BMW M4 F82は、2014年に登場した高性能クーペであり、サーキットでのパフォーマンスと日常の実用性を兼ね備えたモデルです。この記事では、BMW M4 F82の概要から中古車購入時のポイント、維持費、普段使いの注意点までを詳しく解説します。
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BMW M4の概要とF82モデルについて
1986年に初代(E30型)がデビューして以来、BMW M3はサーキット性能と実用性を兼ね備えた人気モデル。2014年に5代目が登場し、M3はセダン、クーペは「BMW M4(F82型)」として区分されました。
先代モデルではV8エンジンを搭載していましたが、5代目となるF82型では新開発となる3リッター、直列6気筒Mツインターボエンジンを搭載。0-100km/h加速はわずか4.1秒というハイパフォーマンスモデルとしてデビューしました。
ボディやサスペンションの多くにCFRP（炭素繊維強化プラスチック）が用いられている他、軽量アルミを採用したインテリジェントライトウェイト構造により、先代モデルに比べ約80kgの軽量化を実現した結果、車両重量は1,497kgとなります。トランスミッションは伝統の6速MTの他、7速DCT仕様も用意されます。
中古市場におけるM4の人気とその理由とは
羊の皮を被った狼のごとく、さりげない外観からは想像もつかないようなハイパフォーマンスを秘めているBMW M4(F82型)。ポルシェ911では目立ちすぎてしまうし、メルセデスAMGではちょっとアダルトすぎる…。
旅行やゴルフなどのレジャー、そして冠婚葬祭にいたるまで。どのようなシーンで乗っても悪目立ちすることはありません。若々しさとセンスの良さを感じさせるチョイスとして、BMW M4(F82型)は高い人気を誇ります。
BMW M4(F82型)のスペックと価格
| 項目 | 詳細 |
| 全長×全幅×全高 | 4685×1870×1385mm |
| ホイールベース | 2810mm |
| 車両重量 | 1610kg (6速MT) / 1640kg (7速AT) |
| 駆動方式 | FR |
| トランスミッション | 6速MT / 7速AT |
| エンジン | 直列6気筒DOHCツインターボ |
| 排気量 | 2979cc |
| エンジン最高出力 / 最大トルク | 431ps / 550N・m |
| ステアリング | 右/左 (6速MT) / 右 (7速AT) |
| 車両本体価格 | ¥10,750,000 (6速MT) / ¥11,260,000 (7速AT) |
| 生産期間 | 2014年2月～2020年12月 |
| 平均価格 | 601.6万円 |
| 価格帯 | 338万円～1830万円 |
| データ更新日 | 2024年5月 |
BMW M4 F82の中古車購入時に確認すべきポイント
修復歴の有無、板金塗装の度合い
もし、気になっているクルマに修復歴があれば大きなダメージを受けていないかを確認しましょう。また、ドアやフェンダーなど、板金塗装の度合いもチェックできれば尚可です。
内装のコンディション
内装でチェックしたいポイントは運転席のサイドサポートのヤレ具合、そしてサイドシルの傷の度合いです。
大切に乗っているオーナーであれば、この部分がダメージを受けやすいことを知っていて、乗り降りをする際に気を遣うのです。その反面ラフに扱えば、傷がつきやすい箇所でもあるので注意が必要です。
走行距離
一般論として、走行距離が少ない個体が好まれます。それはBMW M4(F82型)についても同様です。走行距離が少ない個体は人気がある分、それだけ高値になるケースが多いのですが、中古車選びの際には欠かせないポイントであることは事実です。
整備記録
BMW M4(F82型)も、初期モデルは4回目の車検を迎える個体も出てきました。複数のオーナーが所有してきたケースも増えつつあります。歴代オーナーがどれくらい手厚く面倒を見てきたかを知る基準として、整備記録の履歴や書類などがしっかりと残っているかがポイントとなります。この情報が残っていれば、多少過走行でもコンディションが良好である確率は高いでしょう。
タイヤの銘柄と摩耗具合
BMW M4(F82型)のようなハイパフォーマンスカーは、前オーナーの扱い方が如実に表れるポイントです。このクルマにふさわしい、ハイパフォーマンスタイヤを装着しているか、ある程度はタイヤの溝が残っているか、ゴムのひび割れや硬化が始まっていないか、高速コーナリングによるサイドショルダーの削れ具合など、それまでのクルマの扱われ方をチェックできるポイントとして有効に活用してください。
ホイールのガリ傷
駐車場が狭い、コインパーキングなどに停める機会が多かったなど、理由はさまざまですが、ホイールのガリ傷が多い個体は要注意です。歴代オーナーが運転に慣れていなかったか、運転自体がラフだった場合が考えられます。
気をつければガリ傷は回避できることが多いので、4本ともくまなくチェックし、ガリ傷の有無やその度合いを念入りに確認するようにしてください。
エンジンルームのキレイさ
例外なく、エンジンルームがきれいである個体は歴代オーナーに大切にされてきた証拠ともいえます。もちろん、中古車として店頭に並べる前にプロがエンジンルームをきれいに洗浄する場合もあります。
しかし、細部にいたるまできれいにする例はまれです。全体的に汚れが少なく、すみずみまで手入れが行き届いている個体は自然と分かるものなので、こちらも重視してみてください。
ボンネットやフロントバンパーの飛び石
BMW M4(F82型)のようなハイパフォーマンスカーであれば、高速走行を楽しむオーナーが多いことも事実。飛ばせば飛ばすほど、ボンネットやフロントバンパーには飛び石による傷があります。この傷が多い場合、歴代オーナーはかなりの飛ばし屋だったとみて間違いありません。
BMW M4 F82の維持費について
あくまでも目安ですが、BMW M4(F82型)を所有した場合の年間の維持費をまとめてみました。
| 項目 | 詳細 |
| 自動車税 | ¥50,000 (2,500cc超〜3,000cc以下) |
| 自動車重量税 | ¥16,400 (2t以下) |
| 自賠責保険 | ¥10,005 (2年間で¥20,010) |
| 任意保険 | ¥210,000 (車両保険込み) |
| ガソリン代 | ¥160,200 (年間8,000km、燃費9km/L、¥180/Lとして) |
| 駐車場代 | ¥180,000 (月額¥15,000として) |
| 合計 | ¥626,605 |
月額に換算するとおよそ53,300円。これに車検および法定2年点検、タイヤや油脂類などの消耗品、ローンの残債がある場合の金額が加算されていきます。
M4特有の維持費用（クラッチ交換費用、DCT故障時の修理費用など）
| 項目 | 詳細 |
| タイヤ交換費用 (4本同時) | ¥400,000〜 (フロント：255/40ZR18、リア：275/40ZR18) |
| ブレーキパッド交換費用 | ¥100,000〜 |
| クラッチ交換費用 | ¥350,000〜 |
| DCTオイル交換費用 | ¥120,000〜 |
| DCT故障時の修理費用 | ¥500,000〜 |
BMW M4 F82の普段使いにおける注意点
BMW M4(F82型)の普段使いについて
BMW M4(F82型)のボディサイズは全長×全幅×全高：4685×1870×1385mm。数あるクーペのなかでもセダンに近いボディデザインのため、ハイパフォーマンスカーのなかでは日常の足としても使えるクルマです。
また、大人が座れる空間を有するリアシートが備わっているため、ファミリーカーとしてもギリギリ使えます(ただし、ベビーカーの置き場所を確保するのが難しいので、幼児クラスのお子さんであることが前提です)。
さらに、多少のアレンジは必要ですが、フルサイズのゴルフバッグも2個までなら何とか載せることができます。
BMW M4(F82型)には、フロントバンパーに内蔵されたカメラによって前方の監視を行い安全なドライビングに貢献する「ドライビングアシスト」が標準装備されています。
この機構には、衝突の危険性が高まった際にドライバーに警告を発する「前車接近警告機能」、追突が不可避な場合ブレーキをかけ衝突を回避・被害の軽減を図る「衝突回避・被害軽減ブレーキ」、車線の逸脱をドライバーに警告する「レーン・ディパーチャー・ウォーニング」の3つの機能が含まれています。
さらに、歩行者検知機能の採用により、歩行者への接近に対しても、ドライバーへの警告と衝突回避・被害軽減ブレーキが作動するなど、安全装備も充実しています。
都市部や狭い道での運転には注意
BMW M4(F82型)の全幅は1.9m近くあるため、狭い道での運転はそれなりに気を遣う場面があるでしょう。
特にF82型のような抑揚のあるボディの場合、狭い道でのすれ違いなどでうっかりボディの側面やホイールなどをヒットさせてしまう可能性があるので要注意です。車両感覚がつかめるまでは狭い道に入り込むのは極力避けた方が無難です。
BMW M4(F82型)の燃費について
また、燃費についても、カタログ値で11.6km/L(6速MT)、12.2km/L(7速M DCT)となっています。実燃費は、乗り方にもよりますが9km/L台といったところ。
3リッター、直列6気筒DOHCツインターボエンジンであることを考慮してもまずまずの燃費といえます。街中の渋滞ばかり走っていると、エンジンやクルマにとってもストレスが掛かります。BMW M4のようなハイパフォーマンスカーであれば、空いている高速道路などを巡行し、エンジンをまわすようにしてください。
中古のBMW M4を賢く購入するためのアドバイス
BMW M4(F82型)の中古車選びの優先順位も、一般的なものとそれほど違いはありません。ただ、極端に大切にされた個体と、手荒く扱われた個体の差が大きいモデルであることも事実です。
- 修復歴の有無、板金塗装の度合い(できればクルマに詳しい人にも立ち会ってもらう)
- 内外装のコンディション(運転席周りをチェック)
- 走行距離(短い方が好まれます)
- 整備記録(残っていればいるほど可)
- タイヤの銘柄と摩耗具合(前オーナーの使い方が如実に表れます)
- ホイールのガリ傷(あまりに多い場合は要注意)
- エンジンルームのキレイさ(前オーナーの愛情度合いが測れるポイント)
- ボンネットやフロントバンパーの飛び石(飛ばしてきた個体は飛び石傷が多い)
定期的なメンテナンスが重要
BMW M4(F82型)のようなハイパフォーマンスカーは、トラブルが起こってから対応するのではなく、普段から「予防整備」を心掛けることが重要です。
オーナーと整備を担当するショップやメカニックが二人三脚となり、次の点検時に交換した方がよい部品、なるべく早めに交換した方がよい部品といった分け方を行い、早め早めの対策を講じることで、クルマのコンディションをしっかりと把握できます。
逆に、この作業を怠ったり、先送りにすればするほど、クルマのコンディションの良し悪し、さらには重大なトラブルが発生したときの費用にもかなり差が出てきます。一生モノとして所有する場合はもちろんのこと、いずれ乗り換えるとしても、貴重な個体を1台でも多く後世に残したいものです。
BMW M4の中古車選びに関して、ご不明な点やご相談事項がございましたら、お気軽にお問い合わせください。弊社の経験豊富なスタッフが丁寧に対応させていただきます。
