ポルシェのラグジュアリーカー「パナメーラ」の魅力

ポルシェの5ドアセダンといえば、いまや電気自動車のタイカンのイメージが強くなりつつあります。しかし、先にデビューしたのはパナメーラです。それも今から15年も前に。

SUVモデルのカイエンが2002年にデビューしていたとはいえ「ついにポルシェも5ドアセダンを発売する時代になったか」といった声が往年のファンから聞かれました。しかし、パナメーラのデビューにより、さらにポルシェのモデルラインナップの裾野が広がっていったことは確かです。

そんな、ポルシェのラグジュアリーカーである「パナメーラ」の魅力を紐解いてみましょう。

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目次

パナメーラはどんな車なのか

まずはパナメーラの歴史から紐解いていきましょう。

パナメーラの歴史

パナメーラは2009年4月に開催された上海モーターショーでワールドプレミアが行われ、同年9月よりドイツで販売が開始されました。日本市場でも同年3月より予約が開始され、同年7月より販売が開始されました。

なお、デビュー当時は「パナメーラ4S」および「パナメーラターボ」の2グレード構成。上級モデルから展開するポルシェらしい手法といえます。

2011年6月にはハイブリッド版「パナメーラSハイブリッド」を追加。同年11月にはスポーツモデルである「パナメーラGTS」が追加されます。その後、2013年4月にマイナーチェンジを実施します。

そして2016年7月、パナメーラは2代目へと進化。今回も「パナメーラ4S」および「パナメーラターボ」の2グレード構成からのスタートとなり、パナメーラターボに至っては、「新型パナメーラターボのニュルブルクリンク最速タイムは7分38秒と、996型の911GT3よりも速いラップタイムで駆け抜けた」ほどの高性能振りをアピール。同年10月にはプラグインハイブリッドモデル「パナメーラ4 E‐ハイブリッド」が追加されます。

さらに、2016年12月にはロングホイールベースモデルの「パナメーラ4 エグゼクティブ」、「パナメーラ4 E‐ハイブリッド エグゼクティブ」、「パナメーラ4S エグゼクティブ」、「パナメーラ ターボ エグゼクティブ」を追加。そして2017年4月には、パナメーラのステーションワゴンタイプ(シューティングブレークモデル)ともいえる「スポーツツーリスモ」が追加。

その後、2020年8月にマイナーチェンジを実施。ここに、パナメーラの最強モデルともいうべき「パナメーラ ターボS」が追加されます。このモデルはパナメーラターボよりも出力が80psアップ、トルクは50Nm増大し、最高出力630psという、トップモデルにふさわしいスペックを手に入れたのです。

そして2023年11月、3代目となる新型パナメーラとパナメーラ4の予約受注が開始され、現在に至ります。

パナメーラのポルシェの中での位置付けとは?

まったく異なる市場セグメントに参入したパナメーラ

ポルシェAGのセールス&マーケティング部門担当役員のクラウス・バーニング氏は、パナメーラがデビューした2009年当時「私達は、パナメーラを投入することで、これまでの顧客層とはまったく異なる市場セグメントに参入しようとしています。こうして私達のモデルレンジは、またもや拡大を続けることになるのです。

そのデザインと外観をひと目見るだけで、パナメーラの存在感は競合モデルの中で際立っています。同じクラスの中で、スポーツ性とラグジュアリーカーならではの快適性をこれほど見事に融合させた車は他に見当たりません。

全長4.97m、全高1.42mという低くスリムなポルシェらしいシルエットにもかかわらず、パナメーラは4名が余裕を持ってくつろげる室内空間を誇ります」と述べています。

また、当時の研究開発部門担当役員のヴォルフガング・デュルハイマー氏も「開発チームのエンジニア、技術者、デザイナー達は、持てるすべてのノウハウ、長年の経験、豊富なアイデア、そしてスポーツカーに対する情熱を、この4シーターグランツーリスモに注ぎこみました」と語っています。

パナメーラの5つの革新的技術

初代パナメーラは、ラグジュアリーパフォーマンスカーとして当時は初となる、5つの革新的技術を採用しました。具体的には、オートマチックトランスミッションと初めて組み合わされるオートスタート / ストップ機能、オンデマンド制御によって空気の量を調節できるようにしたエアサスペンション、およびアクティブエアロダイナミクスを実現するマルチステージ式の可変リアスポイラー(パナメーラ ターボに搭載)などが挙げられます。

ポルシェのグランツーリスモは、モータースポーツを通じて培われたポルシェの力と長年の経験を生かすことで、効率的かつ高出力のエンジン、軽量化技術、最適化されたエアロダイナミクスは、サーキットでの成功に不可欠な要素であると考えられているのです。

そのノウハウを活かし、パナメーラの各モデルには、ダイレクト・フューエル・インジェクション、摩擦損失が少ない駆動システム、最適化された軽量ボディが採用されています。

パナメーラ(971系)の魅力とは?

以下ではそのパナメーラの魅力について解説します。

パナメーラの魅力を一言で表現すると?

「その時代の911デザイン言語を巧みに取り入れた5ドアハッチバックタイプのセダン」といえます。ポルシェの永遠のシンボルである911との血縁の濃さをアピールしつつ、セダンとしての魅力、オリジナリティーも追求しているのです。

つまり、長くダイナミックなプロポーションと目を引くショルダー、力強いサイドパネル、そして引き締まったルーフラインこそが、パナメーラであり、スポーツカーなのです。このポルシェ特有のフライランが、ポルシェのデザインアイコンである911とのスタイル上のつながりを生み出しているといえるのです。

パナメーラの走行性能の特徴

パナメーラ(971系)はすべてのエンジンが再設計されています。しかも、従来よりもさらにパワーアップを果たしつつ燃料消費量とエミッションが大幅に改善されています。パナメーラ ターボとパナメーラ4Sには、新しいツインターボ直噴エンジンが搭載されています。これらのすべてにフルタイム4WDと新しい8速ポルシェ・ドッペルクップルング(PDK)が装備されています。

パナメーラ ターボのV8ガソリンエンジンは最高出力550ps、パナメーラ4SのV6ガソリンエンジンは最高出力440psを発揮します。0-100km/h加速タイムは3.8秒、スポーツクロノ仕様車の0-100km/h加速タイムは3.6秒で、最高速度は306km/hに達します。

しかも、大柄なボディでありながら、パワーウエイトレシオはわずか3.6kg/psです。燃料消費量は、先代より1.1リッター/100km少ない9.4–9.3リッター/100km(NEDC)で、CO2排出量は214–212g/kmとなっています。

パナメーラ4Sの2.9リッターV6ツインターボエンジンは、最高出力440ps(先代比20PSプラス)を、5,650rpmで発揮します。最大トルクは1,750回転から 5,500回転の間で 550 N・m(同30 N・mプラス)を発生、0-100km/h加速タイムは4.4秒(スポーツクロノ仕様車の0-100km/h加速タイムはわずか4.2秒)です。最高速度は289km/hに達します。燃料消費量は、先代より1.0リッター/100 km少ない8.2–8.1リッター/100km(NEDC)で、CO2排出量は先代より11%低い186–184g/kmです。

パナメーラ(971系)のシャシーにも、ラグジュアリーサルーンの走行快適性と真のスポーツカーの性能が兼ね備わっています。これはオプションのポルシェ ・アクティブサスペンション・マネージメントシステム(PASM)を含む新しい3チャンバーテクノロジー付アダプディブ エアサスペンション、ポルシェ・トルク・ベクトリングプラス(PTV Plus)とアクティブロールスタビライザーを含む強化されたポルシェ・ダイナミックシャシー・コントロール・スポーツ(PDCC Sport)、および新しい電気機械式パワーステアリングなどのシステムが優れた基本レイアウトを補完することで実現しています。

パナメーラ(971系)のシャシーは統合された4Dシャシーコントロール システムによって制御されています。ポルシェは、918スパイダーと911ターボのリアアクスルステアを採用し、ステアリング精度とハンドリングを実現しています。

パナメーラの中古車価格の相場は?

2024年9月現在、パナメーラ(971系)の中古車相場は以下のとおりです(カーセンサー調べ)。

パナメーラ(971系)の中古車相場(カーセンサー調べ)
  • 平均価格:984.4万円
  • 価格帯:489.9万円~1890万円

※2024年9月現在

2023年11月から日本でも3代目となるパナメーラの予約受注が開始されているものの、日本市場では2代目が現行モデルのため、主な価格帯は1000万円前後です。高年式かつ低走行、ワンオーナー車も豊富に流通しているので、ある程度の予算が組める方であれば選択肢はあるといった状況です。

パナメーラはどんな方におすすめか?

ファミリーカーとして使えるポルシェが欲しい、SUVはしっくりこないといった「運転を楽しみたい」というこだわり派のユーザーから、社用車として使いたいという経営者の方にもおすすめです。さらには、911を休日のドライブ用に所有し、ファミリーカーとしてもポルシェを感じていたいという、熱狂的なポルシェラバーの方にとってもパナメーラはいち推しです。

ポルシェには5ドアモデルとして電気自動車のタイカンがありますが、やはり航続距離に対する懸念材料は拭いきれません。ロングドライブをするのであればパナメーラの方がより実用的といえるでしょう。

鎧のようなボディ、スポーツカー顔負けのスペック、そしてポルシェでしか味わえないスポーティかつ重厚な走りの感覚。パナメーラであれば、ファミリーカー、あるいはカンパニーカーとしての大義名分も押さえつつ、オーナー自身の満足感を満たしてくれることは間違いありません。

パナメーラの魅力をお伝えしましたが、実際にその魅力を感じていただくためにも、ぜひ一度試乗や商談をご検討ください。パナメーラに関するご質問やご相談は、いつでもお気軽にお問い合わせいただけます。トップランクでは、オンライン商談も承っておりますので、遠方からでも安心してご相談いただけます。ポルシェならではの走行性能とラグジュアリーな快適性を兼ね備えたパナメーラを、ぜひお楽しみください。

 

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