BMW 1シリーズ(F40型)は、そのスポーティなデザインと高い実用性で多くの支持を集めていますが、長く乗り続けるためには定期的なメンテナンスが不可欠です。
今回は、BMW 1シリーズ(F40型)の壊れやすい部分と、長く乗り続けるためのメンテナンスポイントを紹介します。
長く乗るためには定期的なメンテナンスが重要
1シリーズは、しっかりメンテナンスを行えば何年でも乗り続けることが可能です。逆にメンテナンスをしないと、車のパーツの劣化が進み、故障するリスクが高まるでしょう。
長期間使い続けたい場合は、定期的な点検やオイル交換、部品の交換を怠らず行うことが重要です。
また、BMWには走行距離や経過時間、車両の走行パターンなどに応じて、その車両に適切な点検時期と点検項目を知らせる「コンディションベースドサービス(CBS)」、または車両の状態を常にモニタリングをして、メンテナンス時期をオーナーに知らせる「サービスインターバルインジケータ」といった機能があります。
これらはいずれも法定点検とは別に設定されたBMW独自のメンテナンス機能であり、ディーラーなどに入庫を促す案内がメーターパネルに表示されたときは、速やかに入庫するようにしてください。
1シリーズ(F40)はどのような部分が壊れやすいのか?
エンジンオイル漏れ
日本市場では2019年8月に販売が開始されたBMW 1シリーズ(F40型)。初期モデルはそろそろ2回目の車検の時期でもあります。BMWのエンジンオイル交換は走行距離15,000kmごと、または1年ごとが目安とされています。日本車に比べると1回あたりのスパンが長めです。
比較的新しいモデルであるため、BMW 1シリーズ(F40型)のエンジンオイル漏れに関するトラブルの事例は少ないようです。しかし、走行距離や歴代オーナーの人数、使用環境などにより経年劣化が進んでいく可能性が高いです。
ターボチャージャーの故障
エンジンオイル漏れと同様に、ターボチャージャーの故障事例も少ないようです。
しかし、高温多湿な日本の路上で、短時間・短距離の運転を繰り返し、エンジンはもちろんのこと、ターボチャージャーにも適度な負荷がかからないケースが考えられます。
クルマのコンディションを保つためにも、定期的に高速道路などを一定の速度(80km/h〜100km/h)で巡航する機会を作ってください。
デュアルクラッチトランスミッション(DCT)の故障
BMW 1シリーズ(F40型)の直列3気筒DOHCエンジンを搭載する「116i」および「118i」には、電子油圧制御式7速DCTが採用されています。
フォルクスワーゲンやアウディ、ポルシェなど同様に、「クラッチペダルがない2ペダルMT」と解釈すべきトランスミッションです。
現時点では高年式のモデルが多いためトラブルの事例は少ないようですが、3回目(新車登録から7年)、4回目(新車登録から9年)の車検を迎えるあたりになると、シフトチェンジ時のショックの大きさなどが気になってくる可能性が考えられます。
ATの故障
直列4気筒DOHCエンジンを搭載するモデルである「118d」、そして直列4気筒DOHCエンジンを搭載する「M135i xDrive」には8速ATが採用されています。
この8速ATは乗りやすいと非常に評価が高く、また故障の事例もあまり聞かれないため、完成度の高いトランスミッションと言えます。
デュアルクラッチ(DCT)だと発進時やシフトチェンジ時のギクシャク感が気になることもあります。しかし通常のATであれば、ドライバーも扱いに慣れている場合が多く、クルマに合わせる必要がなくなります。
結果としてクセがつきにくく、故障の発生率が抑えられているのかもしれません。
1シリーズ(F40)に長く乗るために必要なメンテナンスとは?
エンジンオイル
先述したとおり、BMWのエンジンオイル交換は走行距離15,000kmごとまたは1年ごとが目安とされています。
交換時期を迎えると、エンジン始動時にBMW 1シリーズ(F40型)のメーターパネルにディーラーへの入庫を促すメッセージが表示されます。この案内にはできるだけ従うようにしてください。
また、メーカーが指定または推奨するエンジンオイルの交換を心掛けるだけでなく、オイルフィルターの同時交換、交換サイクルをしっかりと守ることで経年劣化のスピードを抑えることができるでしょう。
エンジンオイルの劣化につながりやすい短時間走行や短距離走行を避けることも非常に重要です。
オイルフィルター
メーカーが指定するエンジンオイル交換は走行距離15,000kmごと、または1年と同じタイミングでオイルフィルターを交換するようにしてください。
「フィルター」の名のとおり、エンジン内を循環するオイルをろ過する役割を持っているのがオイルフィルターです。
つまり、エンジンオイルだけを頻繁に交換して、オイルフィルターはそのままにしておくと、新品のオイルを入れる意味が半減してしまうのです。
ミッションオイル交換
エンジンと同様に、DCTおよびATのミッションオイルの定期的な交換も非常に重要です。トランスミッション内の各部の動きを滑らかにする、文字どおり「潤滑油」としての役割を担っています。
ひとつの目安としてDCTオイルおよびATFの交換サイクルは3万キロ前後と考えておけば安心でしょう。日本の法定点検とは異なり、BMWが推奨するメーカー指定点検が設けられています。
この交換サイクルを基準にしつつ、自身の乗り方やクルマの状態を確認しながら主治医であるディーラーや整備工場のアドバイスを受けるようにしてください。
エアフィルター
エンジンは、ガソリンがなければ動きません。同時に、フレッシュな空気も必要です。なぜなら空気と燃料の「混合比(空燃比とも)」によって構成されているからです。
空気と燃料(つまりガソリンまたは軽油など)、どちらかが欠けてしまえばエンジンは本来の性能どおりには動いてくれません。外気を吸い込み、エンジンへと送る際、不純物を遮断するのがエアフィルターです。
家庭用のエアコンのフィルターの定期清掃を怠るとエアコンの効きが悪くなるように、定期的にエアフィルターを交換しないと、エンジンの性能もきちんと発揮できなくなってしまうのです(エアフィルターは交換することが大前提です)。
エアコンフィルター
エアフィルターがクルマ(エンジン)にフレッシュな空気を送る役割なら、エアコンフィルターはクルマの車内に同様の効果をもたらします。
埃や花粉などをエアコンフィルターがキャッチして新鮮な空気を車内に送ります。長期間に渡って交換していなければ、フィルターは目詰まりを起こしてしまいます。
そうなると、エアコンの効きが弱くなったり、車内の臭いも気になってきます。クルマの性能に直接影響する部品ではありませんが、定期的に交換したい部品のひとつといえます。
長く乗るための中古車を見つけるポイント
整備状況の確認
病院に通うとカルテが作成され、患者の体調や診断結果などが記録されます。すべてのクルマに必ず備えられている「整備記録簿」です。
新車点検から1年点検、2年点検、車検の内容、入庫先、交換した部品や修理内容など、ありとあらゆる情報がここに収められています。オーナーによっては、所有していたクルマの明細をすべてファイリングし、次のオーナーへと引き継ぐケースもあります(レアですが)。
記録簿の内容や情報の多さ(濃さ)と、クルマのコンディションは比例している(イコールである)と考えていいでしょう。
コンディションの良いクルマは、それだけ整備記録簿の内容も充実していますし、過去の記録がしっかりと残されています。
反対に、整備記録簿が見当たらない場合、その理由はどうであれコンディションを疑わざるを得ません。
修復歴
修復歴の有無は一般ユーザーが見極めることはハードルが高いといえるでしょう。もちろん、判断するコツとポイントを把握してじっくりとチェックしていけば、修復歴があるクルマだということを発見できるかもしれません。
しかし、中古車販売店で現車確認をする際に「修復歴の有無」を重点的にチェックするのは現実的ではありません。そうなると、中古車として売り出されているクルマの修復歴の有無の情報を信頼する必要があります。
仮に「修復歴なし」の中古車を疑って現車をチェックするのは、販売店のスタッフに「信用されていない」と思われるかもしれません。
「修復歴あり」と見なされるのは、クルマのフレーム、つまり骨格にあたる部分に損傷を受け、修復した跡が確認できたときです。なお、ドアやバンパーに傷がついてから板金塗装して直した場合は「修復歴なし」となります。
年式と走行距離は関係あるのか?
日本では、一般的に年間の走行距離が1万キロが標準(プラスマイナスゼロ)と考えられています。
それ以上であれば「過走行車」と見なされてしまい、どれほどコンディションが良好な個体であっても売却時に評価が下がってしまう可能性があります。
例えば、毎日の通勤でクルマを使う場合、どうしても年間の走行距離が伸びてしまいがちです。
その理由として、店頭に並べたときに低走行車の方が総じて人気があり、早く売れていく傾向にあるからです。それほど、日本の中古車は低走行車が高く評価される傾向があります。
また、3万キロ、5万キロ、10万キロなど、一定の走行距離を越えるとリセールバリューがガクンと落ちてしまうボーダーラインがあります。そのタイミングを迎える前に乗り替えるか、とことん乗り潰すか、悩ましいところです。
BMW1シリーズでお悩みの方はトップランクまで
今回はBMW1シリーズのメンテナンス等について解説しました。
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