ポルシェの年間の販売台数の6割以上を占めるほど最強の2トップといえるのが「マカン」と「カイエン」。そのうちの一つ「マカン」の中古車購入を検討している方の中には「マカンGTSと他のモデルはどのように違うのか」と気になっている方も多くいらっしゃいます。
今回の記事では、マカンGTSと他のモデルとの違いについて詳細に解説しています。マカンの購入を検討される方はぜひ参考にしてみてください。
またトップランクでは全国のお客様に、最上の1台のクルマを届けるためにオンライン商談も実施しております。気になる車種の購入のご相談について、お気軽にご連絡ください。
マカンGTSの概要
ポルシェの2023年の年間販売台数は、全モデル合計で320,221台。そのなかでマカンの販売台数は87,355台。ポルシェ全体の年間販売台数の3割以上をマカンが占めているのです。
往年のポルシェファンは驚きを隠せないかもしれませんが、いまやポルシェの屋台骨を支えているのはマカン、そして兄貴分のカイエンの2モデルです。ちなみに、カイエンの2023年の年間販売台数は87,553台。マカンとカイエン、2モデルの合計の販売台数は174,908台。
全体の半分以上、6割ものシェアをSUVモデルが占めていることになります。往年のポルシェファンにとっては受け入れ難い事実かもしれませんが、21世紀のポルシェにとって、マカンはなくてはならない存在なのです。
中古車市場でも人気の高いマカンGTS。発売された背景や市場での位置付け、主な特徴と魅力についてまとめました。
マカンGTSの発売背景、市場での位置付け
もともと、マカンがデビューした当時、トップグレードとしてして位置づけられていたのは「マカンターボ」でした。「マカンターボ」といえば、ポルシェ911ターボと同様に圧倒的なパワーと豪華な内装という、まさに頂点に君臨するモデルに相応しいパッケージでした。
トップグレードのマカンターボ、そして売れ筋のモデルとして人気の高いマカンS、エントリーモデルのマカン。これに加えて、マカンターボとマカンSに位置づけられ、なおかつシリーズのなかでスポーツグレードの位置づけにあたるのがマカンGTSです。
マカンにGTSが設定されたのは、2018年のマイナーチェンジタイミング。最新モデルは、さらにリファインが加えられ一段と魅力的になった。
他のモデルと比較して車高が低められるなど、シリーズ随一のスポーツグレードということで、あえてマカンターボを選ばずにマカンGTSを指名買いするケースも少なくありません。
GTSモデルの主な特徴と魅力について
ポルシェのミドルサイズSUVに加わった新たなメンバーは、グランツーリスモスポーツの略語である“GTS”のバッジが示す通り、圧倒的なドライビングパフォーマンスが特徴です。マカンGTSはよりパワフルなエンジンとパフォーマンスを重視したシャシー、特徴的なデザインと充実した装備を誇ります。
パフォーマンスとエンジニアリングの違いについて
ポルシェが放つSUVのスポーツグレードであるマカンGTS。そのパフォーマンスを紐解いてみましょう。
マカンGTSのエンジンスペック、パフォーマンスデータ
排気量2.9リッター、V6 DOHC 24バルブ ツインターボエンジンを搭載するマカンGTSは、先代モデルより15kW(20ps)増加となる280kW(380ps)の最高出力を発揮。新開発のPDKとオプション装備のスポーツクロノパッケージの組み合わせにより、0-100km/hに到達するまでに要する時間は4.7秒です。これは先代モデルより0.3秒速いタイムであり、最高速は261km/hに到達します。また、最大トルクは520Nm(先代比プラス20Nm)は1750-5000rpmという幅広い回転数で発生します。
他のマカンモデル(例:マカン S、マカン ターボ)とのパフォーマンス比較
では、マカンの各モデルのパフォーマンスを比較してみましょう。
- 最高出力:245ps
- 0-100km/h加速:6.7秒
- 最高速度:225km/h
- 最高出力:354ps
- 0-100km/h加速:5.3秒
- 最高速度:254km/h
- 最高出力:380ps
- 0-100km/h加速:4.9秒
- 最高速度:261km/h
- 最高出力:440ps
- 0-100km/h加速:4.5秒
- 最高速度:270km/h
いずれも、スポーツカーをも圧倒するパフォーマンスであることが分かります。そして、各グレードごとのヒエラルキーをパフォーマンス上でも明確に差別化しています。スポーティさの演出はマカンGTSに軍配が上がっていても、あくまでもスペック上の頂点はトップグレードはマカンターボであるというところが、ポルシェらしい生真面目さを感じます。
外観の違い
マカンGTSは、他のモデルとは異なり、スポーツグレードらしい演出が随所に施されています。そのあたりを紐解いてみましょう。
マカンGTSの外観デザインと独自のスタイリング要素
マカンGTSのボディサイズは全長×全幅×全高:4686×1926×1609mm。新しくデザインされたフロント&リアトリム、そしてサイドスカートを備えた「スポーツデザインパッケージ」を標準装備。
また、ブラックペイントが施されたフロントエプロンはポルシェGTSに共通するアイコンのひとつでもあります。また、LEDヘッドライトと組み合わされるポルシェダイナミックライトシステム(PDLS)と、リアデザインでは、4灯のブレーキライトを統合したティンテッドLEDテールライトとシームレスなテールライトストリップが特徴です。さらに、LEDヘッドライトはオプション設定のブラック仕上げのPDLSプラスに変更することもできます。
色の選択肢、ホイール、エクステリアのアクセサリー
ボディカラーはソリッドカラーのブラックおよびホワイトが標準色として用意され、メタリック系はすべてオプション設定です。人気のジェットブラックメタリックやキャララホワイトメタリック、クレヨン、カーマインレッドの他、鮮やかなマイアミブルーなど、10数色のボディカラーが用意されています。
ノーマルのマカンと比較して15㎜低くなった車高と、サテンブラックペイント仕上げの20インチRSスパイダーデザインホイール、そして赤いブレーキキャリパーとハイグロス加工されたブラックのトリムストリップを標準装備。さらに、ディフューザーおよびテールパイプもブラック仕上げ、これに加えて、トリムストリップはハイグロスブラック仕上げとなります。
内装と快適性の違い
内装のデザイン、素材の選択、装備のレベル
シート中央部とセンターコンソールアームレスト、ドアパネルのアルカンターラやドアパネルのブラッシュドブラックアルミニウムを採用することで、マカンGTSのスポーティーかつエレガントさも醸し出しています。パドルシフト付きのマルチファンクションスポーツステアリングホイールはGTS専用デザインとなります。
また、スムースレザー仕上げのマルチファンクションスポーツステアリングホイールとシフトパドルを採用し、さらにダイナミックなコーナリング時にもドライバーの安定した姿勢を保持する8段階調整式のGTSモデル専用スポーツシートも標準装備です。
GTSレザーのカーマインレッドまたはクレヨンのステッチ、アルカンターラ生地への変更、BOSEサラウンドシステムなどもオプション設定されています。
インフォテイメントシステム、運転支援技術の比較
安全性と快適性の向上のため、日本仕様ではアダプティブクルーズコントロール、レーンチェンジアシスト、リヤビューカメラとサラウンドビュー機能付きパークアシストが標準装備となります。
BOSE製のサラウンドサウンドシステム、誘導充電機能を備えた新デザインのスマートフォントレイはオプション設定。また、トラフィックジャムアシスト、リアビューカメラとサラウンドビュー付きのパークアシスト、アダプティブクルーズコントロールもオプションで選択することが可能です。
乗り心地の違い
マカンGTSの運転感覚、ハンドリングの特性
マカンGTSは、アクティブ制御による4WDシステム「ポルシェトラクションマネジメントシステム(PTM)」および電子制御ダンパーシステム「ポルシェ アクティブ サスペンションマネジメントシステム(PASM)」などを装備し、ダイナミックな走りを体感できます。なお、ステアリング位置はマカン全車共通で右ハンドルのみ。
サスペンション、ブレーキシステム、その他の運転ダイナミクスの要素
マカンGTSのポルシェアクティブサスペンションマネージメント(PASM)には専用のチューニングが施された他、オプションのアダプティブエアサスペンションを装着すると、車高はさらに10㎜低くなります。そしてスポーツエアサスペンションも、フロントアクスル剛性がノーマル比で10%高められ、リアアクスルも15%も向上しています。その結果、SUVとしてはかなりスポーティなハンドリングを体感することができる味付けとなっています。
また、標準装備として20インチRSスパイダーデザインホイールを採用することで、より大きなサイズのブレーキディスク(フロント360㎜×36㎜、リヤ330㎜×22㎜)が装着可能となったことで、ルックスはもちろんのこと、ブレーキのパフォーマンスもノーマルのマカンよりも向上しています。
さらに、ブレーキディスクの表面にタングステンコーティングを施したポルシェサーフィスコーテッドブレーキ(PSCB)もオプション設定されます。
価格とコストパフォーマンスの違い
マカンGTSの価格と、他のマカンモデルとの価格差
2020年8月時点でのマカンの価格は以下のとおりです。
- マカン:737万円
- マカンS:901万円
- マカンGTS:1062万円
- マカンターボ:1250万円
文字どおり、マカンSとマカンターボの間に位置する価格設定であることが分かります。マカンSが選択肢に入るとしたら、もう少し手を伸ばせばマカンGTSが視野に入ってきます。まさに絶妙な価格設定といえるでしょう。
維持費、保険、リセールバリューの観点からの評価
ポルシェのハイパフォーマンスSUVということもあり、マカンGTSを所有するうえでかかってくる保険やガソリン代などの年間の維持費も気になるところです。また、代替の際のリセールバリューも知っておきたいところでしょう。2024年1月時点の算出となりますが、目安としてご参照ください。
年間維持費の内訳(参考値)
- 重量税:16,400円(49,200円÷3年分)
- 自動車税:51,500円
- 自賠責保険:15,520円
- 任意保険:80,000円〜140,000円(車両保険別)
- ガソリン代:100,000円〜240,000円
- 法定1年点検:40,000円〜80,000円
合計:303,420円〜543,420円
リセールバリュー(年間走行距離は1万キロ未満、事故歴なしとして)
- 初年度登録から1年:94%〜97%
- 初年度登録から3年:68%〜71%
- 初年度登録から5年:44%〜49%
- 初年度登録から7年:35%〜39%
2回目の車検を終えたあたりからリセールバリューが急激に下降するのがお分かりになると思います。このリセールが中古車価格に反映されることになるので、代替のタイミングの参考にしてみてください。
同セグメント内の他車種(他メーカーのSUVなど)との比較
クルマに関連するあらゆるジャンルのなかでも屈指の激戦区であるハイパフォーマンスSUVモデル。一例としてマカンGTSの競合車種を挙げてみました。
エンジン:V型6気筒
・排気量:2996cc
・エンジン最高出力/最大トルク:367ps/520N・m
・ステアリング:右
・ボディサイズ(全長×全幅×全高):4670×1930×1640mm
・メーカー希望小売価格(税込):863万円(デビュー時)
・エンジン:V型6気筒
・排気量:2994cc
・エンジン最高出力/最大トルク:354ps/500N・m
・ステアリング:右
・ボディサイズ(全長×全幅×全高):4685×1900×1635mm
・メーカー希望小売価格(税込):963万円
・エンジン:直列4気筒+MHEV BSG+モーター
・排気量:1995cc
・エンジン最高出力/最大トルク:330ps/450N・m
・モーター最高出力/最大トルク:10kW/54N・m
・ステアリング:右
・ボディサイズ(全長×全幅×全高):4845×1980×1670mm
・メーカー希望小売価格(税込):1114万円(デビュー時)
・エンジン:直列6気筒
・排気量:2997cc
・エンジン最高出力/最大トルク:400ps/550N・m
・ステアリング:右
・ボディサイズ(全長×全幅×全高):4946×2209×1820mm
・メーカー希望小売価格(税込):1298万円
結論としてマカンGTSはどんな人におすすめか
絶妙なパッケージングとグレードの位置づけ、そして価格設定。マカンGTSはどのような方におすすめなのでしょうか。
マカンGTSがどのタイプのドライバーに最適なのか考察する
マカンGTSをおすすめしたいオーナー像としては「ファミリーカーとしてはもちろん、SUVでもスポーティなルックスと走りにこだわりたい方」向けといえるでしょう。さらに、売却時にリセールバリューも期待できるとあれば、少し背伸びをしてでも手に入れたい1台です。
そして、1月25日にフルEVとなった新型マカン4およびマカンターボがワールドプレミアを果たしました。最高出力470kW(639ps)、最大トルク1,130NmのpsMパワートレインを有し、航続距離613kmの100kWhバッテリーを搭載しています。内燃機関、つまりはエンジンを搭載したマカンを存分に味わうなら今のうちがいいのかもしれません。
購入検討者へのアドバイスおよびおすすめポイントとは
年式は中期モデルといわれる「2019年〜2021年」を。2022年以降の現行モデルは外観(フロントバンパー)のデザインが変更され、見た目の印象も変わりました。そこで、端正な顔つきの中期モデルを選ぶ方もいます。ボディカラーは白・黒系統、目立ちますが「カーマインレッド」と呼ばれる真紅のマカンGTSもおすすめです。内装色はオーソドックスなブラックレザーをはじめ、GTSインテリアレッドやベージュレザーもおしゃれです。
また、オプションはスポーツクロノパッケージ、LEDヘッドライト(PDLS+)、アダプティブクルーズコントロール、パノラマルーフ、ステアリングヒーター、シートヒーターなどの人気のアイテムを装備している個体であればさらに理想的です。
記録簿がしっかり残っており、できるだけホイールのガリ傷やドアのフチの傷(いずれもちょっとしたことで傷がつきやすいので)、運転席のサイドサポート(特に右側)の擦れなどをよく見てください。乱雑に扱われた個体はたいていこのあたりの痛みが激しいのですぐに分かるはずです。
「購入前に実際にクルマを一度見ておきたいけど、遠くて行けない…」という方に向けて、あるいはご多忙な方に向けて「オンライン商談」もご用意しております。テレビ電話方式でリアルタイムでセールススタッフと商談ができるほか、気になるクルマの状態をその場でご確認いただくことも可能です(カメラをオフにした状態での商談も可能です)。また、オンライン商談後に実車を確認することも可能です。
気になる中古車がございましたら、お気軽にご連絡ください。皆さまからのお問い合わせを心よりお待ち申し上げております。