今回は、コンパクトSUVで人気のアウディQ3が持つ魅力に迫ります。人気の理由を調べたところ、2つのボディタイプがあり、2代目で大きく進化したことが分かりました。
新たなプラットフォームがもたらす快適な室内空間、新設定のディーゼルエンジンとアウディ伝統の4WDシステムquattroとの組み合わせ。ライバルと比較した際のアドバンテージなど、調査結果を紹介していきたいと思います。
アウディQ3はなぜ30〜40代に人気なのか?
現在SUVは世界的に人気のジャンルとなっており、大型SUVは変わらず注目を集めています。しかし、コンパクトSUVが各メーカーから登場し徐々に人気を得てきました。
メーカーが想定するコンパクトSUVのユーザー層は、30~40代の輸入車へステップアップを考えている年齢層になります。SUVが欲しいが、サイズが大きいと使い勝手が悪い。運転をするのは自分だけでなく、家族も運転することが想定される世代です。
そんなユーザー層から人気を得ているポイントについて紹介したいと思います。
洗練されたデザインと高級感
求められているのは、取り回しの良いコンパクトなSUVです。従来コンパクトというと、どうしてもデザインや品質面、高級感といったポイントが蔑ろにされていました。
アウディQ3は上位モデルであるQ5、Q7、Q8のデザインエッセンスが散りばめられており、コンパクトSUVとは思えないエクステリアデザインと装備を備えています。
インテリアは広々とした室内空間にシンプルでありながら高品位を感じさせるインストアパネルのデザインを採用しています。また、オプションで上位モデルと同じ液晶画面のメーターパネル、マルチカラーで彩るアンビエントライティングシステム、SONOSサウンドシステムといった、クラスレスな装備が装着可能となっています。
小回り、駐車のしやすさなど都市部でも使いやすい
アウディQ3のボディサイズはSUVモデルの中ではコンパクトな部類となるため、都市部での使い勝手でそのコンパクトさを実感することができます。都市部の大通りから一本入った住宅街には、狭い路地が多く残っています。
大型SUVの場合、取りまわしが非常に困難となるような路地やそもそも侵入することが困難な場面も多く発生しますが、Q3のボディサイズはこのような場面で重宝します。
また、昔ながらの商業施設の駐車場には、通路や駐車スペースが狭いままの場所も多く残っています。そのような場面でも、コンパクトなボディサイズと最小回転半径が扱いやすさに繋がります。
多様なニーズに応える2つのボディタイプ(SUV、スポーツバック)
今回のアウディQ3は、2つのボディタイプで登場しました。1つ目は従来のSUVデザインを踏襲したボディタイプになります。
SUVらしさを協調するため、張り出したホイールアーチはアスリートの存在感をイメージしています。
このボディタイプではラゲッジルームの広さに定評があります。ルーフ後端を水平に延ばしたことにより、ラゲッジルームの上下方向のスペースが多くとられています。キャンプのようなアウトドア係の趣味をされている方は荷物がかさばってしまう場面が多いと思います。その際に積載力の高さが魅力的に映ることでしょう。また、荷物をラゲッジルームに持ち上げる高さも低く設定されており、積載性能を重視していることが分かります。
もう1つのボディタイプは、クーペデザインを意識したスポーツバックになります。
スポーツバッグはクーペを意識したボディ形状のため、スポーティーさが魅力的です。都市部の街並みに映えるアーバンデザインのモデルといえます。
デザインコンセプトは、アスリートが持つ力強さとシャープさです。ブリスターフェンダーの張り出しによる力強い筋肉質さを、リアビューの水平ラインはフォルムを引き締めるシャープさの演出をしています。
ラゲッジルームについては、スポーツバックはルーフ後端からなだらかに下がるデザインとなるため、高さ方向では不利ではありますが奥行きは確保されています。
高さのかさばらない、テニスバッグやゴルフバッグなどを積む分には充分に対応が可能となります。
同一モデル内で、ユーザーのライフスタイルに合わせてボディタイプを選べる贅沢な仕様です。
アウディQ3は2代目モデルでどう変わったのか?
2代目となったアウディQ3は、初代から大幅に進化を遂げています。ここでは、その具体的な変更点について詳しく見ていきます。
エンジン性能の向上
2代目となったアウディQ3のエンジンはガソリンエンジンとディーゼルエンジンの2種類が用意されています。ガソリンエンジンは初代の1.4Lに対して0.1L排気量アップした1.5L TFSIが搭載されています。日本の税制上1.5L以下のため、初代から買い替えても自動車税が変わる心配はありません。
また、初代にはなかったディーゼルエンジンが新たにラインナップに加わりました。
2.0L 直列4気筒のTDIは、初代の2.0L ガソリンエンジンTFSIの代わりとして設定されています。ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの特性は異なり、ディーゼルエンジンは同排気量のガソリンエンジンよりもトルクが20Nm高く設定されています。そのため、より力強い走りが実現します。
MQBプラットフォームを採用、安定性などが向上
プラットフォームとは車体のメイン骨格となるシャシー部分になります。今回、フォルクスワーゲンが開発したMBQプラットフォームがアウディQ3にも採用されています。
このMQBプラットフォームは多くの車種と共有化するために開発されています。そのため、Q3よりも上位モデルまでカバーする設計となっているため、性能の余裕が向上しています。シャシーの余裕は車両性能の向上にもつながり、結果的に走行安定性が向上しています。
ボディサイズが拡大し、それに伴い、車内空間も拡大
今回2代目へのモデルチェンジの際、ボディサイズが初代と比較して僅かではありますが拡大しています。その背景としては、弟分ともいえるアウディQ2が登場したことによりQ3は2代目へモデルチェンジするタイミングでクラスアップを狙いボディサイズ拡大が行われました。
変更の中で、車内空間の広さに影響を与える全幅とホイールベースが、それぞれ初代と比較して全幅で25mm、ホイールベースで77mm拡大しています。全幅の拡大による効果は想像しやすいと思います。
車内が広くなったと実感できるポイントとして意外と寄与しているのはホイールベースの延長です。ホイールベースが延びることにより車内の全長も併せて延ばすことができるため、足元の前後方向が広がることで快適性を得られます。
そのため、数字以上に感覚として車内が広くなったと感じられるでしょう。
新型トランスミッションの採用
今回2代目のモデルチェンジをした際に、トランスミッションも変更されています。アウディQ3には、歴代Sトロニックと呼ばれるアウディのオートマチックトランスミッションが搭載されています。
これは、日本車で主流となっているオートマチックトランスミッションやCVTとは異なり、マニュアルトランスミッションで使われるクラッチを用いたシステムです。エンジンパワーをロスなく伝える反面、オートマチックトランスミッションやCVTのようにシームレスな変速が得意ではありません。
Sトロニックは2枚のクラッチを使用して、スムーズかつクイックに変速を実現しています。初代モデルでは、2.0Lエンジンを搭載したモデル以外は6速までのSトロニックしか設定がありませんでした。2代目では、全エンジンを問わず7速Sトロニックが設定されました。
これにより、加減速時に適切なギアを選択でき、マニュアルモードでの走行時には変速の楽しみがさらに広がります。さらに、1速増えたことで高速走行時のエンジン回転数が抑えられ、燃費向上にも貢献しています。
アウディQ3の走行性能
アウディQ3のガソリンエンジンとディーゼルエンジンの特徴、そしてquattroの魅力について詳しく解説します。
アウディQ3のエンジン性能の特徴
先にも述べた通り、2代目のQ3には2種類のエンジンが用意されています。ガソリンエンジンのTFSIは1.5リッターターボチャージャー付き4気筒エンジンになります。最高出力は150 PS、最大トルクは250Nm。
ディーゼルエンジンのTDIは2リッターターボチャージャー付き四気筒エンジンになります。最高出力は150 PS、最大トルクは340Nm。最高出力はガソリンエンジンとディーゼルエンジンで同等ですが、ディーゼルエンジンは最大トルクの大きさが特徴です。
340Nmは一昔前の3.0L V型6気筒エンジン相当のトルクが現在のダウンサイジング技術により、小排気量で十分な性能を発揮できるようになっています。
quattro(4WD)の魅力
quattroとはアウディが長年改良を続けてきた4WDシステムの名称になります。今回のアウディQ3では、ディーゼルエンジン搭載モデルのみにquattroが設定されています。現時点では残念ながらガソリンエンジンには設定がされていません。ただし、ボディタイプはSUVタイプとスポーツバックのどちらでもquattroを選択できます。
quattroは季節や天候を問わずあらゆる悪路面環境下でも走破性を損なわないように進化が続けられてきました。ウィンタースポーツを考えている方はもちろん、高速走行時の安定性などを求める方にはオススメしたいと思います。
ディーゼルエンジンquattroを設定した背景として、ディーゼルエンジンのトルクが車両重量増によるガソリンエンジンモデルとの差を軽減するためと考えられ、走行性能への大きな影響はないと予想されます。
アウディQ3の新車・中古車価格
アウディQ3の新車価格と中古車市場の相場について紹介します。
新車と中古車の価格について
Q3全体の新車価格帯としては470万円~581万円になります。Q3のSUVタイプは5グレード構成で価格帯は470万円~561万円。
スポーツバックは3グレード構成で価格帯は485万円~581万円になります。この価格はオプションを装着していない車両本体価格になります。
中古車価格帯についてカーセンサーで調べたところ、現在Q3は84台、スポーツバックは122台が流通しています。Q3の流通価格帯は315万円~560万円、平均価格は386万円になります。
もっともお手頃な車両は2021年式のディーラー認定中古車で、走行距離1.7万キロ、車検がほぼ二年残っている状態の35 TFSI アドバンストです。
最も高価な車両はディーラーの認定中古車で、展示試乗車として使用されていた2024年式、走行距離2000キロのTDI Sラインです。展示車だったため、オプションも豊富に装着されており、オプション装着を考えている方にはお得な車両と言えるでしょう。
スポーツバックの流通価格帯は341万円~578万円、平均価格は438万円になります。もっともお手頃な価格の車両は2021年式で走行距離1.7万キロの35 TFSIになります。
最も高価な車両はディーラー認定中古車の2024年式、走行距離1000キロのTDI Sラインになります。
両モデルとも、初回車検を迎える3年落ちの2021年モデルが多く流通しています。走行距離も1万キロから3万キロ未満のゾーンが主流となっています。中古車としては年式や走行距離の条件が整っており、多くの選択肢から好みの一台をお得に購入できるタイミングといえるでしょう。
競合車種(BMW X1、メルセデス・ベンツGLA)との比較
Q3の競合車種としてBMW X1、メルセデス・ベンツ GLAが挙げられます。この3モデルは同カテゴリーとなり、お互いを研究して開発をしていることが垣間見えます。その中で、唯一2つのボディタイプを持つのはアウディQ3です。
ボディサイズは3モデルともほぼ同等で、唯一Q3スポーツバックの全長がわずかに長い程度の差です。エンジン出力もガソリンエンジン、ディーゼルエンジンともに同等ですが、BMW X1のみガソリンエンジンは3気筒です。
各モデルには4WDの設定がありますが、ディーゼルエンジンとの組み合わせです。グレード展開では、アウディQ3が優れています。
スポーツバックを含め、アウディQ3は8グレードから選択できますが、スペシャルモデルを除くと、BMW X1は3グレード、メルセデス・ベンツ GLAは2グレードのみです。アウディQ3は新車、中古車ともにグレード選択の自由度が高く、選ぶ楽しさがあります。
ここまで読んでアウディQ3に興味が湧いた方は、まずご自身の条件に合うグレードや装備を調べてみてください。条件に合う車両を探す際に疑問や不安があれば、是非トップランクにお問い合わせください。きっとお役に立てると思います。