日本自動車販売協会連合会の発表によると、2024年(令和6年)3月末の乗用車(軽自動車を除く)の平均使用年数は13.32年とされています。前年に比べて0.10年短期化し、また3年連続で減少したものの、10年前の2014年(平成26年)に比べて0.68年延びているとのことです。
このデータは、国内で新規(新車)登録されてから抹消登録されるまでの平均年数を算出したものであり、外車も含まれています。このデータを踏まえつつ、外車の乗り換えのタイミングはいつなのか、考察していきましょう。
タイミング1:初年度登録から3年目(初回車検)

一部の富裕層や法人登録しているクルマで多いのが、初回車検を迎えるタイミングでの乗り換えです。確かにうらやましい話ですが、社用車として購入したクルマは経費として計上できるため(業種や車種によっては社用車として認められないケースもあります)、減価償却が済んだ時点で次のクルマに乗り換えた方が節税対策になる場合もあります。
また、高年式・低走行のうちに(つまり、リセールバリューが高いうちに)乗り換えようと考えるユーザーがいても不思議ではありません。車種によっては、走行距離が1万キロをオーバーした時点でリセールバリューが一気に下がるケースもあります。
「損をしないうちに乗り換えたい」と考えるユーザーがいるおかげで、良質な中古車が市場に出回るのも事実です。そのため、多くのユーザーにとっては歓迎すべき傾向といえるでしょう。
タイミング2:初年度登録から5年目(2回目)

初回車検を通して、次のタイミングは初年度登録から5年目。つまり2回目の車検時に乗り換えるというケースも少なくありません。60回ローンを組み、ちょうど完済するタイミングです。また、残価設定の60回ローンであれば、このタイミングでクルマを売却するか、ローンを延長して乗り続けるかを決断するタイミングです。
ここから2年、あるいはそれ以上乗り続ける場合、故障リスクやリセールバリューの低下とのせめぎあいになります。必然的に走行距離が伸びますし、各部の劣化も進んでいきます。
悩ましい選択ではありますが、初年度登録から5年目というのはひとつの乗り換えの時期ではないかと考えます。一方、乗り続ける場合は、ここで大掛かりな予防整備を行うことで、その後の維持が楽になります。
タイミング3:初年度登録から7年目(3回目)

初年度登録から5年目・2回目の車検を通し、初年度登録から7年目・3回目の車検の時期を迎えました。走行距離が5万キロを超えた個体も増えてくるでしょう。飛び石や生活傷など、ちょっとした各部のヤレや経年劣化が目立ちはじめる時期です。
2〜3年落ちに見える個体もあれば、年式相応に劣化している個体もあります。また、屋外保管か屋内保管かで、コンディションの差が目立ちはじめる時期でもあります。
前回の車検時に先送りにした重整備も、このタイミングで行わないと、後々苦労することになります。つまり「このまま乗り潰すか、ここで乗り換えるか」の判断が求められるのが、初年度登録から7年目(3回目)の時期ではないでしょうか。
ご自身の予算やパートナーの考え、あとは現在の愛車への愛着、リセールバリューなど、あらゆる要素を加味したうえでの「このまま乗り潰すか、ここで乗り換えるか」の最適な判断を見極めてみてください。
タイミング4:保証期間が満了を迎えたとき

国産車同様、外車にも保証制度があります。新車時に無償で付帯するもの(3年間がほとんど)に加えて、法定1年点検やエンジンオイルなどの消耗品交換を含めた、初回車検を迎える直前まで適用される「メンテナンスパッケージ」仕様の有償保証を別途用意しているメーカー(インポーター)がほとんどです。契約時に加入すると月々のローン払いに組み込むことができるため、加入する人が多い印象です。
そして初回車検入庫時に、ディーラーのスタッフから「有償の延長保証サービス」への加入を薦められます。1年追加または2年追加、保証内容の範囲、さらにはモデルによって価格はまちまちです。可能であれば個人的には加入することをお勧めします。
しかし、この延長保証もいつか満了を迎えます。ここで再びディーラーのスタッフから「保証が切れるので、このタイミングでお乗り換えを」といったセールストークを受けることになります。これが「悪くない条件」に思えてしまうことが多く、結果として乗り換えに至るケースが少なくありません。
タイミング5:サービス工場入庫時に大掛かりな修理が必要だと言われたとき

外車の乗り換えのタイミングとして一般的に多いケースが「サービス工場入庫時に大掛かりな修理が必要だと言われたとき」です。保証期間内であれば、無償で対応してもらえたとしても、延長保証が期間満了となった瞬間からすべての修理が有償対応となります。
エンジンのオイル漏れや電子制御サスペンションの不具合など、長期入庫やリフトアップ、各部の分解整備(交換)を伴う場合、修理費用が数十万円単位、場合によっては100万円を超えることもあります。
そこで「修理しますか?それとも乗り換えますか?」という最終判断を求められます。故障している(または故障寸前)であるため、下取り価格は極めて低くなります。それでも乗り換える方を選ぶことになるのが大半です。
タイミング6:故障が相次いだとき

一般的に多いもうひとつのケースが「故障が相次いだとき」です。数万点の部品で構成されている1台の自動車。1つの部品が故障すると、五月雨式にあちこちの部品が壊れてしまうのはよくある話です。
予防整備をしていればある程度は回避できる場合もありますが、外車の多くが定期交換部品を定められており、これを怠ると、国産車以上にクルマのコンディションに影響を及ぼすことがあります。しかし、交換しなくても車検をクリアできる部品もあるため、ついつい先延ばしにしがちです。
その先延ばしの結果(過去のオーナーの分も含めて)が現在のコンディションというわけです。その積み重ねてきた代償を現オーナーが支払うか、次のオーナーに負担を先送りするのかという選択になりますが、多くの場合、後者が選ばれます。
タイミング7:現在乗っているクルマが思いがけず高値で買い取ってもらえそうなとき

乗り換えにタイミングがあるように、売り時にもタイミングがあります。たまたま所有しているクルマが需要過多になっている場合、多少過走行でも、年式が古くなりつつあるクルマでも高値がつくことがあります。その代表的な例が、現在の旧車やネオクラシックカーです。
走行距離が10万キロオーバーであったとしても0円査定ではなく、希少価値という理由で高値をつけることがあります。その相場感がいつまで維持されるかは誰にも分かりません。翌月には相場が半減する可能性も否定できません。まさに相場次第であることを考えると、高値がついているうちに売却するという決断もときには必要です。
タイミング8:今のクルマに何となく飽きてしまったとき

恋愛でいうところの倦怠期みたいなものですが、現在の愛車がすっかり馴染んでしまい、新鮮味に欠けるときが必ずやってきます。そうなると、他のクルマが魅力的に見えてくるものです。
こうして、特に欲しいクルマがあるわけでもないのに、何となく中古車の検索をはじめてしまいます。そして、ふと、時間があいたときに立ち寄った自動車ディーラー、あるいは販売店で見掛けたクルマが気に入ってしまい、その場のノリで契約してしまうのです。
いわゆる「何となくの乗り換え」のケースです。気分転換かもしれませんし、衝動的な行動かもしれません。こうして、気づけば納車当日を迎えてしまいます。これまで乗ってきた愛車を販売店に置いて、新たに契約した次の愛車とともに家路につきます。
もともとそれほど愛着があったわけではないため、手に入れてからもあまり大切に乗らずではオーナーもクルマにとっても悲劇です。こういった結末を避けるためにも「何となくの乗り換え」はできれば避けた方がいいでしょう。
タイミング9:是が非でも欲しいクルマを見つけてしまったとき

最後になりますが、「どうしても欲しいクルマを見つけてしまったとき」は一目惚れのようなもので、いつ訪れるか分かりません。まさに恋愛と同じで、「欲しくなってしまったのだから仕方がない」。
そもそも、惚れるのに理由はいりません。ここで自制するか、本能の赴くままに動くかが、置かれている環境によっても大きく異なるはずです。
独身であれば自身の経済状況と相談すれば問題ありませんが、家族がいる場合はパートナーの理解と協力が得られなければ前に進めません。ひとつ言えることは、衝動買いの事後報告は厳禁です。
場合によっては家庭崩壊につながる可能性があるからです。かといって即断即決を求められる場合が多いと思われます。焦って同意を求めるとほぼ失敗するので、パートナーに相談する場合はタイミングの見極めが求められます。
まとめ

半年前には別のクルマに乗り換えているとは夢にも思わなかった、そんな話を耳にします。極論としては「欲しいと思ったときが乗り換えのタイミング」だといえます。そこで心とお金の準備ができているかどうかで、欲しいクルマが出てきたときの動きがまったく変わってきます。せっかくのタイミングを逃さないよう、日ごろから意識しておきたいところです。
くれぐれも「何となく」の理由で買い換えは避けることをおすすめします。後々になって「手放さなきゃよかった」と悔やむオーナーの方も少なくないのです。失ってから大切さに気づくといった事態は避けたいところです。
外車の乗り換えを検討している方は、ぜひトップランクにご相談ください。経験豊富なスタッフが、お客様のライフスタイルやご希望に合った最適な一台をご提案いたします。
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