クルマ好きはもちろん、そうでない方でも一度は手に入れてみたいと憧れるのがポルシェ911。
しかし、憧れを現実にした瞬間から「維持費」という、避けては通れない出費が伴います。果たして、ポルシェ911はいつの時代も高嶺の花なのか、それとも頑張り次第でどうにか手が届く、夢と現実の狭間にいるクルマなのか。現行モデルである992型を例に挙げて検証してみましょう。
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ポルシェ911カレラの維持費の内訳
あくまでも目安ですが、ポルシェ911(992型)を所有した場合の年間の維持費をまとめてみました。
- 自動車税:50,000円(2,500cc超〜3,000cc以下)
- 自動車重量税:16,400円(2t以下)
- 自賠責保険:12,260円(2年間で24,520円)
- 任意保険::250,000円(車両保険込み)
- ガソリン代:180,000円(年間8,000km、燃費8km/L、180円/Lとして)
- 駐車場代:180,000円(月額15,000円として)
合計:688,960円
月額に換算するとおよそ57,500円。これに車検および法定2年点検、タイヤや油脂類などの消耗品、ローンの残債がある場合の金額が加算されていきます。
ポルシェ911カレラの自動車税と重量税の計算方法
ポルシェ911カレラの排気量は2,981cc。よって、2,500cc超〜3,000cc以下:50,000円(令和元年10月1日以降に初回新規登録された場合)、51,000円(令和元年9月30日までに初回新規登録された場合)となります。
また、ポルシェ911カレラの車両重量は1,580kgなので、
- 2年:2トン以下:32,800円
- 3年:2トン以下:49,200円
に該当します。いずれも年間に換算すると16,400円となります。
- 1,000cc以下:25,000円
- 1,000cc超〜1,500cc以下:30,500円
- 1,500cc超〜2,000cc以下:36,000円
- 2,000cc超〜2,500cc以下:43,500円
- 2,500cc超〜3,000cc以下:50,000円
- 3,000cc超〜3,500cc以下:57,000円
- 3,500cc超〜4,000cc以下:65,500円
- 4,000cc超〜4,500cc以下:75,500円
- 4,500cc超〜6,000cc以下:87,000円
- 6,000cc超:110,000円
- 電気自動車:25,000円
- 1,000cc以下:29,500円
- 1,000cc超〜1,500cc以下:34,500円
- 1,500cc超〜2,000cc以下:39,500円
- 2,000cc超〜2,500cc以下:45,000円
- 2,500cc超〜3,000cc以下:51,000円
- 3,000cc超〜3,500cc以下:58,000円
- 3,500cc超〜4,000cc以下:66,500円
- 4,000cc超〜4,500cc以下:76,500円
- 4,500cc超〜6,000cc以下:88,000円
- 6,000cc超:110,000円
- 0.5トン以下:8,200円
- 1トン以下:16,400円
- 1.5トン以下:24,600円
- 2トン以下:32,800円
- 2.5トン以下:41,000円
- 3トン以下:49,200円
- 0.5トン以下:12,300円
- 1トン以下:24,600円
- 1.5トン以下:36,900円
- 2トン以下:49,200円
- 2.5トン以下:61,500円
- 3トン以下:73,800円
ポルシェ911カレラの保険料相場
加入者の年齢や諸条件によって差異があるため一概にはいえませんが、車両保険込みで年間で150,000円〜200,000円といったところです。月額に換算すると12,500円〜17,000円弱。それなりの出費となってしまいますが、これは致し方ないのかもしれません。
保険料を抑えるための工夫
保険料を安く抑えたい…。これも切実な悩みではないでしょうか。ご自身の年齢や保険の等級は自分では変えられないので、契約内容を見直すことになります。
しかし、劇的に保険料が安くなるケースは少なく、また契約内容を省くことで、いざというときの効力が弱まってしまい、本末転倒です。
では、どうすればいいか?
- 契約期間を3年契約にする(割引されます)
- 保険会社を変えたくないのであれば免責に掛かる費用を上げてみる
- 思い切って車両保険をカットすることで保険料を抑えることができるでしょう。
- ネット保険に加入する
これらだけでも費用を抑えられますが、安くなるということは、それだけ融通が利かない場合があることにも注意が必要です。
35歳以上、年間の走行距離が少ない、20等級、ゴールド免許など、有利に働く条件がそろっている場合は検討してみる余地はありそうです。
ポルシェ911カレラの平均燃費について
ポルシェ911カレラ(992型)の燃費は市街地などの走行を含めると、8km/L前後といったところです。郊外や別荘地など、比較的交通量や信号の数が少ない場所であれば10km/Lまで向上するでしょう。
昨今の原油価格高騰の影響を受けて、ガソリンの単価もずいぶん値上がりしました。コロナ禍の2021年頃にはハイオクガソリンの単価も150円前後で推移していましたが、それがいまや170円〜180円あたりまで上昇しています。
年間8,000km走行した場合のガソリン代の大まかな目安を算出してみましょう。
- 燃費8km/L、180円/Lとして:180,000円(月額15,000円)
- 燃費10km/L、180円/Lとして:144,000円(月額12,000円)
- 燃費12km/L、180円/Lとして:120,060円(月額10,005円)
ドライバーの乗り方や走る場所にもよりますが、ちょっとした工夫で月に5000円くらい、年間で6万円くらいの節約ができそうです。
燃費を向上させるための工夫
燃費を向上させるための工夫は以下のようなポイントが挙げられます。
- 短距離走行を極力控える
- 渋滞の多い場所での運転を避ける
- なるべくエアコンの使用を控える
- アクセルペダルを深く踏み込まず、一定の踏み込み量を保つ
- クルマに余分な荷物を積まない(ゴルフバッグなど)
ポルシェ911といえども、他のクルマと比べて特別な違いがあるわけではありません。スムーズかつ、ていねいな運転を心掛け、なるべく渋滞の多い場所での運転を避け、さらに重量のかさむ荷物を積まない。そういった細かい積み重ねが燃費改善につながります。
定期点検や交換部品の費用相場
日本では2019年から販売が開始された992型。よってメーカーの保証期間内の個体が大半であり、その点においては非常に安心感が高いといえます。しかし、油脂類やタイヤなどの消耗品の交換は実費となります。
エンジンオイル交換(オイルフィルター交換込み)の場合の費用は60,000円前後です。そして、タイヤについてはフロントが245/35ZR20、リアは305/30ZR21といった大経かつ幅広いタイヤを装着しています。
しかも高性能モデルであるがゆえ、安いタイヤに交換するだけでハンドリングに影響をおよぼすだけでなく、400ps前後のパワーを受け止めきれない可能性もあります。大経かつ高性能タイヤを選ぶ以上、銘柄やサイズにもよりますが400,000円〜600,000円の出費は想定した方がいいでしょう。
メンテナンス費用を抑えるための工夫
ポルシェ911という高性能を所有していながら、大人しく走るというのもなかなか我慢が強いられるところです。それでは所有している意味が半減してしまうので、「急がつく運転」、具体的には
- 急ハンドル
- 急ブレーキ
- 急加速
これらを避けることでメンテナンス費用だけでなく、クルマに掛かる負荷を抑えることができます。
また、「予防整備」といわれるものですが、故障が予測できたり、交換が必要になる前にパーツや消耗品を新品に置き換える習慣を身につけるようにしましょう。
これだけでも愛車のコンディションを保つことができます。日々の維持費との兼ね合いもあると思われますので、可能な範囲で、無理せず継続して行うのが長続きするコツです。
ポルシェの純正・社外パーツの選び方と使い分け
ポルシェに限らず、メーカーの純正部品は厳しい検査やチェックをクリアして販売されています。パーツの多くは「サプライヤー」と呼ばれるパーツメーカーが製造していることが多く、「純正部品」という扱いで自動車メーカーに納入しています。
数々のチェックをクリアして純正品として販売されているものがもっとも安心感があり、信頼性に足る製品であることは間違いがありません。
では、社外パーツはだめなのかというと一概にはいえません。さまざまな考え方がありますが、クルマの走行(走る・曲がる・止まる)に関係するものは純正パーツを選び、例えばフロアマットなど、ドレスアップの要素を持つパーツは社外のものを選ぶことで、ポルシェ本来の性能を安心かつ安全に堪能することができるでしょう。
ポルシェ911カレラの保管環境の重要性
ポルシェ911という、クルマに興味がない人でも「あのクルマはポルシェだ」と分かるほど、そのフォルムは多くの人に知られています。それだけに、911というクルマは、そこにあるだけで目立つ存在です。つまり、盗難やいたずらなど、多くのリスクを抱えているのです。
安心して駐車できる場所を確保する。クルマのコンディションを維持することと同じくらい、これは非常に重要なポイントです。安心して止められる場所は、同時に精神的安定剤の役目も担っているからです。
保管場所の選び方と注意点
可能な限り、屋根付きの駐車場や車庫を選ぶようにしてください。タワーパーキング型の駐車場や屋根付きのガレージ、モータープールなどもおすすめです。
反対にできるかぎり避けた方がいいのは人通りが少ない青空駐車場です。ボディカバーを被せているから安心…とはいきません。盗難やいたずらなど、ひと目につきにくい場所ほどリスクがあがります。
予算や住んでいる場所に近い環境にもよると思いますが、可能な限り妥協せず、愛車を守ってくれる駐車場を確保しましょう。
DIYメンテナンスについて
ポルシェ911カレラ(992型)に限った話でいうならば、DIYメンテナンスはおすすめしません。いまや、エンジンルームですらオーナーが触れないほどガードが固く、クルマのコンディションはコンピューターで管理・監視されています。
もはや一般ユーザーが手を入れる余地はないといっていいでしょう。どうしても愛車のコンディションを知りたいとしたら、取扱説明書に記載されている「車両 & 情報画面(5連メーターの右側2つのメーター)」を参照し、表示される情報を把握するのがベストでしょう。
トップランクでは、ポルシェ911のメンテナンスに関するご相談なども受け付けております。オンライン商談でのご相談も承っておりますので、遠方にお住まいで、直接店舗にいけない方もお気軽にご相談ください。