ジャガーFタイプは壊れやすい?長く乗り続けるための対策も公開

ジャガーのスポーツカー75周年を記念してデビューした「ジャガーFタイプ」。2013年5月に日本での受注が開始され、2024年モデルをもって生産を終了することが決まっている。

現時点では、ジャガー最後の内燃エンジンを搭載するスポーツカーと位置付けられるジャガーFタイプ。故障やトラブルなどの頻度やウィークポイントなどを含めて検証してみました。

目次

中古車で300万円台から購入できるFタイプ、故障は多い?

イギリス車というと、ドイツ車などと比較して壊れやすいといったイメージがあるかもしれません。しかし、10年にわたる細かな仕様変更も功を奏した結果、ここ数年はジャガーFタイプの目立った故障は少ないようです。

とはいえ、高品質な工業製品に慣れ親しんできた日本人のニーズに応えるものではなく、高温多湿の環境で鍛えられた日本車と同じようにはいきません。少なくとも日本車のようにノントラブル&メンテナンスフリーとはいかないことは認識しておいたほうがよさそうです。

ナビなどの電子機器系

ジャガーFタイプをはじめとするイギリス車および輸入車が直面する問題としてナビゲーションシステムの不具合がよく挙げられます。主に、モニターが急に表示されなくなり、画面が真っ暗になってしまった。いちど電源をオフにして、再度オンにしたら表示された。あるいはエンジンを切り、再始動したら表示されるなど。

突然不具合が生じたかと思えばいつの間にか直っていたり、を繰り返す可能性があります。しかし、ゆくゆくはユニット交換になる確率が高いため、可能であればメーカーの保証が得られるうちに交換しておきたいところです。

エアコン

ガス抜け、ガスや冷却水の漏れ、コンプレッサーやブロワモーター、エバポレーターの故障など。ジャガーFタイプに限らず、ある程度の年数を重ねたクルマであれば、どの個体にも起こりうるトラブルです。ジャガーFタイプは高年式の個体が多いだけに、当面の心配はなさそうですが、3回目、4回目の車検を迎えるあたりから、主治医とコンディションチェックの相談をした方がいいかもしれません。

オルタネーター

クルマに必要な電気を生み出す「発電機」でもあるオルタネーター。この部品が故障する前兆として、エンジンの吹き上がりやアイドリング域の回転も不調になるため、クルマに詳しくない人でも分かるレベルです。一般的にオルタネーターの交換時期は10〜15万キロが目安とされていますが、ジャガーFタイプの場合、もう少し早め(6〜8万キロくらいまで)と認識しておいたほうがよさそうです。

ラジエーター

エンジンを冷却するための装置であるラジエーターも、長く使い続けることでホースやラジエーター本体が劣化して液漏れ(クーラント漏れ)を起こします。使用頻度や乗り方にもよりますが、10年前後は使えるとされています。

しかし、大排気量エンジンを搭載するジャガーFタイプなので、ラジエーターの負荷を考えると、初年度登録から7〜8年あたりの個体はホースの劣化などをしっかりと調べた方が良さそうです。

実はコストパフォーマンスの高い魅力的な選択肢

ジャガーの魅力について

ジャガーFタイプは、日本では2013年5月24日(金)より注文の受付を開始しました。

ジャガーFタイプのオールアルミニウム製ボディは、ジャガーとして第4世代にあたります。第4世代のプラットフォーム開発については、AC300アルミニウムの衝撃吸収性に優れた6000系アルミ合金がジャガーFタイプ向けに特別に製錬されています。

先代モデルにあたるXKプラットフォームと同レベルの強度を維持する一方で、大幅な軽量化を実現し、ジャガーFタイプのホワイトボディ重量を261kgに抑えることに成功しています。これは、ジャガーFタイプのハンドリングや加速、ブレーキング、燃費、排出ガスといった各性能を飛躍的に向上させています。

ジャガーFタイプのボディサイズは、全長×全幅×全高が4470×1925×1310mmです。ホイールベースは2620mm。3リッターV6 DOHC 24バルブ(スーパーチャージャー付き)エンジンの最高出力は340ps/6500rpm、最大トルクは45.9kgm/2500rpmを発生。上級モデルに搭載される5リッターV8 DOHC 32バルブ(スーパーチャージャー付き)エンジンの最高出力は495ps/6500rpm、最大トルクは63.7kgm/2500rpmを発生します。

クーペボディの他に、コンバーチブルモデルも用意され、古典的なスポーツカーらしい、FRの駆動方式を採用し、理想的な前後重量配分を実現しています。また、クルマが静止している状態でも、ジャガーFタイプのデザインは一目でジャガーであると認識できるだけでなく、スポーツカーらしさに満ちあふれるものとなっています。

中古車も300万円台から入手可能でコスパの高い選択肢

ジャガーFタイプは「世界でもっとも美しいクルマ」と評されるジャガーEタイプ以来、50年の時を経てデビューした2シータークーペおよびコンバーチブルのスポーツカーです。

オールアルミボディを纏ったジャガーFタイプの中古車は、クーペが300万円台から、コンバーチブルはおよそ500万円台から狙うことができます。クーペおよびコンバーチブルともに新車価格は1000万円オーバーであり、中古車の相場としてはかなりリーズナブルだといえます。

ジャガーで最後となる可能性が高い、純内燃機関を持つFタイプ。高年式かつ低走行の個体が多いうちに、愛車遍歴に加える価値は十分にあるといえるでしょう。

ジャガーFタイプを購入する際の故障以外の注意点は?

どこが壊れるかわからないが、以下の点には注意が必要です。

リコール(2014年と15年式のFタイプ)

2014年および2015年式のジャガーFタイプには、助手席シートベルトのハーネスコネクターの不具合が原因で、アメリカでリコールが発表されています。具体的には、助手席シートベルトのハーネスコネクターから、シートベルトテンションセンサーおよび着座センサーにつながる配線に不具合があり、事故の際にエアバッグが正しく作動しない恐れがあるという内容です。

また、日本においても、ジャガーFタイプに関する以下のリコールが発表されています。消費者庁のホームページに公表されている情報を整理し、下記にまとめてみました。

2016年8月6日~2019年8月29日に輸入されたジャガーFタイプにおいて、パワートレーンコントロールユニットのプログラムが不適切なため、近接排気騒音が基準値を超えるおそれがあります。

2015年3月28日~2019年12月24日に輸入されたジャガーFタイプにおいて、トランスミッションコントロールモジュールおよびシャシコントロールモジュール、あるいはトランスミッションコントロールモジュールおよびゲートウエイコントロールモジュールのプログラムが不適切なため、加速騒音の数値が保安基準第30条(騒音防止装置)の基準に適合しなくなるおそれがあります。

2019年6月1日~2020年3月9日に輸入されたジャガーFタイプにおいて、ABSコントロールユニットのプログラムが不適切なため、警告灯の点灯とともにABSの機能が作動しなくなり、車両の制動距離が長くなるおそれがあります。

2022年3月14日~2022年8月5日に輸入されたジャガーFタイプにおいて、運転席および助手席シートベルトプリテンショナーにおいて、製造管理が不適切なため、点火剤が内蔵されているチューブが損傷していることがあり、事故時にシートベルトの弛みを巻き取れず、乗員が過度の傷害を負うおそれがあります。

エンジン

V6エンジンは比較的ノントラブルの傾向にありますが、排気量および発熱が多いV8エンジンは注意が必要です。具体的には、エンジンの下にあるチェーンテンショナーの異音と燃料ポンプの不良です。高い圧力が掛かるため、その分の負荷が蓄積されやすいポイントです。このトラブルが発生すると、エンジン出力制限の警告がモニターに表示されます。その場合、速やかに工場で点検を受けるようにしてください。

トランスミッション

ZF製のATは丈夫な作りとなっており、ATFの交換も不要とされています。しかし、10万キロを超える前の段階で交換した方がいいでしょう。また、リアデフは前側のメインシールからオイル漏れを起こすことがあるため、注意が必要です。

シャシー・サスペンション

初期の個体ではリアサスペンションブッシュやタイロッドのブーツに破れが起こりがちです。異音だけでなく、車検時に引っかかる可能性があるので1年おきの法定点検時にチェックするようにしてください。また、リアのサブフレームが腐食しがちなので、こちらの箇所も注意が必要です。

電装系

最近のジャガーでは電装系のトラブルは減っているとはいえ、古いモデルでは電装系の不具合はアキレス腱ともいえるものでした。バッテリーの状態、特に中古車で購入した場合は早めの交換を強くおすすめします。

ナビゲーションシステムの不具合

ジャガーに限らず、多くの輸入車に起こりがちなトラブルとして「ナビゲーションシステムの不具合」が挙げられます。モニターが突然ブラックアウト(真っ暗)になってしまうのです。たいていは電源を一度オフにして再度オンにしたり、エンジンを切ってから再始動すれば直ります。しかし、これが頻発するようであれば、早めに交換することも検討した方がいいかもしれません。

ジャガーFタイプの購入を検討されている方は、ぜひトップランクまでお問い合わせください。プロのスタッフが、ジャガーFタイプの魅力や維持に関する疑問点を丁寧に解説し、最適な一台をご提案いたします。オンライン商談も受け付けておりますので、遠方の方でも安心してご相談いただけます。高性能なスポーツカーを長く楽しむためのアフターサポートも充実しておりますので、ぜひお気軽にご連絡ください。

 

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