マセラティ ギブリは壊れやすい?壊れやすいと言われる理由は?

マセラティ ギブリの圧倒的な走行性能とデザイン性で多くのドライバーを魅了する一方で、「故障が多い」という声も聞かれます。しかし、近年のモデルは信頼性が大幅に向上。本記事では、ギブリの魅力と気になる故障率、そして長く付き合うためのメンテナンス情報まで、購入を検討している方に向けて徹底解説します。

目次

マセラティ ギブリは壊れやすいと言われる理由

マセラティ ギブリは、その魅力的なデザインや優れた性能から多くのファンを持つ一方で、壊れやすいという声も一部あります。

ここでは、ギブリの故障に関する具体的な要因と、それに対する適切なメンテナンスについて詳しく見ていきましょう。

エンジン部品の不具合が多く報告されていた過去も

ガソリンエンジンは2013年から、ディーゼルエンジンは2016年から日本市場に導入されたマセラティ ギブリ。マセラティ製のエンジンでありながら、フェラーリ社が組み立てを行うという、クルマ好きにとってはたまらないエンジンではありますが、同時に懸念点もあります。

ガソリンエンジンは、アイドリングが安定せずミスファイヤーなどのトラブルが報告されました。スパークプラグやイグニッションコイルを交換することで改善されることもありますが、直噴式のインジェクターを採用しているギブリのガソリンエンジンはエンジン内部にカーボンが蓄積しやすく、これが不調に結びつくことがあります。

エンジンに不具合が生じた場合、エンジンのチェックランプの警告灯が点灯します。その場合は速やかに最寄りの正規ディーラーか、マセラティに精通しているプロショップに入庫し、診断を受けるようにしてください。

また、ディーゼルエンジンにもクリーンディーゼルエンジン特有の部品のトラブルがあります。高級車メーカーであるマセラティには、これまでディーゼルエンジンを搭載した例がありませんでした。

しかし、ギブリがデビューした当時はまだフォルクスワーゲンディーゼルゲート事件が起こる前の2013年。モデルの拡充のためにディーゼルエンジンの仕様は不可欠だったのです。

そこでディーゼルエンジンの開発を得意とするVM社を、当時のフィアットグループが完全子会社化。マセラティとしては初となるディーゼルエンジンが同社で開発され、ギブリに搭載されたのです。

都心部などで低回転でゆっくりと走る機会が多いディーゼルエンジンは、排気ガス浄化システムがトラブルを起こしやすく、結果としてエンジンのチェックランプ警告灯が点灯してしまう可能性があります。

ときにはマセラティらしく、高速道路の合流前など、可能な限りアクセルを踏み込む場面を作り、ギブリ本来のポテンシャルを存分に発揮してあげてください。

年月を重ね、故障率も大幅に改善され、比較的壊れにくくなった

クルマのことをそれほど知らない方でも「外車は壊れる」という認識が根強く残っているかもしれません。そしてクルマに詳しい方であれば、「イタリア車はとにかく壊れる」あるいは、「1年のうち、半年以上は修理のために工場に入庫している」などといった先入観をお持ちでも不思議ではありません。

確かに、日本車と比較したら外車、輸入車は故障頻度が高いといえます。世界各地で新車の開発テストを繰り返し、ようやく市販されても、日本車の完成度にはかなわないのです。

加えて、高温多湿という、クルマにとってあまりにも過酷な環境が日本車を鍛え上げた側面もあります。猛暑日の渋滞のなかでエアコンを全開にしてもオーバーヒートの兆候すら見せず、何ごともなく目的地に到着し、そのまま帰宅することができます。

日本車の信頼性にはまだ及ばないものの、イタリア車を含む多くの輸入車の信頼性は、近年劇的に改善されています。機械そのものの精度が向上していることはもちろんですが、世界中の正規ディーラーから、デリバリーされたクルマの情報がメーカーに集められます。

そのなかには故障要因となる情報も含まれており、仕様変更の際に対策部品に置き換えられ、クルマとしての完成度、つまり「熟成度」が増していくのです。発売前にテストを繰り返したとしても、ユーザーにデリバリーされ、日々、酷使されて初めて明るみになるトラブルやそのクルマのウィークポイントが浮き彫りになるのです。これはマセラティに限らず、日本車を含むすべてのクルマにいえることです。

いくら工業製品として精度が向上したとしても、「機械としての当たり外れ」があることもまた事実です。クルマは数万点ともいわれる部品の集合体です。

たとえば、スペシャリストの社員が組むエンジンと経験が浅い社員が組むエンジンでは、どうしてもわずかながら精度に差が出ます。また、部品同士のバランス(重さの違い)などでも違いがでます。

それらは、「公差」とよばれる工業製品としての許容範囲内に収められているため、決して不良品ではありません。ただ「機械としての当たり外れ」という、ある種の巡り合わせなのです。

ドライバーを虜にするマセラティ ギブリの魅力

先述したような注意点があるものの、マセラティ ギブリは多くのドライバーを魅了しています。

ここでは、ギブリが持つ魅力を見ていきましょう。

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イタリアンデザインの美しさ

ギブリのエクステリアデザインは、4ドアセダンでありながら魅力的なクーペスタイルの印象を与え、スポーティーかつ優美なデザインを見事に融合させています。

グリルデザインは先代のグラントゥーリズモや、1950年代に生産された「A6 GCS」を彷彿とさせる凹状のグリルを装備。また、1963年にデビューした「クアトロポルテ」以来、“サエッタ”と呼ばれるクラシックなトライデントのオーバル型ロゴを配したマセラティ独自のCピラーを受け継いでいます。さらにサイドビューは、1本のラインがテールライトで収束するデザインとなっています。

インテリアは、ダブルコックピットレイアウトにより、運転席と助手席を独立させた専用デザインのダッシュボードを採用し、スポーツ性を強調しています。ユーザーが求めるスポーティーさや若々しさを融合しつつ、マセラティにとって不可欠な要素であるラグジュアリー感やクラフトマンマンシップを備えています。

また、インストルメントパネルを覆うレザーにはステッチが施され、コラムに装備されたパドルシフトは金属鋳造製となっています。ダッシュボード中央には、伝統のマセラティクロックが配置されており、マセラティのセダンに共通する広々とした室内空間とスポーティーな性質を絶妙なバランスで両立させたモデルといえます。

V6ツインターボエンジンの圧倒的な走行性能

新設計のV6エンジンは、社内部署である「マセラティパワートレイン」が開発し、提携関係にあるフェラーリのマラネロ工場で生産されます。「クアトロポルテGT S」の3.8リッターV8エンジンと、テクノロジーの多くを共有するV6エンジンはガソリン直噴技術を採用しています。

また、シリンダーアーキテクチャや燃焼技術、タービンの慣性質量が小さい2基のパラレルターボチャージャー、4本連続位相可変カムシャフトなどを備え、圧力が200bar前後の高圧で燃料を供給します。

さらに、カムシャフトやインジェクター、ターボマッピング、電子制御システムなどが専用に開発されており、最高出力は330ps/最大トルク500Nmを発揮します。これに加えて9.6l/100km/lという優れた燃費性能を実現しています。環境にも配慮しつつ、0-100km/h加速を5.6秒で加速し、最高速度は263km/hに達します。

所有するだけで感じる高揚感

マセラティは、並外れた個性で即座に「マセラティ」と認識できる唯一無二のクルマです。それはギブリにおいても例外ではありません。スタイル、テクノロジー、高級感を兼ね備えたマセラティは、目の肥えたユーザーの洗練された趣向を満たす存在です。

マセラティは、デザイン・パフォーマンス・快適さ・優雅さ・安全性といったそれぞれの観点からイタリアのスポーツカーを再定義し、現在70を超える世界各国で販売されています。

マセラティ ギブリの壊れやすい箇所は?長く乗るためのメンテナンスも紹介

ここでは、ギブリの主な壊れやすい箇所やその対策について詳しく紹介し、愛車を長持ちさせるためのポイントを解説します。

オイル漏れ

ガソリンエンジンはマセラティが開発したものでありながら、組み立てはフェラーリ社で行うという工程を経ており、大衆向けではないことが容易に想像できます。つまり、ギブリはスポーツエンジンを搭載したモデルです。

トヨタ プリウスのような感覚でラフに乗っていると、知らず知らずのうちにエンジンに負荷が掛かり、オイル漏れを起こす可能性があります。デリケートなエンジン、そしてクルマであることを理解しつつ、目安として3000km〜5000kmごと(あるいは1年ごと)にエンジンオイル交換、1回に1度のオイルフィルター交換を心掛けたいところです。

なお、エンジンオイル交換のサイクルはディーゼルエンジンでも同様です。

電気系統の不具合

これはマセラティに限らず、多くの輸入車に当てはまる事象ではありますが、電気系統の不具合は発生しやすいです。特にエアコン関連の不具合や、センサー類の(誤作動を含めた)不具合、オルタネーターの不具合などが挙げられます。電装部品はASSY交換になる場合が多く、交換費用や工賃を含めると高額になります(10万円以上)。

これに加えて「マセラティ純正品」というだけでも高額になりがちです。予防整備を行い、高額な修理費用にならないよう、正規ディーラーやマセラティに長けたプロショップなどで定期的な点検メンテナンスをおすすめします。

サスペンション周り

ギブリのサスペンション周りにはリコールが発表されています。これはアメリカのNHTSA(運輸省道路交通安全局)が発表したもので、ギブリのフロントタイヤのホイールベアリングの強度が不足している可能性があり、事故につながるおそれがあるというものです。リコールの対象となるのは2015年モデルで、日本で同様のトラブルの報告はなかったようです。

また、2016年モデルでも「リアのトーインを調整するトーインロッドの取付けボルトの製造指示が不適切なため、必要なボルトの軸力が発生していないものがあり、そのまま使用を続けると、走行振動等により緩みが生じ、トーインの値が基準を外れて走行安定性が損なわれ、最悪の場合、取付けボルトが外れて走行不能になるおそれがある」と発表されています。

こちらも日本国内では同様のトラブルの報告はなかった模様ですが注意が必要です。

マセラティ ギブリはどんな人におすすめか

人と同じクルマには乗りたくない、かといって地味なクルマは選びたくない。センスの良さを感じさせ、乗り手を引き立たせる。世間の注目度がむしろ快感にすらつながるという、伊達男・伊達女なあなたにこそ選んでいただきたいモデルです。

マセラティは高貴なクルマです。乗り手にも品性が求められます。また、乗り手を選ぶクルマでもあります。自分自身に自信があり、人前に出ても恥ずかしくないような雰囲気、そしてたたずまいを持つような方でなければ乗りこなせないクルマです。

つまり、単純に潤沢にお金があるから乗れる(実際には乗れますが)クルマではないのです。年を重ねて熟成の域に達したときに初めてマセラティ ギブリを選んでもいいかもしれません。また、若い方が背伸びをして、あえて自分自身を鼓舞するためのパートナーとしてこのクルマを愛車に選ぶことも大いにありだと考えます。

つまり、マセラティ ギブリは近年では珍しいともいえる「乗り手を選ぶクルマ」なのです!

マセラティ ギブリの購入を検討している方は、ぜひトップランクまでお気軽にお問い合わせください。トップランクでは、オンライン商談も受け付けておりますので、遠方の方でも安心してご相談いただけます。皆様のご連絡をお待ちしております。

 

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