外車は燃費が悪いと思われている方が多く、さらにSUVとなれば極悪燃費と想像するでしょう。しかし、それも今は昔の話。現代の外車SUVは意外と燃費が良いことを、購入時と購入後の注意点を踏まえてお伝えします。
燃費性能に優れた外車SUV5選とその特徴
外車メーカー各社が多くのSUVをラインナップしています。その中から燃費の良いモデルをメーカー公表データで紹介します。今回の燃費を評価する上で基準としたのは諸元表に記載されている「WLTCモード」です。
WLTCモードは、燃費計測の国際的な試験方法で「市街地」「郊外」「高速道路」に分け、実際の走行条件に近い環境で燃費性能を測定します。
コンパクトSUVクラスの低燃費モデル
コンパクトSUVは都市部での取り回しが良く、燃費性能も優れています。具体的なモデルをいくつかご紹介します。なお、このクラスはほとんどが2WDのみの設定となります。
第1位 22.8km/L ルノー キャプチャー
コンパクトSUV唯一のフルハイブリッドシステムを搭載したガソリン車になります。
排気量は1.6LとコンパクトSUVの中では一番排気量が大きく、ミッションも他車と比べて段数が少ないもののフルハイブリッドシステムにより低燃費を実現しました。
第2位 21.3km/L シトロエン C3エアクロス(ディーゼル)
ディーゼルターボエンジン+6ATを搭載したC3エアクロスが2位となりました。
ハイブリッドシステムを使用せず、ディーゼルエンジンならではの低回転から発生するトルクを6ATで走らせることで低燃費を実現しています。
なお同モデルのガソリン仕様は1.2Lのダウンサイジングターボで、16.7km/Lとなります。
第3位 20.8km/L プジョー 2008(ディーゼル)
ディーゼルエンジンが再びランキング上位に入りました。ディーゼルターボエンジン+8ATとC3エアクロスよりも多いギア数ですが、僅差で及びませんでした。
2008もガソリンモデルが用意されています。1.2Lのダウンサイジングターボで、17.1km/Lとなります。因みに今回調べたコンパクトSUVのハイブリッドではないガソリンモデルとしては、最も低燃費です。
その他のコンパクトSUVとしては、フォルクスワーゲン T-Cross、Jeepレネゲード、フィアット 500Xがあります。多くのモデルは、ガソリンモデルのダウンサイジングターボに6速以上のトランスミッションを組み合わせています。
またJeep初のコンパクトSUVであるレネゲードには、マイルドハイブリッド仕様もラインナップされており、力の入り具合を物語っています。
今回、上位3車種をフランス車が占めました。
これは、フランスメーカーは従来からコンパクトカーを作るのが得意だったこともありますが、フランス車の想定する走行シーンがWLTCモードに合ったセッティングになっていたのも要因と考えられます。
ミッドサイズSUVで低燃費モデル
ミッドサイズSUVはバランスの取れた性能と燃費の良さが特徴です。おすすめのモデルをピックアップします。
第1位 22.8km/L ルノー アルカナ
このクラスでも、ルノーのフルハイブリッド搭載車が最も低燃費となりました。
コンパクトクラスのキャプチャーと同様のパワーユニットシステムを搭載しており、車体の大きさと重量から若干燃費が悪くはなっていますが、満足のいく結果となるでしょう。
なお、ガソリンモデルもキャプチャーと同仕様となり、17km/Lになります。
第2位 18.6km/L フォルクスワーゲン T-Roc(ディーゼル)
このクラスでもディーゼルエンジンはフルハイブリッドシステム搭載車に並び、良い燃費を記録しています。
フォルクスワーゲンは独自のディーゼルエンジン“TDI”と、クラッチを用いて伝達ロスを低減させた7速のDSGを搭載して燃費対策をしています。T-Rocもガソリンモデルもラインナップされており、こちらもダウンサイジングターボで15.5km/Lになります。
第3位 18.1km/L メルセデスベンツ GLC(ディーゼル)
続いてもディーゼルエンジン搭載車となりました。GLCはディーゼル+マイルドハイブリッドに9速ATが搭載されています。また、駆動方式は上位2車種が2WDに対して、GLCは4WDモデルとなっています。
GLCもガソリンエンジンを用意していますが、燃費よりもパワーを優先したモデルとなるため、燃費は振るわない結果となります。
ミッドサイズSUVは各社力を入れていることもあり、一番モデル数の多いジャンルとなります。今回調査したところ7メーカー10車種と競合多数となります。
上位3車種以外の燃費分布は11.8~16.6km/Lとなり、半数以上は15km/L以上の結果となりました。このクラスは、ライバルも多いため各社が様々なアプローチのパワーユニットを搭載しているのが非常に興味深いです。
レンジローバー イヴォークはディーゼルにマイルドハイブリッドを組み合わせ、かつ9速ATも搭載するという豪華ぶりを見せます。Jeep コンパスは11.8km/Lと燃費の結果は振るいませんが、使用燃料がレギュラーガソリンという点は、他社がハイオク(プレミアム)ガソリン指定の中においてランニングコストの面では有利です。
大型SUVながら優れた燃費性能を持つモデル
大型SUVでも意外にも燃費性能に優れたモデルが存在します。これらの車種の魅力と特徴を見てみましょう。このクラスは本格的な4WDが標準装備となっています。その点を踏まえてみていきます。
第1位 14.5km/Lアウディ Q5(ディーゼル)
2Lのダウンサイジングターボディーゼルと7速ATの組み合わせで、過去には考えられない燃費を実現しています。
Q5はSモデル以外、同じディーゼルエンジンを搭載しています。
なおガソリンエンジン搭載のSQ5の燃費は11km/Lとなります。
第2位 14.3km/L ボルボ XC90(ガソリン)
Q5に僅差で及ばないものの、ガソリンエンジン+プラグインハイブリッドと8速ATを搭載し、他と異なるパワーユニットが非常に興味深いモデルです。
プラグインハイブリッドのため、充電が可能な環境であれば、ランニングコストがかなり抑えられます。
第3位 14.2km/L メルセデスベンツ GLE(ディーゼル)
上位2車種とは異なるパワーユニットの2Lディーゼルエンジン+マイルドハイブリッドシステムと9速ATの組み合わせです。GLEはグレードごとに排気量を分け300dは2L、450dは3Lとなります。
上位3車種ともパワーユニットやアプローチは違いますが、燃費は従来の大型SUVと比較するとどのモデルも大幅に改善されています。
このクラスでは、ディーゼル+マイルドハイブリッドを搭載したモデルが多く、BMW X5も3Lモデルを設定しています。プレミアムモデルも多くある大型SUVクラスは、各社が様々な新技術やアプローチをしていて非常に活気があります。
外車の低燃費を実現する最新技術と仕組み
ダウンサイジングターボエンジンの効果
今回紹介した車種の多くに採用されているのは、ダウンサイジングターボという技術です。
これは従来の高回転域で性能を発揮するターボとは異なり、小さな排気量のエンジンをカバーするため低回転域からターボが過給を行い、大排気量相当のトルクを発生させます。
従来の外車は大排気量が多数でしたが、近年は2リットル以下で従来と同等の高トルク、高出力を実現しています。
ハイブリッドシステムの進化と燃費向上
ハイブリッドシステムは日本のお家芸的な技術ではありましたが、海外メーカーの多くも追従して開発に力を入れています。
多くの車両にマイルドハイブリッドが採用されており、フルハイブリッドやプラグインハイブリッドも増えています。今回もっとも低燃費だったルノーのフルハイブリッドに続いて更なる進化が行われていくことでしょう。
空力性能の改善
SUVはそのボディーサイズから投影面積が大きく空気抵抗が大きいイメージを持っていると思います。
現在、コンピューター解析により空力性能は大幅に改善されています。加えて、SUVでもクーペスタイルのモデルが増え、従来のSUVとは異なるデザインアプローチが空力性能向上へ良い影響を与えています。
ディーゼル車の普及
欧州車において、ディーゼルエンジンは得意分野であり多くのメーカーが車両に搭載しています。今回調べたモデルの約4割がディーゼルエンジンをパワーユニットの主体としていました。
特に高速道路といったシチュエーションで燃費性能が良いディーゼルエンジンにマイルドハイブリッドなどを組み合わせ、走行シーンの全域をカバーしようとしているのが伺えます。
ミッションの多段階化
ミッションの多段階化が進んでいます。中でもメルセデス・ベンツが最も多段階化を進めており9速ATを多くのモデルに設定しています。
また、従来のオートマチックだけではなく、クラッチを用いてエンジンの動力をロスなく伝達させる構造となっています。そのため、燃費改善につながる手法の一つとして採用しているメーカーが多くあります。
外車SUV選びで注意すべきポイント
実燃費と公表燃費の差を考慮した比較
今回紹介した燃費のすべては、メーカーから発信されている諸元表に記載された公称燃費になります。
実際の走行モードを想定して測定されていますが、車の使われ方や運転の仕方、走る場所によって燃費は大きく左右されます。
信号の多い都心部では、ストップ&ゴーが多いため公称燃費より悪くなってしまう傾向があります。信号が少ない地域や高速を主体として走る方は公称燃費よりも良い結果が出ることも多々あります。
ストップ&ゴーが多い場所ではハイブリッドが有利で、高速やバイパスをよく走る人にとってはディーゼルが向いています。普段の走行パターンを考え、自分に合ったパワーユニットを搭載したモデルを選ぶのが良いでしょう。
メンテナンスコスト
車に乗る上で重要なのはメンテナンスです。距離を重ねた際、適切なメンテナンスを行わないと燃費も悪化します。
走行距離や使用頻度などによってメンテナンスの内容や頻度も変わります。基本的なオイル交換もエンジンの種類によって使用オイルや量が異なるため、メンテナンスコストがどれくらいかかるかを事前に把握しておくことが重要です。
部品の調達方法の確認
新しいモデルでは大きな心配はありませんが、少し古いモデルでは故障時の部品調達が難しい場合があります。輸入車の場合国内の部品在庫が常にあるとは限らないため、本国から輸入するケースもあります。
購入を検討している車両が少し古いモデルの場合、購入を考えている店舗やメーカー、専門店へ事前にメンテナンスの相談をしておくことで現在の部品状況なども把握することができるでしょう。
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