いつまで乗り続けられる?ポルシェの部品供給状況とは

ポルシェはクラシックモデルの現存率が非常に高いブランドです。特に「911」は2017年時点で54年間に生産した車両の7割が現存しているとの報道があります。現在でも5割を超える台数が今も現存している奇跡的な状態となっています。

その背景には、ポルシェが最新モデルだけでなくクラシックモデルへのケアにも力を入れている背景があります。ポルシェが行っている部品供給の内容と、メンテナンスを行う上での選択肢について紹介します。

目次

部品供給の重要性とは?

自動車は多くの部品の集合体です。1つの部品が故障することによって、走行不能や車検不適合になる恐れもあります。補修部品供給の重要性について触れていきます。

長期にわたって愛車に乗り続けられるか?

今お乗りの愛車がまだ新しい場合、故障の心配は少ないでしょう。仮に予期せぬ故障や事故があっても、整備工場で修理が行われ元通りになると思います。しかし、工業製品の多くは生産終了から年数が経過するごとに補修部品の供給が終了します。

自動車も同様に、モデルチェンジが行われ新しいモデルが発売されることで従来モデルに変化します。一般的には、生産終了後から8~10年は部品供給がされます。しかし、メーカーの意向や生産台数の少ないモデルの場合、短期間で部品供給が終了するケースは多々あります。

部品供給が途絶えた場合、日本では車検制度があるため車検不適合箇所を直すことができず、公道を走行することが不可能となる恐れも発生します。もちろん海外でもパワートレイン部品など走行に関連する重要部品の供給が途絶えた場合、愛車に乗り続けることは不可能となり廃車の運命を辿ることになります。

ポルシェの現存台数が多い理由として、部品供給が行われることで廃車にする必要性がない背景があります。また、事故で外装に損傷が発生しても修理可能な部品供給がされていることが、現存台数の多さを裏付けられているといえます。

部品供給の現実

実際の部品供給状況は各自動車メーカーでバラツキがあります。クラシックモデルと呼べる年代の車両でも、根強いファンオーナーがいる車両には部品供給を続けているケースもあれば、モデルチェンジ後も街中でもよく見かける人気モデルであっても、経過年数により部品供給を打ち切られるケースもあります。

どのケースでもメーカーとしての判断は正しいです。供給を行い続けることが困難になる一番の理由は、コストの問題です。補修部品を供給するためには、在庫を保管する必要が発生します。保管のために倉庫が必要となり、維持管理費も発生します。自動車部品の場合、外装などの大型部品は専有面積が大きいものの流動性は低く、在庫として保管することが困難になります。

そのため、選択と集中として現存台数や需要が多いモデルの在庫以外の供給を止めることになります。そのため、古くなり部品供給が途絶えたモデルは廃車の一途を辿る運命にありました。しかし、近年80~90年代に販売されたモデルが世界的にブームとなり、自動車メーカーも供給を終了していた一部の部品を再生産する動きが活発になっています。

多くはサプライヤー(部品メーカー)の協力を得て、新車時同様の部品を再生産して供給を行うケースが多いですが、先述の通り保管場所の問題が残っています。そのため、再生産部品の中には数量が限定された物もあり、必要なタイミングで入手できるとは限らない点が課題です。

ただ、新たな試みとして3Dプリンター技術を用いて適宜必要な時に生産する方法も模索されています。他メーカーの部品供給状況を知ることにより、ポルシェの部品供給姿勢の凄さに驚かされることでしょう。

部品供給対象モデルは?

ポルシェは約8万点の部品供給に力を入れています。主な対象モデルとアップデート活動について確認します。

オールド911

ポルシェのフラグシップモデルといえる「911」の対象モデルは1965年のFモデル以降です。驚くことにポルシェの日本法人である「ポルシェジャパン」のホームページ上にある「ポルシェクラシック」ページには、イヤーモデル毎のボディペイントカラー見本、カラーだけでなく使用されているレザーや生地の見本など、当時の資料を映像化してあり閲覧可能となっています。

1965〜1973年の期間に販売されていた911Fモデルもイヤーモデル毎に当時の資料が用意されています。911は現在に亘って幾度のモデルチェンジが行われてきました。「ポルシェクラシック」上ではモデル毎に解説も記されており、新たに取り入れられた技術についても知ることが可能です。

また、292台のみしか生産されていない959についてもモデル説明とパーツカタログを閲覧することが可能となっています。

オールドモデル

ポルシェの名前を1948年に初めて冠した「356」も対象モデルとなっています。1948〜1965年の生産された期間で1950年以降のカラー情報だけでなく、パーツカタログも1950年以降の内容が閲覧可能です。

また、レアなモデルとなる1970〜1976年に生産された「914」についても同様に過去の資料が閲覧可能で、モデルの詳細も理解しやすくなっています。

ネオクラシックモデル

80〜90年代に販売されていた「928」「944」「968」モデルについてはアーカイブとして情報が残されており、カラー情報については新車販売時のサンプルカタログで確認することができます。

また90年代終盤から2000年代初頭にデビューした「初代ボクスター」「初代カイエン」もクラシックのラインナップに加えられています。20年以上経過している点を踏まえてもまだ中古車としての流通が多い点は、部品供給が行われている賜物ともいえるのかもしれません。

なお、当時の資料を使用しているため、手書きのメモもそのままの状態で公開されています。オーナーでなくても当時の雰囲気を感じることができ、閲覧するだけでも楽しめることでしょう。

アップデート対応

ポルシェクラシックでは、修理を行うための部品供給だけではなく、機能のアップデートにも力を入れています。その中にオーディオのアップデートがあります。

1DINや2DIN規格のオーディオでは、故障した場合はアフターパーツのオーディオやカーナビゲーションシステムへの交換で対応することが一般的です。その場合、インストパネルの雰囲気と合わない懸念がありました。

しかし、ポルシェは本来装着されていた純正オーディオの雰囲気を活かしつつ、スマートフォンと連携できる最新のオーディオへのアップデートが可能です。2DINモデルでは高解像度のタッチディスプレイで見やすさ、操作のしやすさはもちろん、ナビゲーション情報も最新化されています。また、2000年代以降のオーディオは規格サイズではなく、デザインと融合したビルトインタイプが主流となりました。「初代ボクスター」「初代カイエン」もビルトインタイプとなります。

そのため、社外オーディオへの交換を行うことができない問題点が発生していました。この問題についてもモデル毎に専用のパネルを活かしてアップデートが行えます。高解像度モニターやスマートフォンなどの外部機器接続が行えるようになるアップデートだけでありません。車両コンピュータとも接続されているため、走行情報の記録も同時に行えるようになっています。

ビルトインタイプのモデルでは、今後このアップデートサービスが必要不可欠となるといえます。

部品を調べるには?

実際にオーナーとして部品が必要となった際、どのように愛車の部品を調べ入手するかについてです。

ポルシェジャパンホームページ

ポルシェジャパンのホームページ上にある「パーツリスト」や「ポルシェ パーツエクスプローラー」で探すことが可能です。パーツリストでは、各部品の装着箇所がイラストで図解されています。そのため、名称が分からない内装部品などは装着位置から判別することが可能です。

ただし、この閲覧できるパーツリストから設計変更や廃止部品などで内容が変更となっていることもあるため、まずは先行確認に使用し実際の購入時にはポルシェクラシックへ問い合わせすることで確実性を高めることが必要です。

純正部品の再販協力

ポルシェクラシックで部品の供給状況を確認した際、供給が行われていない部品であるケースもあります。その場合、部品番号と名称、車両モデルを申告することで今後の再生産プロジェクトの要望部品として集計されます。

本来必要とされるユーザーの声はメーカーに届きにくい傾向にありますが、申請が可能なこのシステムは貴重といえます。

純正部品以外の選択肢は?

消耗品をはじめ、純正部品以外の選択肢が可能な部品は意外と多岐に渡ります。それらを活用して愛車と付き合っていく方法について紹介します。

サードパーティー製互換部品

サードパーティー製は「純正同等品」であり、ジェネリック医薬品をイメージしていただくと分かりやすいでしょう。日本の一般的な自動車ユーザーには、馴染みが薄いかもしれませんが、簡単なところでは灯火類に使用されているバルブが該当します。

バルブは一般的なカー用品店でも購入することができる補修部品です。販売されている商品の多くは、純正部品と同じメーカーであり同じ製造元です。海外ではバルブの様に、部品メーカーが純正同等品として販売しているケースも多く、一般的な存在となっています。

整備を行っているプロの世界では、サードパーティー製の部品をあえて使用することもあります。その理由としては、入手性のしやすさ、作業性、海外と日本での使用環境差による劣化の進行具合が異なるなど、多岐にわたります。特に使用ケースとして多いのは、ドライブシャフトのジョイント(関節)をカバーするゴムブーツなどです。

サイズが合えば汎用性のある部品であり、日本国内で簡単に入手することが可能です。このゴムブーツが破れていた場合、車検に通らなくなります。そのため、ディーラー以外の整備工場で車検整備を受ける際にはサードパーティー製品を使用することもあります。

互換部品を利用したメンテナンス

ディーラーでは、純正部品を使用して整備を行うことが基本です。その理由としては、メーカーによる適合性が保証された部品となるためです。純正部品を使用することで、車両のパフォーマンスが保証されることになります。しかし、ディーラー以外で車検整備や定期点検を受ける際、サードパーティー製部品を使用する選択肢もあります。

それは、先述の入手性や作業性の高さから預かり期間が短く済む場合があるためです。また、サードパーティー製は純正部品よりも割安な価格になっており、部品価格を安く抑えることも可能となります。

定期点検を受けることにより不具合箇所が早期発見できます。ジョイントを例にすると、ゴムカバーの破れに気づくことができず水やゴミの付着により錆び、異音の発生に繋がることもあります。早期発見することでカバー交換のみで済む不具合もあります。

ディーラーは敷居が高く、点検費用も高額です。しかし、明瞭会計の信頼できる整備工場が無い方は一度トップランクのホームページをご覧ください。定期点検の基本費用を明確に記載しています。まずは定期点検から愛車の健康状態を把握して、今後のメンテナンスについて検討することをオススメします。

 

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