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アメ車アレルギーに効くクスリを作りたい

 

 

久しぶりに
(いい加減ちゃんとやれ)

 

ブログを書いてみようと思います

 

それで今回は中央店の車ではないんですが

 

杉並店にシェルビーマスタングのGT500が入って来たらしく、今回はそんな話です

 

 

 

今回入庫したシェルビーマスタングは5代目マスタング
※初代に前期後期が存在してそれぞれを1代にするかどうかの議論があるので今回は5代目と表記します

 

 

 

 

3代目、4代目がかなり普通っぽいのでそれに比べるとかなりガラッと変えたデザインになってるんですが
これはフォードが打ち出したリビングレジェンド戦略に基づくものです

 

 

 

要はちょっとレトロなカクカクした少し古臭いデザインにあえて戻していくもので
世の中がイメージするアメリカンスポーツカーらしさを改めて打ち出していくことにしたわけです

 

 

 

マスタングをイメージするとまず浮かぶのは初代、そしてこの5代目が浮かぶ方が多いのではないでしょうか
現に初代をモチーフにしているのがこのモデルです

 

搭載するエンジンは5.8リッターのV8スーパーチャージャーエンジン、
力は662ps/87.2Kg/mという強烈なユニット

通常モデルであるGTは5.0のV8エンジンです

従来のハイパフォーマンスグレード、例えばAMGのような550と63のベースは同じでチューニングによって・・・

というものではないのがポイントです

 

 

そしてこの強烈なスペックをマニュアルっていうのがまた痺れます
乗りやすいかと言われるとバイパーのマニュアルを乗ったことがある私はそれに比べれば乗りやすい、けどw

 

 

ここまで出力が大きいとマニュアルは結構シビアでクセはあります(笑)

 

 

 

それで何故シェルビーと名がつくとこんなにも仕様を変えてくるのか
それはフォードにとって、【シェルビー】とは今のフォードのイメージを生み出した一つのきっかけであり大きな功績だから

 

 

1959年ル・マン24時間レースの覇者であるキャロル・シェルビーが引退後、創業したのがシェルビーアメリカン

 

当時のアメリカ車はモータースポーツの世界ではヨーロッパ車の足元にも及ばない性能で
そんな中でアメリカ産のパーツでヨーロッパ車に肩を並べることを目標に
イギリスのACカーズのシャーシーとフォードのエンジンを搭載した車を製造・販売、それがシェルビーコブラなわけです

 

 

なのでシェルビーアメリカンはチューニングメーカーではありません
あくまでも車の製造をしていたメーカーになります

 

 

もっと細かい経緯はあるんですが
当時、フォードは会社のイメージ向上にはモータースポーツでの成功が必要不可欠であると考えていました
特にステータスともいえるル・マン24時間レースでの優勝を目標にしたものの
現実は国内においても性能面で優位性のある車は作れておらずスポーツカーという分野においては世界の第一線からかけ離れた位置にいました

 

 

 

そこでヘンリーフォード2世をはじめとする上層部が
手っ取り早くモータースポーツの世界で成果を上げる方法として考えたのは覇者フェラーリの買収です

当時のフェラーリはル・マンで圧倒的な強さを誇っていたものの経営面では資金繰りに苦慮しておりそこに目を付けたわけです

 

 

 

ですがモータースポーツを続けるために市販車を作る生粋のアスリートであるエンツォ・フェラーリ

レース部門スクーデリア・フェラーリの存在を危うくする可能性があるフォードの買収案を拒否

 

 

エンツォは『お前らは醜い工場で醜いクルマを作ってろ』と

 

 

ちなみにフェラーリはその後フィアットグループに買収されます

 

 

 

普通ならすぐにでもモーターシーンで張り合いたいものですが
当時は後の伝説・フォードGT40もプロトタイプは完成していたもののレースを完走すらできない状況でした

 

 

 

そこでコブラでモーターシーンを席巻していたシェルビー・アメリカンにモータースポーツ部門を一任することを決定、
これが本当の意味でのフォード×シェルビーの始まりと言えます

 

 

その後GT40の改良を重ねていき

1966年にGT40がル・マンで表彰台を独占、世界にフォードの名を改めてレースシーンで知らしめることになります

 

まあこの辺は映画【フォードvsフェラーリ】を見てください(笑)

 

※少し事実と異なってる部分もあるので要注意

 

 

この時代には時速300㎞以上での闘いが繰り広げられているんですがそれは60年ほど前の話

そう考えると今の時代、技術の進歩を考えれば時速700㎞くらいで車が走ってないとおかしい気もしません?

 

 

 

 

 

まあ話は戻りますが

 

その過程でフォードはシボレーコルベットを打ち負かす為、スポーツカー・マスタングの販売を開始しているんですが
市販車の規格の中で執り行うロードレースにも参戦、もちろんここもシェルビーが主導しており

 

所謂、ホモロゲーションモデルの製造もしていくことになり、それがシェルビーマスタングというわけです

 

 

本題に入るまでが長すぎ。

 

 

その後モーターシーンでの戦績に比例するように人気が急上昇していたシェルビーマスタングも69年モデルを最後に製造を終了します

 

そしてシェルビーアメリカン自体も商標権をフォードに譲渡したのち解散をしています

 

つまりこのモデルもシェルビーの名がついていますが開発・製造はフォードが行っており当時の栄光とは一切関係がないようにも感じるわけです

 

 

ですがこの5代目シェルビーマスタングは開発から設計にキャロル・シェルビーが大きく関わっています

 

 

それだけでなく1969年モデルを以ってシェルビーマスタングの製造は終了していることから
伝説の復活という意味でも非常に意味のある世代です

 

 

 

 

キャロル・シェルビーは2012年にこの世を去っており永久に彼が関わる車はこの先、生まれません

 

 

 

次の世代もシェルビーマスタングは発売しています
ただ、当たり前ですがシェルビーは関与しておらずそしてGT500にはマニュアルの設定はありません

 

 

つまりはマニュアルにこだわればこの世代一択になってくるのです

 

 

 

スペックは現役バリバリの数値ですしノスタルジックな雰囲気もありながら、特に困るほどの古さはないように感じます
なんだか市場に出回る台数も少なくなってきたようにも感じます

 

恐らく円安が絡んでアメリカ戻しも多発しているかと

 

オシャレかどうかと言われると微妙

 

イタリア車みたいな芸術性があるかと言われれば微妙

 

ドイツ車みたいな最先端のクルマを体現しているかと言われれば微妙

 

ですけどこんなスペックでマニュアルのクルマ、アメリカ以外に作ってるとこあるのかと言えば?

 

それは皆無です

 

 

 

 

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