アウディQ3は人気の高いコンパクトSUVですが、購入前に知っておくべき欠点や注意点も存在します。
ここでは、実際の使用において気になる点や注意すべきポイントを解説していきます。
アウディQ3の実用面での欠点
アウディQ3は魅力的なモデルですが、実用面でのいくつかの注意点もあります。特に、乗り心地やスペース、ナビシステムの使い勝手など、購入を検討する際に確認しておきたい要素について詳しく見ていきましょう。
硬めのサスペンションによる乗り心地への影響
多くのドイツ車がそうであるように、アウディQ3のサスペンションのセッティングも、日本車と比べたらあきらかに硬めです。日本の高級車であれば、路面の段差も穏やかにいなしてくれるところを、アウディQ3は路面の段差をしっかりとドライバーや同乗者に伝えます。
これを安心感と捉えるか、乗り心地が硬い(よりストレートに表現すれば乗り心地がよくない)と判断するかは人それぞれであり、好みの問題ともいえます。つまり、ドライバーにとっては安心感につながったとしても、同乗者にとっては不快に感じる可能性があるということです。
納車されてから家族やパートナーなどから「このクルマは乗り心地が好みじゃない!」と苦情が出ても、乗り換えにはハードルが高いと感じる人も多いでしょう。できれば、購入する前に市街地はもちろんのこと、高速道路などでも試乗を行い、同乗者の印象を聞いておいた方がよさそうです。
もっとも、アウディをはじめとするドイツ車に乗り慣れている同乗者であれば苦情が出る可能性は低いといえるでしょう。
後部座席の頭上の空間の狭さ
アウディQ3のボディーサイズは、全長×全幅×全高=4490×1840×1610mmです。フェイスリフトされたフォルクスワーゲン ゴルフ(通称:ゴルフ8.5)のボディサイズが全長×全幅×全高=4289×1789×1483mmであることからも、アウディQ3はひとまわり大きく、決してコンパクトSUVとはいえません。
リアシートは130mmの前後スライドが可能で、背もたれの角度も7段階に調整できます。アウディQ3の定員乗車は5名ですが、リアシートに大人2名で乗車するなら、快適に過ごせる室内空間といえます。
ただ、可能な限りスタイルの良さを追求するのがアウディの美点であり、時にウィークポイントに働くこともあります。それはリアシートの頭上空間の狭さです。特にクーペスタイルのスポーツバックでは気になる人が増える傾向にあります。
前後調整やヘッドレストの角度調整である程度はカバーできますが、スタイリッシュなデザインが故に「我慢すべきポイント」といえます。このあたりも体格や個人差があるので、必ず事前に実車を確認し、購入を検討してください。
ナビゲーションシステムの使いづらさ
アウディQ3に限らず、輸入車に装備されている多くの純正ナビゲーションシステムはおおむね不評です。そのため、使いづらいと感じることが多いです。目的地検索の煩わしさや、道案内の精度、突然のシステムダウン、問題点を挙げればキリがありません。
かつては日本仕様のみ、OEMという扱いで国産メーカーのカーナビゲーションをカスタマイズしたものが搭載されていた時期もありましたが、現在はドイツ本国で設計されたものが装備されています。国が違えば求められるスペックや使い勝手も異なります。特に、精度の高い製品を求める日本のユーザーには、求める基準が高すぎることもあります。
高年式のモデルに搭載されている純正ナビゲーションであればApple CarPlayに対応している可能性が高いです。Google Mapと連動させ、こちらのナビゲーション機能を使うことで補うなど、ユーザーが工夫する必要がある部分でもあります。
購入前に知っておきたいアウディQ3の故障リスク
アウディQ3の購入を考える際、故障リスクについても把握しておくことが大切です。
ここでは、よく見られる故障ポイントや、長く快適に乗り続けるための注意点について解説します。
エアコンコンプレッサーの故障
エアコンをオンにしても一向に車内が冷えない、あるいは暖まらない場合には、さまざまな要因が考えられます。もし冷えない場合にはエアコンコンプレッサーが故障しているかもしれません。コンプレッサー本体からのオイル漏れによるガスの圧力低下が起こり、エアコンが効かなくなるのです。
エアコンコンプレッサーが故障した場合は新品またはリビルト品などに交換することとなります。高年式のクルマが多いQ3だけに今のところは心配ありませんが、少しでも気になる場合はメーカー保証期間内に交換した方が費用も掛からず、安心でしょう(交換するとなると10万円単位の出費となります)。
オルタネーターとラジエーターのトラブル
オルタネーターはエンジンが動くことで電気を発生させることができる、現代のクルマにはなくてはならない部品のひとつです。また、ラジエーターも、エンジンを冷却する非常に重要な部品です。
高温多湿で知られる日本の夏。そして極寒地では氷点下20度以下にもなる日本の冬。クルマにとって非常に過酷な使用環境です。どちらも不具合が発生すると、メーターパネルにエラーメッセージが表示されます。
放置すると走行不能やエンジンオーバーヒートのリスクが高く、速やかに整備工場に入庫する必要があります(この際、整備工場の指示に従ってください)。
DCT(アウディSトロニック)ミッションの問題
ツインクラッチシステムを採用したDCT(アウディでは「Sトロニック」)。小気味よいシフトチェンジは、トルコン式のATとはまた違った加速感が味わえるほか、3ペダルMTが不要に思えるほどスポーツドライビングが楽しめるトランスミッションです。
Sトロニックには6速および7速仕様、また湿式と乾式といった具合にさまざまな仕様が存在します。クラッチの劣化やオイル漏れ、異音の発生などの経年劣化によるトラブルがあります。トラブルを防ぐため、法定12ヶ月点検や24ヶ月点検の際に、トランスミッションの状態を確認してもらうようにしましょう。
電子制御系の不具合
ドイツ車にありがちな故障のひとつに「警告表示の誤作動」があります。何の前触れもなく、突然タイヤの空気圧の低下を示す警告灯や、ABS警告灯、エアバッグ警告灯の誤作動することがよくあります。
多くの場合、警告音は自然に消えてしまいますが、まれに表示されたままになってしまうことがあります。不安な場合は、普段から整備をお願いしている工場に連絡して、対処法を確認してください。入庫をうながされる場合もありますが、その場でできる対処法を教えてくれるケースもあります。
それでも人気のアウディQ3の魅力とは
このような注意点があるものの、アウディQ3は依然として高い人気を誇ります。デザインや性能、利便性に優れ、多くのユーザーを魅了する理由を紹介します。
洗練されたデザインと高級感の魅力
アウディQ3は、Qファミリー専用のオクタゴン(8角形)のシングルフレームグリルやLEDヘッドライト、大型のエアインレットと特徴的なバンパーが特徴的です。なかでもQ3よりも全高が約450mm低く、アウディQ3のクーペモデルともいえるアウディブランド初のコンパクトクロスオーバーSUV「アウディQ3スポーツバック」がラインアップされています。
室内には、オクタゴン(8角形)のシングルフレームグリルをモチーフにしたデザインがインストルメントパネルに採用されています。アウディの上位モデルから受け継がれた10.25インチのフル液晶ディスプレイ式デジタルインストルメントクラスターやタッチスクリーンを備えたMMIなどにより、先進的なデジタル体験を提供しています。
また、さまざまなセーフティ機能やドライバーアシスタンスシステムを搭載することにより、事故を予防します。具体的には、衝撃を軽減するアウディプレセンスフロントに加えて、アウディサイドアシストやアウディアクティブレーンアシスト、アダプティブクルーズコントロールやサラウンドビューカメラなどにより、高い安全性と快適性を確保しています。
小回り、駐車のしやすさなど都市部でも使いやすい
アウディQ3およびアウディQ3スポーツバックは、4490mmの全長でありながら、旧型比で75mm長くなったホイールベースにより広い居住空間を確保しています。リアシートのヘッドクリアランスも、先代モデル比で7mm拡大、さらにアウディQ3スポーツバックでも十分なスペースを確保しています。
ラゲッジスペースは通常時で70リッター拡大され、530リッターという、クラストップレベルの収容力を誇ります。リアシートは前後スライドやリクライニングが可能で、リアシートを格納すれば最大1,525L(アウディQ3スポーツバックは1,400L)まで拡大します。さらに、フロアボードは高さの変更が可能で、フロア下にリアパーセルシェルフを格納できるなど、さまざまなアレンジが可能となっています。
軽量化と高いボディ剛性を両立させたボディには、新開発の1.5リッターTFSIエンジンとクリーンディーゼルの2.0 TDIの2種類が用意されています。1.5リッターTFSIエンジンは、より高圧の直噴システムの採用などにより最高出力150ps、最大トルク250Nmを発揮する一方、気筒休止システムのシリンダーオンデマンド(cod)により、省燃費を実現。
また、2.0 TDIエンジンは 340Nmのトルクと低燃費性を両立。いずれもトランスミッションには7速Sトロニックを採用。また2.0 TDI搭載モデルには、電子制御式油圧多板クラッチを用いたquattro(クワトロ)フルタイム4WDシステムを組み合わせることで、安定した加速とコーナリングなど優れた走行性能を実現しており、シーンを問わず乗りやすさと高い実用性を両立させています。
アウディQ3の新車価格と中古車価格
アウディQ3の新車価格と中古車市場における価格を比較し、それぞれの選択肢について詳しく見ていきます。価格帯や購入の際のポイントも併せて解説します。
新車と中古車の価格について
新車価格について
※この価格は2024年10月時点のものです。
- Q335TFSI:4,700,000円
- 35TFSIアドバンスド:4,970,000円
- 35TFSI Sライン:5,270,000円
- 35TDI クワトロアドバンスド:5,310,000円
- 35TDI クワトロSライン:5,610,000円
- 35TFSI:4,850,000円
- 35TFSIアドバンスド:5,500,000円
- 35TDI クワトロSライン:5,810,000円
これまで発売された特別仕様車・限定車について
- ハイスタイル(2023年9月/限定250台):5,720,000円
- ハイスタイル(2023年9月/限定350台):6,160,000円
- ダイナミックエディション(2024年3月/特別仕様車):6,330,000円
※2024年10月現在、アウディQ3/アウディQ3スポーツバックの中古車相場は以下のとおりです(カーセンサー調べ)。
- 平均価格:396万円
- 価格帯:288万円~558万円
- 平均価格:333.5万円
- 価格帯:229.5万円~499万円
競合車種(BMW X1、メルセデス・ベンツGLA)との比較
- 全長×全幅×全高:4490×1840×1610mm
- ホイールベース:2680mm
- 車両重量:1560kg
- 駆動方式:FF
- トランスミッション:7速AT(7速Sトロニック)
- エンジン:直列4気筒DOHC16バルブICターボ+モーター
- 排気量:1497cc
- エンジン最高出力/最大トルク:150ps/250N・m
- ステアリング:右
- 全長×全幅×全高:4500×1840×1565mm
- ホイールベース:2680mm
- 車両重量:1560kg
- 駆動方式:FF
- トランスミッション:7速AT(7速Sトロニック)
- エンジン:直列4気筒DOHC16バルブICターボ+モーター
- 排気量:1497cc
- エンジン最高出力/最大トルク:150ps/250N・m
- ステアリング:右
- 全長×全幅×全高:4500×1835×1645mm
- ホイールベース:2690mm
- 車両重量:1740kg
- 駆動方式:4WD
- トランスミッション:7速AT
- エンジン:直列4気筒DOHCターボ+モーター(ディーゼル)
- 排気量:1995cc
- エンジン最高出力/最大トルク:150ps/360N・m
- ステアリング:右
- 全長×全幅×全高:4415×1835×1620mm
- ホイールベース:2730mm
- 車両重量:1550kg
- 駆動方式:FF
- トランスミッション:7速AT
- エンジン:直列4気筒DOHCターボ+モーター
- 排気量:1331cc
- エンジン最高出力/最大トルク:136ps/230N・m
- ステアリング:右
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