- 2024.07.30
- MEDIA INFORMATION , セールスブログ
先日、中央道で煽られまして
後ろ見たらどうやら古めのトゥアレグ?
トゥアレグで煽ってこないでよ(笑)って思ったんですけど
狂ってるんじゃないかって速度で消えていきました
左ハンドルで4本出しでリアウイングでワイドボディ
恐らく奴はW12エンジンのトゥアレグ
元々、SUVのジャンルへ参入をしたかったポルシェと高級路線での戦略をしたかったVW
との共同開発でカイエンの姉妹車という位置づけで
ほぼ同時にカイエンと一緒に発表されたのがトゥアレグ
だけどお姉ちゃんが人気者になり過ぎて
ムカついたのでお姉ちゃんより凄いエンジンを載せちまおうという事で
W12エンジンを積んでしまった
というぶっ飛んだ車
古いけど・・・なぜか惹かれる(笑)
という事で今回は『W12』
ポルシェの創業者フェルディナンド・ポルシェの孫でもあるフェルディナント・ピエヒ氏
ポルシェではモータースポーツの世界で凄腕の技術者として活躍
その後移籍したアウディでは『クワトロ』を開発
そして現代でもRS3などで採用される直列5気筒もこの方の功績
その後フォルクスワーゲングループの会長に就任し
フォルクスワーゲングループの高級化を進めたいという意向から
ベントレーやランボルギーニ、ヴェイロンと次々に買収、今日のフォルクスワーゲンを創り出した人物です
この人の何よりもすごいところは経営の手腕・技術者としての手腕よりも【ぶっ飛んだ発想】
このぶっ飛んだ発想をした結果生まれたのがW12なわけです
フォルクスワーゲンの主戦力として既に確固たる存在を示していた『VR6』
まあ端的に言うとV6です
しかし当り前ですがV6ではスポーツカーの頂点を狙う事は出来ない
多気筒エンジンの頂点とも言うべきV12に対抗するエンジン
そんなことを考えながら東海道新幹線に乗っていたフェルディナントが新幹線内で閃いたわけです
『VR6にもう一個VR6つければいいじゃん』
元々狭角な設計であるVR6を二つ足せば従来のV12エンジンよりもコンパクトにすることができる
前後の車重バランス考えたときに小さければ小さい程良いはずだ
そして帰国後それを具現化してしまったわけです
エンジンの全長が短くて済むのでもう一個足してみる。そういってW18まで作って、これは市販は断念しましたが
ブガッティ・ヴェイロンのW16も同様の発想が基礎にあるのです
W12はスペックとしての数値もさることながら何よりも凄いのはフィーリング
どの速度域・回転域でも滑らかに踏んだら踏んだぶんだけ加速していく独特な感覚は
V12とも違い、そして他の多気筒エンジンとも違う
飛行機に乗ってるような滑らかさはこのエンジンにのみ唯一備わる要素
っていうか
元々W12は設計思想は全く異なるものの
それより前に飛行機のエンジンで存在したのでそういうエンジンなのかもしれません
話はここからが本題(笑)
長いよって?
半分趣味で書いてるので許してください(笑)
それで。このエンジンを積んだモデルが『ベンテイガ』
デビューしたては金持ちを見せびらかすだけのイヤらしいクルマだと思ってました(笑)
でもいまになってこの発想とこの先の自動車の行く末を考えたとき
トゥアレグW12の様に
車の本質を感じるわけですよ
現在ではW12は終焉を迎えV6ハイブリッドとV8というラインナップに変わり
まるで自動車の世界の変遷を絵にしたような、そんな移り変わりをしているベンテイガ
元々、スポーツカーに積むことを想定したW12を傘下のベントレーがあえてこの車にも採用をしていた理由
それはベントレーというメーカーがあくまでもモータースポーツを基盤にして築いてきたメーカーだから
今でこそ高級ブランドのイメージが強いんですが
1919年のベントレー設立からモータースポーツに参戦をしており、『Ferrari』よりも古い存在なんですね
ベントレーの経営悪化・ロールスロイスによる買収など経営面での問題から数十年、
レースの世界から離れる事にはなりますが
フォルクスワーゲンの傘下として安定した業績を残せるようになった後
2001年からは再度サーキットの世界に舞い戻りそれ以降参戦を続けています
メーカーとしてのDNAにはモータースポーツの遺伝子が組み込まれておりそれが
『高級・ラグジュアリー』の括りだけにはあてはまらない車づくりの所以
ウルスやプロサングエ、DBXみたいなスーパーSUVが世を賑わすこの時代
この車だってスーパーですよ?
12気筒のSUVなんて例に挙げたうち、プロサングエしかありません
多気筒は正義です
エンツォ・フェラーリだって『V12以外のフェラーリはフェラーリではない』って言ってるんですから(笑)
私はこの車はだいぶ過小評価をされていると思っています
年式は違えど、Gクラスのディーゼルモデルが2000万円を超えるこの時代
そしてディフェンダーの新車価格くらいで取り引きされるこの型のベンテイガ
どうでしょう
是非一度チャレンジしてみないですか?ベンテイガ
絶対この走りにびっくりすると思います(笑)
この重厚感のある走りは今のSUVにはたぶん無い。たぶんです
メルセデスベンツはガソリン車廃止の撤回、
アストンマーティンがV12エンジンのラインナップ廃止を撤回するなど急速なEVシフトに各メーカーがついていけず
少し様相が変わってきた自動車業界ですが、
ベントレーはそれでもW12の廃止とプラグインモデルの全投入・将来的なEVシフトを進めています
それは何故か、環境性能も今後規制が入りパスできない。
そして生産コストが高く、生産そのものもまあ大変
コスパが悪いわけです
新車価格からのリセールが悪いことはなにも悪い事ではありません
とんでもなくコストのかかった車を安く買えるって事でもありますから(笑)
古臭いデザイン?ベントレーって元々クラシカルな姿勢を崩さないメーカーなので
別にそんなことも感じません
現行も同じような顔をしてますよ(笑)
だったら是非新車価格の半分で買えるこのモデル、おススメします