新型ポルシェ911徹底研究! 992は991からどう変わったのか?

ポルシェと聞いて多くの方が真っ先に思い浮かべるモデルといえば「911」です。今回はその新型である992が991からどのように変化したのか、それぞれの魅力の違いについて徹底解説します。

またトップランクでは全国のお客様に、最上の1台のクルマを届けるためにオンライン商談も実施しております。気になる車種の購入のご相談について、お気軽にご連絡ください。

目次

ポルシェ911の系譜

1963年のデビューから60年以上、常にその時代のスポーツモデルのベンチマークとして進化を続けていたポルシェ911。

そしていつしか「最新のポルシェは最良のポルシェ」という格言まで生まれるほど、各世代の911は熱狂的なファンを獲得しています。「水平対向6気筒リアエンジン + 2ドアクーペ + 2プラス2シート + 丸目のヘッドライト」。911がデビューしてからこのパッケージは変わりません。

裏を返せば60年以上、そしておそらくはこれから先もこのパッケージが変わることはないと思われます。そんな911にも大きな転換点がいくつかありました。

1963年から1996年まで(一部モデルは1998年頃まで生産されていましたが)、空冷式のエンジンが搭載され、いまもなお高い人気を誇っています。

そして1997年から現在にいたるまで水冷式のエンジンへと置き換えられ、進化を続けています。そして2024年後半に発表されるであろう、ハイブリッドモデルの911のデビューが控えています。まさに911の歴史上、極めて大きな転換点にあるのです。

992モデルが登場するまでの経緯

ポルシェ911はあくまでもモデル名であり、コードネームは別に存在します。

901型(1963年)

1963年のドイツ・フランクフルトモーターショーでデビューしたのが「901」型。日本では「ナローポルシェ」などと呼ばれ、いまもなお世界中で愛されています。

930型(1974年)

1974年にデビューしたのが「930」型。このモデルは1989年まで生産され、911の歴史上、もっとも生産期間が長いモデルでもあります。

また、ポルシェ911の頂点として君臨する「ターボ」がデビューしたのもこのモデルからです。

964型(1989年)

1989年にデビューしたのが「964」型です。80%近い部分が新設計され、4輪駆動モデルの「カレラ4」がカタログモデルとなりました。

2輪駆動モデルの「カレラ2」にはティプトロニックという名のオートマチック仕様が追加され、一般ユーザーにも手が届くようになった初めての911といえます。

993型(1993年)

そのわずか4年後にデビューしたのが「993」型。ヘッドライトの形状が大きく変更され、リアサスペンションがマルチリンク式へと進化。それまでは定期的に調整が必要であったエンジンのタペット調整が自動で行えるようになるなどの変更点が挙げられます。

996型(1997年)

1997年にデビューしたのが「996」型です。エンジンが水冷化され、シャーシも全面的に刷新、実質的にはこのモデルが初のフルモデルチェンジ版ともいえます。ポルシェ社がもっとも苦しい時期に開発され、ボクスターとの共有部品が多く、また涙目といわれるヘッドライトのデザインも賛否が分かれるモデルでもあります。

997型(2004年)

市場の反響を受けて2004年にデビューしたのが「997」型です。実は996のマイナーチェンジ版ではあるものの、911らしいヘッドライトのデザインが復活するなど好意的に受け止められました。後期モデルからは2ペダルMT「PDK」が採用されました。

991型(2011年)

その後、2011年にデビューしたのが「991」型です。ボディは大型化されたものの軽量化が行われた他、後期モデルからはカレラ系モデルにもターボチャージャーを備えたダウンサイジングエンジンが搭載されました。

992型(2018年)

2018年にデビューし、現行モデルとして販売されるのが「992」型となります。

992と先代911モデルのデザイン・ボディサイズなどの比較

現行モデルである992型は先代モデルである991型と比較してよりワイドなホイールアーチ、そしてフロントが20インチ、リアが21インチサイズのホイールにサイズアップされました。

フロントボディは45mmワイドになり、ドアと面一化された電動ポップアウトハンドルは、滑らかなサイドラインを際立たせるほどに洗練されています。

また、新しいLEDヘッドライトを繋ぐフロントリッドのラインは、初代911をモチーフにしたとされています。さらに、リアにおいては可変式リアスポイラーとシームレスのライトバーが992型の特徴であり、フロントセクションとリアセクションを除くボディはアルミ製の素材が採用されています。 

カレラSを基準にして992型と991型のボディサイズを比較してみましょう。

992型911カレラS
  • 全長×全幅×全高=4519×1852×1300mm
  • ホイールベース=2450mm
991型911カレラS
  • 全長×全幅×全高=4499×1808×1296mm
  • ホイールベース=2450mm

991型(後期モデル)と比較して全長+20mm、全幅+44mm、全高+4mmと、長く、幅広く、高くなっていることが分かります(ホイールベースは同じ)。

ちなみに全幅は997型の911ターボと同じ1852mm。いまやベーシックモデルのカレラが一昔前のターボ並みのボディサイズとなっていることが分かります。

内装の比較

内装は991型と比較してもかなりモダンになったと同時に、ついに5連メーターすべてが液晶ディスプレイとなりました。埋め込まれたメーターを備えたダッシュボードは1970年代の911モデルをモチーフにしているとされています。

5連メーター中央にタコメーターがレイアウトされる仕様は911の、そしてポルシェの伝統でもあります。タコメーターの横に位置する2つの薄型自由形状ディスプレイがオンボードコンピューターとしてドライバーに必要な情報を表示します。

このPCMの10.9インチセンタースクリーンは、スクリーンの下の5個のスイッチを備えたコンパクトなユニットによって、視線をそらすことなく迅速な操作が可能です。

992モデルのエンジンスペックとパフォーマンスの比較

992型に搭載される排気量3.0リッター、水平対向6気筒エンジンは、タービンを大型化して過給圧を高めており、給気冷却システムの採用、ターボチャージャーのレイアウトの変更、インジェクションプロセスの改善などによって450ps/6500rpmの最高出力と530Nm/2300-5000rpmの最大トルクを発揮します。

これは991型を30psと30Nm上回るスペックです。これに加えて、クルマの性能および効率を引き出すために、新しいエンジンの出力特性にあわせてセッティングされた8速デュアルクラッチトランスミッション(PDK)を初採用しています。

燃費効率と排出ガス規制への対応

メーカーが公表している燃費のデータは以下となっています。

  • 911カレラ S:複合燃費 9.6リッター/100km、CO2排出量は220g/km
  • 911カレラ 4S(PDK): 複合燃費 9.7リッター/100km、CO2排出量は222g/km

日本国内で使用した場合の燃費の目安は9km/L前後だと考えていいでしょう。これほどのハイパフォーマンスも持ちながら、使用方法によっては10km/Lをマークできることは驚きだといえます。

また、992型は自動車による大気汚染物質の排出規制値を定めたヨーロッパ連合の規定で定められた「EURO6」の規制値をクリアしています。

運転モードとカスタマイズオプション

992型では世界で初めて新開発のウェットモードを標準装備しています。この機能は路面の水を検知し、それに基づいてコントロールシステムを調整してドライバーに知らせてくれるものです。

またオプションで衝突被害軽減ブレーキや自動再発進機能付きのアダプティブクルーズコントロールなどの先進安全運転支援システムなども設定されています。

さらに、レーンキープアシストも設定することで長距離ドライブに伴う疲労を大幅に軽減し、安全性の向上に寄与しています。

先代モデルとのフィーリングの違い

カレラ系モデルでも、先代の991後期モデルからターボチャージャー仕様のエンジンとなりましたが、911には最上級グレードとして「ターボ」が君臨しています。

そのため、カレラ系ではターボの存在は控えめ。そしてフィーリングもNAエンジンのような味付けとなっています。992型に搭載されるエンジンは991型後期モデルのリファイン版であり、よりターボを感じさせないスムーズな加速フィーリングとなっています。

992型911カレラ
  • 水平対向6気筒DOHCツインターボ
  • エンジン最高出力/最大トルク:385ps/450N・m
  • サスペンション形式:マクファーソンストラット(フロント)/マルチリンク(リア)
991型911カレラ
  • 水平対向6気筒DOHCツインターボ
  • エンジン最高出力/最大トルク:370ps/450N・m
  • サスペンション形式:マクファーソンストラット(フロント)/マルチリンク(リア)

水平対向6気筒ツインターボエンジンは991(後期型)をアップデートしたものです。991カレラと比較して15psアップしています(トルクは同じ)。サスペンション形式も991型を踏襲したものとなっています。

992モデルの価格(2024年3月現在)

以下では、992の価格をまとめているので、気になる方は参考にして見てください。

992モデルの価格
  • 911カレラ:¥16,200,000
  • 911カレラT:¥17,570,000
  • 911カレラカブリオレ:¥18,450,000
  • 911カレラ4:¥17,260,000
  • 911カレラ4カブリオレ:¥19,510,000
  • 911カレラS:¥19,510,000
  • 911カレラSカブリオレ:¥21,760,000
  • 911カレラ4S:¥20,570,000
  • 911カレラ4Sカブリオレ:¥22,820,000
  • 911タルガ4:¥19,510,000
  • 911タルガ4S:¥22,820,000
  • 911カレラGTS:¥20,590,000
  • 911カレラGTSカブリオレ:¥22,840,000
  • 911カレラ4 GTS:¥21,650,000
  • 911カレラ4 GTSカブリオレ:¥23,900,000
  • 911タルガ4 GTS:¥23,900,000
  • 911エディション50Years ポルシェデザイン:¥27,000,000
  • 911ダカール:¥30,990,000
  • 911S/T:¥41,180,000
  • 911GT3:¥26,280,000
  • 911GT3ツーリングパッケージ:¥26,280,000
  • 911GT3 RS:¥33,780,000
  • 911ターボ:¥28,320,000
  • 911ターボカブリオレ:¥31,200,000
  • 911ターボS:¥32,790,000
  • 911ターボS カブリオレ:¥35,670,000
    ※価格はいずれも消費税込み
    ※一部のモデルは受注を停止しているものもあります。

競合他車との比較

992型、なかでもベーシックモデルのカレラ/カレラSにおける直接のライバルはBMW M4(G82型)といえるでしょう。911カレラS(992型)よりも30psほどパワフルですが、200kg近く重いこともあり、より992型の方が軽快な動きとなります。

しかし、大人も乗車可能なリアシートを有し、さらには車両本体価格が360万円ほど安価であること(オプションを追加しても価格差はそれほど変わらないでしょう)を考えると悩ましいところです。

BMW M4(G82型)
  • 全長×全幅×全高:4805×1885×1395mm
  • ホイールベース:2855mm
  • 車両重量:1710kg
  • 駆動方式:FR
  • トランスミッション:6速MT
  • エンジン:直列6気筒DOHCツインターボ
  • 排気量:2992cc
  • エンジン最高出力/最大トルク:480ps/550N・m
  • ステアリング:右/左(6速MT)
  • 車両本体価格:¥12,980,000
ポルシェ911カレラS(992型)
  • 全長×全幅×全高:4519×1852×1300mm
  • ホイールベース:2450mm
  • 車両重量:1515kg(PDK)
  • 駆動方式:RR
  • トランスミッション:8速PDK
  • エンジン:水平対向6気筒DOHCツインターボ
  • 排気量:2981cc
  • エンジン最高出力/最大トルク:450ps/530N・m
  • ステアリング:右/左
  • 車両本体価格:¥16,660,000
    ※いずれもデビュー時のデータです。

911についてもっと知りたい方は、ぜひ弊社へお問い合わせください。

トップランクではオンライン商談を承っております。ご自宅にいながら、専門スタッフが丁寧にご説明いたします。お客様に合った最適な1台を見つけるお手伝いをさせていただきますので、お気軽にお問い合わせください。ポルシェ911で、新たなるドライビングプレジャーを体験しましょう。

 

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次