしておけば良かった……」という事態を招きかねません。そしてタイヤやブレーキパッドなどの消耗品の交換費用も高額のため、それらの状態チェックも忘れてはいけません。
グレードに関しては、もう好みの問題と言い切って良いでしょう。前期の4気筒モデルも独特の乗り味がありますし、走りに重点を置くのであれば、高回転型の3ℓV6ターボを搭載し、よりポルシェらしい走りの味付けのために車高を落としたGTSを選ぶのがベストでしょう。
「ポルシェ・マカン」を中古で購入を考えているならば、まずは車両本体価格だけでなく、上記の項目を考慮した総額で一度試算してみることをお薦めします。
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