ジャガーFタイプの洗練されたスポーツカーの魅力について解説

プレミアムラグジュアリーセダンのイメージが強いジャガーが、リリースしているスポーツカー”Fタイプ”。過去のレースシーンで活躍してきたマシンに与えられてきた、特別な意味がこもった名前の系譜がジャガースポーツカー75周年を機に蘇りました。

ジャガーのスポーツクーペが放つ魅力的な美しさと、最後の内燃機関とされるジャガーエンジンの性能。多くのユーザーの志向に合わせたグレード構成。その魅力について紹介したいと思います。

目次

ジャガーFタイプはどんなクルマ?

ジャガーFタイプの歴史

 Fタイプはジャガーのスポーツカー75周年を記念してリリースされたモデルです。モデルネームの基となった「Eタイプ」はジャガーを象徴するスポーツカーであり、1961年3月のジュネーブ・モーターショーで初公開されました。レースで活躍してきた「Cタイプ」「Dタイプ」が築いたスポーティーなイメージを活かし「Eタイプ」の名前が与えられました。

ボディスタイルは、クーペとソフトトップのコンバーチブルのラインナップです。そのボディデザインは、マルコム・セイヤーが手掛けており航空力学を応用したフォルムです。アート・デザイン文化に影響を与えたとしてニューヨーク近代美術館(MOMA)に自動車として初めて永久収蔵品に選定されました。

その美しさから、当時はEタイプに乗ることがステータスとされ、多くのセレブリティに愛され憧れの存在となりました。もちろんレースでの活躍も華々しく、英国内のGTレースに参戦しデビュー戦で優勝するなどCタイプ、Dタイプの名を受け継いだだけではないことを証明しました。

FタイプもEタイプ同様のボディデザイン構成となり、クーペとソフトトップのコンバーチブルを設定しています。Eタイプのデザインを現代的に解釈し、復活させた形となっています。もちろん、デザインだけではなくパフォーマンスも現代的な解釈として、パワーユニットはダウンサイジングユニットからハイパフォーマンスユニットまで揃えており、パワートレインもAWD(四輪駆動)も用意しています。

競合車種との比較

Fタイプの競合車種としてポルシェ911ターボとメルセデスベンツAMG GTの2モデルを挙げます。一見すると競合しないように感じますが、Fタイプ“R75”の性能から見れば2モデルとも競合となります。

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その点を踏まえ、3モデルの押さえておきたいポイントを比較してみました。

Fタイプ911ターボAMG GT
全長4470mm4535mm4730mm
全幅1925mm1900mm1985mm
最高出力575PS580PS585PS

ボディサイズは、3モデルとも全幅に大きな差はありませんが、全長については意外なことにFタイプが一番短いことが分かりました。クーペを描く際にお手本となるような伸びやかなデザインは低く長く見えるため、数値以上の錯覚を起こすのかもしれません。

各モデルが誇るパワーユニットの最高出力はほぼ横並びになりますが、パフォーマンス向上に対するアプローチの仕方が異なります。

911ターボ、AMG GTに限らず多くのハイパフォーマンスカーはターボチャージャーを使用していますが、Fタイプはスーパーチャージャーを使用しています。そのため、リニアな加速が可能で、V型8気筒5Lエンジンがさらに大排気量に感じられます。

3モデルとも高出力を伝えるため、駆動方式は共通して4WDです。Fタイプは、軽快な乗り心地を優先するため、基本的にはトルク配分が後輪になっています。しかし、「インテリジェントドライブラインダイナミクス」を搭載しているため、前輪にトルクが必要となったときには前後輪に最適なトルク分配を行います。スポーツ走行や悪天候時にも前輪にトルクを分配し、クーペながらオールラウンダーな性能を持ちます。

ライバルと比べ、Fタイプの魅力ポイントとして挙げられる1つに車両価格があります。先に挙げた性能を持っているにもかかわらず2車と比べて約1,000万円お手頃な価格です。美しいボディデザインとパフォーマンスをライバルに比べ、手にしやすいのもFタイプの美点といえます。

ジャガーFタイプのその魅力とは

現在新車で購入ができるFタイプのグレード構成としては、燃費重視のダウンサイジングエンジンを搭載したグレード”P300”、V型8気筒エンジン搭載の中間グレード”P450”、ハイパフォーマンスグレード”P575”の実質3グレード構成となっています。

お気づきの方もいるかと思いますが、グレード名のPに続く3桁の数字は搭載したパワーユニットの最高出力を表しています。P300は、燃費重視のダウンサイジングエンジンと言いつつも、300PSもの出力を2Lエンジンで発揮しています。中間グレードのP450からは、V型8気筒の5Lエンジンを搭載しているため、あくまでもFタイプのラインナップ中では経済グレードといえます。

P450は唯一、後輪駆動か四輪駆動を選択できるグレードです。後輪駆動のスポーツカーらしい走りを大排気量で楽しむか、四輪駆動でパワーを確実に路面に伝えながらも天候を気にせずに性能を楽しむことが可能なグレードです。

P575は、他のハイパフォーマンスモデルに劣らない性能を体感できるグレードです。スポーツクーペモデルは、大排気量のみの設定となることが多いですが、自動車税が有利になる排気量が設定されている点も魅力といえます。

Fタイプに共通しているのは、素材にアルミを多用した高強度、高剛性ボディです。スポーツカーとしての高い性能を目指しボディを軽くすることでの運動性能とパワーウェイトレシオ、トルクウェイトレシオの向上を実現しました。インテリアはクラフトマンシップを感じさせる上質な空間で、ジャガーのセンスが光ります。

インテリアは、クラフトマンシップを感じられる上質な空間です。目の届く範囲には、ステッチで飾られたモダンなインテリアに違和感なく収まる最新鋭のデジタルデバイスが配置されています。

コックピットデザインは、ジェット戦闘機からインスパイアされており、直感的に操作できる配置と、視認性の高い計器類が用意されています。シフトポジションを選択するスポーツシフトセレクターは、航空機の操縦桿からインスピレーションされています。シートに身を預けると、五感が刺激され高揚感が湧いてきます。

走行性能の点でも、最新の電子デバイスを複数搭載して車両コントロールを行っています。”トルクベクタリングバイブレーキシステム”は全グレードに搭載されており、コーナリング時にはパワーを維持しつつ、コーナー内側の前後輪ブレーキを独立制御することで、安定したコーナリングを実現させました。

グレードによる装備差はありますが、コーナリングの立ち上がり時には”電子制御アクティブデファレンシャル”により最適なグリップ力を得られるようにトルク伝達を制御することで、タイヤが空転するようなタイトなヘアピンカーブも難なくクリアできます。

また、”コンフィギュラブルダイナミクス”搭載グレードでは、サスペンションのダンパー硬さはもちろんスロットル感度、ギアボックスのシフトポイント、ステアリングの重さなどの調整も可能となり、好みのセッティングを実現することができます。

ジャガーFタイプの新車、中古車価格の相場は?

新車の車両本体価格帯は、オプションを含まない状態で1,043万円から1,790万円になる3グレード構成です。また、世界限定150台の限定車であるZP エディションについては2,363万円となります。新車で販売されている同等の性能を有するスポーツクーペと比べた際、Fタイプは比較的求めやすい価格帯です。

Fタイプは、デビューした2013年モデルから現在までにいくつかのグレードをリリースしてきました。パワーユニットもマイナーチェンジでV型6気筒3L、6速マニュアルトランスミッションを設定していたタイミングもありました。現在流通している台数はカーセンサー調べでは66台となり、価格帯は340万円から1398万円、平均価格は755万円です。

400万円以下で販売されている価格帯の車両は、デビュー当初の2014年モデルが多く、最も走行距離が多い車両でも6.2万キロと問題ない範囲です。現在最も走行距離が多い車両でも6.9万キロで、極端に多い車両は流通していません。

流通台数で多い走行距離帯は1万~2万キロで、全体の約30%です。年式としては、初回車検の3年を迎えるタイミングで手放されたと思われる車両も多いです。走行距離が1,000~3,000キロの車両も多く流通しており、多くはディーラーの認定中古車です。展示車や試乗車として使用していた場合が多く、オプションアイテムを多く装着している車両が目立ち、お得な選択といえます。

途中まで設定があったV型6気筒3Lエンジンを搭載したモデルも多く流通しており、ランニングコストの自動車税を考慮すると、2Lエンジンモデルと合わせてバランスの良い選択です。

ジャガーFタイプはどんな方におすすめか?

Fタイプは、流麗な美しいクーペらしいデザインを求める方にこそおすすめしたいモデルです。ジャガーが過去にリリースしたクーペモデル同様、美しい曲線を描き、ハイパフォーマンスモデルでも、ボディラインを崩すようなアイテムを付加していない点は、デザインを最優先していると想像できます。

メーカー自身も最後の内燃エンジンを搭載したモデルと発信しており、モデルライフを通じて2L、3L、5Lのガソリンエンジンが設定されています。日本の自動車税設定を考慮した場合、細かく排気量が設定されているためユーザーとしては中古車市場を含めて選択しやすい環境となります。

美しいクーペを好む方にとって、求めやすい価格とランニングコストが魅力的なモデルといえるでしょう。

ジャガーFタイプの購入を検討されている方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。トップランクでは、プロのスタッフが最適な一台を見つけるお手伝いをいたします。オンライン商談も可能ですので、遠方の方でも安心してご相談いただけます。Fタイプに関するご質問やご相談も承りますので、ぜひご連絡ください。

 

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