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クルマの価値=値段?今だからこそ問いたいRS

 

珍しい条件の一台が入ってきたので今回はそのご紹介をしつつも

今回は持論・暴論(それはいつも通り)を交えて普段とは違う角度で書き物をしたいと思います

 

それがこの個体

ガーズレッドのtype991.2 GT3RSです

 

 

992GT3RSがデビューしている中で一個前のこの個体をあえて今紹介する、その理由

 

それは現行GT3RSがとっても高いから・・・

 

前回のZ06同様にすごいシンプルな理由なんですが

 

価格に対して車の価値が釣り合っているかどうか見極めるというのは
中古車を扱う以上は車屋にとっては永遠のテーマです

 

 

だからこそあえて難しいことを考えてでも発信をしたいテーマでもあります

 

 

新車価格を比べてみると・・・

type992の新車価格はオプションを除いた吊るしの状態(オプションが何もない状態)で3450万円弱

 

オプションをあれこれつけていけば4000万は余裕で超えてきます

 

それに加えて、タイカンを買ってくれないと売れませんよ~~というアナウンス

じゃあ結局GT3RSを買うには総合計いくらかかるの?という話になるわけですが大体6000万くらいでしょうか

 

ちなみにランボルギーニの次世代V12モデルである【レヴェルト】がそれくらいの値段

中古市場を見渡すとヴァイザッハPKGが無くても6000万円くらいはしそうです

 

 

type991.2だと当時吊るしの状態で2700万円弱でした

それに当時は抱き合わせ販売なんてやっていません(笑)

 

それぐらいの価格差、そしてプレミア価格がついてしまっている現状の中で
991.2は911における最後の911GT3RSという解釈ができます(価格的に)

 

新しいものは常に進化を続け、

例えそれが本質から離れていっても性能は向上していくのが車の常でありそれはメーカーに与えられた使命でもあります

 

ポルシェであっても当然それは同じで

 

992型に比べれば性能は劣り、ニュルブルクリンク北コース(ノルトシュライフェ)でのタイムは
991.2に比べると約7秒も短縮するという、ポルシェにおける市販車最速モデル

それが現行GT3RSなのです

 

電動化されたわけではありませんしNAエンジンは継承されコンセプトから逸脱しているとも思いません
そしてポルシェの哲学に基づく車としての本質・方向性が変わったわけでもありません

 

今のポルシェが量産できる最頂点に位置するこのモデルはポルシェの真髄ともいえるわけです

 

ですが価格的には本当に911になのかと疑問符はついてしまいます

もっと言うといくらRSと言えど、もう992の価格は911の価格ではないと思うのです

 

モデルが一世代上にいくだけで2000万円以上の価格差がある車っていくつあるでしょうか
正直この車格で思い浮かぶ車種はありません

 

最良のポルシェは最新のポルシェであったとしても・・・

 

2000万円の差があるのか

 

その差はノルトシュライフェでの7秒に値するのか

ノルトシュライフェの7秒の差によって受けられる恩恵は我々一般人はどこまで受けることができるのか

 

サーキットを走るとしてその恩恵が受けれたとしても6000万のクルマをサーキットでガンガンに使いまわすのか(笑)

 

お金を積めば積むほど速い車を買える・速い車を創れるなんて言うのは当然の話
際限なく予算がある上で速さを求めるならばブガッティでもパガーニでもハイパーカーを買えばいい・・・

そんな疑問を抱きまして、そしてだからこそ推すのがこの991.2GT3RSなのです

 

 

カタログ値的なご紹介は割愛
トップランクYouTubeチャンネルでその魅力をしつこい程にご紹介してますのでそちらをご参照ください(笑)

 

なのでリッター当たり何馬力の出力・・・空気力学を駆使した・・・
というご紹介は省きます(笑)

 

 

そういった性能の面からではありませんが

ひとつお話をしておきたいのが991と992で比較した時に必ず話題になるサイズ感の話・・・

 

周知のとおりで結論、やはり992は大きく感じます
これは雰囲気の問題だけではなく実測値も大きくなっています

通常ボディであるカレラでも大きさを感じますが特にGT3以上はそれを顕著に感じます

 

 

数値的な違いで言えば991.2に比べ40㎜のワイドボディになっており

そんな大型化をした992を見てから991を見ると・・・

991はギリギリ、ポルシェ911らしいサイズ感?そんな風に思うはずです

 

 

そして話は逸れますが
じゃあなんで992ってこんなに大きいの?という話になるわけです

 

それで言うとナローポルシェや930と比較してみれば991も大型化しています。それもかなり・・・

 

歴史を振り返ると996型が分岐点といえます

 

 

911は996型で水冷に変更されたことを機に一気にサイズアップをしました

ですがこれはエンジンだけの理由ではありません

 

ポルシェは911に対し一貫して2+2クーペのスタイルにこだわり生産を続けています

当たり前ではありますが車検証上は4人乗りのクルマになりますので
生産者はリアシートに座る人への安全の担保も必ず行わなければなりません

 

年々、車の安全基準や性能基準は厳しいものに世界共通でなっていく中で
短いホイールベースでハイパワーエンジンに対して安全を保証するのは物理的に難しい、
その上でスポーツカーの使命である速さの極地への探求を行わなければならないとすると大型化するのは必然的なのです

 

 

だからこそ色々含めても992型を否定する気にはなりません

上記の通り性能面では上回っているわけで忠実な進化を施されているのは間違いありません

 

 

それに991.2も価格は上昇中、

今もなお新車価格+αで売れてしまうこの状況は当時の価格からしても割安な要素はありません

ですが事この車の魅力に対する対価と言えば妥当であるとそう思います

 

元々後期の個体数自体が少ないですが
市場に対しては特に今その影響を受けており後期モデルの数がここ最近極端に減っています
値段的なところや
数字では表れない車の本質的な部分を改めて評価され、今991.2に目を向けられているように思うのです

 

 

 

そして既に、お客様からも多くご質問を頂いておりますが【ガーズレッド】の評価は?という点です

一般的に乗用車に対しての赤色は白黒に比べれば割安なのが一般論としてあります
ですが赤がイメージカラーのクルマ、シンボルのクルマがあるように
カッコイイとかカッコ悪いとかそういう話ではありません

 

 

特にポルシェはカラーごとの価格差が比較的あまり無いのが特徴的でGT3RSで言えば優劣は存在しません

 

ガーズレッド・ラバオレンジ・マイアミブルー、そしてリザードグリーン
これら派手なカラーと白黒で価格差があるのかといえば全くないと断言できます

 

 

見た目が派手な車なんだから色が派手じゃないと釣り合わないという解釈もできると思います
そして普通のクルマには無い存在感がある車に対しては通常の物差しでは測れないものがあるという解釈もできます

 

カーボンパーツが多いGT3RSにおいてはブラックのアクセントが沢山あるようなデザインになっており
その恩恵、赤と黒の組み合わせで統一されている雰囲気は他にないものです

 

色での優劣自体は本来は無い筈で車のキャラクターによって考え方は変わります

 

是非そんな見方をしてもらえたらまた違ったクルマの見え方がするかもしれません

 

このモデルの個体数の減少に関して言うと
仕事柄、ほぼ毎日見渡すようにしていますが後期に限っては冗談抜きに減っています

 

どんなメーカーでも車格を問わず車体価格が上がっているこのご時世で
何を基準に価値を見出すべきか
新しいものが絶対正しいのか・・・

 

改めて一つの答えを教えてくれるのが991.2GT3RSなのではないでしょうか気

 

この一台も後生大事に中央店で保管をしていますので
気になる方は是非お声がけくださいませ