現在では数多くのモデルバリエーションが存在するXシリーズにおいて、最初のモデルが初代BMW X5でした。実はデビューしたタイミングも、ポルシェカイエンやフォルクスワーゲントゥアレグ(いずれも2002年にデビュー)よりもBMW X5の方が2年早く、いかにBMWに先見の明があったかが分かります。
今回は、BMWワールドの新たな扉を開いた1台ともいえるBMW X5の歴史や特徴、リセールバリューなどについて紹介します。BMW X5を購入する方にとって役立つ情報をまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
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BMW X5の概要
以下ではBMWX5の開発背景や歴代モデル、また市場における位置づけについて解説します。
BMW X5の開発背景
BMW X5は、優れたオフロード性能と路面での高いパフォーマンスを融合した「スポーツアクティビティビークル(SAV)」として2000年にデビュー。BMWでは、X5を「SUV」とは呼称せず、当初からSAVというスタンスだったのです。
乗用車系のプラットフォームをベースにしたモノコックボディを採用、室内もセダンとは比較にならないほどの空間を持ち、さらにアイポイントが高めに設定されたドライビングポジションが特徴なSAV。
シンプルに表現すると「より重心の高いステーションワゴン」という位置づけです。このアプローチが他のメーカーのSUVとの違いともいえるのです。
BMW X5の歴代モデル
デビュー以来、BMW X5は途切れることなくモデルチェンジを重ねており、現在は4代目にあたります。
- 初代:BMW X5(E53型) 2000年10月~2007年5月生産終了
- 2代目:BMW X5(E70型) 2007年6月~2013年10月生産終了
- 3代目:BMW X5(F15型) 2013年11月~2019年1月生産終了
- 4代目:BMW X5(G05型) 2019年2月~生産中
なお、現行モデルにあたる「G05型」は、エクステリアおよびインテリアデザインをよりモダンなデザインとし、BMWらしい乗り味へのこだわりと、高い実用性を兼ね備えています。
BMW X5の市場における位置づけ
BMW X5の市場における位置づけは「BMWが誇るオールラウンダーな1台」といえるでしょう。オンロード/オフロードを問わず、また天候を気にすることなく、あらゆる道を走破できるスペックの持ち主。
そして、BMWを象徴するコピー「駆け抜ける歓び」を味わえる味付けも色濃く感じられる、BMWを心から愛するユーザーにとっては理想的なモデルです。
メルセデスベンツほど落ち着きすぎておらず、ポルシェほど派手でもない。そしてアウディほどとがってもいない。さりげなく、そしてセンス良く、オーナーのライフスタイルを映し出してくれるBMWが誇るSAV、それがBMW X5というモデルなのです。
BMW X5のパフォーマンスと駆動性能
では、BMW X5の各モデルのスペックを比較してみましょう。
- 直列6気筒DOHCディーゼル+モーター
- 排気量:2992cc
- 最高出力:340ps
- システムトータル最高出力:352ps
- 0-100km/h加速:5.6秒
- 燃費(WLTCモード):12.1km/L
- 直列6気筒DOHCターボ+モーター
- 排気量:2997cc
- 最高出力:313ps
- システムトータル最高出力:489ps
- 0-100km/h加速:4.8秒
- 燃費(WLTCモード):10.1km/L
- V型8気筒DOHCガソリン+モーター
- 排気量:4394cc
- 最高出力:530ps
- システムトータル最高出力:530ps
- 0-100km/h加速:4.3秒
- 燃費(WLTCモード):8.5km/L
- V型8気筒DOHCガソリン+モーター
- 排気量:4394cc
- 最高出力:460ps
- システムトータル最高出力:625ps
- 0-100km/h加速:3.9秒
- 燃費(WLTCモード):7.8km/L
4代目BMW X5では、先代モデルに比べて、車両前方の骨格に高張力鋼板をより多く使用し、強度を高めながら約15.5kgの軽量化を実現。
足廻りには、スチール製のサスペンションを採用し、M スポーツモデルでは各ホイールに設置されたセンサーで路面の状況や荷重を検知して、ホイールごとの高さを自動調整する「4輪アダプティブエアサスペンション」をXモデルとして初めてオプション設定し、オフロード性能が向上しています。
BMW X5のデザイン・利便性
次にBMW X5のデザインや利便性について紹介します。
BMW X5のデザインの特徴
BMW X5のエクステリアデザインは、ラグジュアリーモデルに相応しい存在感やダイナミズム、そして堂々とした佇まいに加えてスポーティさを強調したデザインを採用しています。
ヘッドライトは、フロントデザインを象徴するもののひとつであり、BMWモデルとしては初採用となる矢印型のデイライト機能を有したLEDヘッドライトを採用。
フロントバンパーは大型化され、さらにプラグインハイブリッドモデルは、暗闇で光を放つ「アイコニックグローキドニーグリル」を採用し、夜間における存在感をアピールします。
そしてリアは、X字型LEDコンビネーションライトにより、力強さと同時にこのクルマがXモデルであることを表現しています。
BMW X5の利便性
ドライバーに必要な情報を適切なタイミングで伝えることをコンセプトにした新しいBMWの表示・操作システム「BMW Operating System 7.0」を導入。
自分用にカスタマイズすることが可能な10.25インチのコントロールディスプレイおよび12.3インチのフルデジタルメーターパネルを装備しています。
また、コントロールディスプレイは、
- ステアリングホイールのボタン
- センターコンソール付近に配置されているiDriveコントローラー
- タッチ操作に対応したディスプレイ
- 音声コントロールおよびジェスチャーコントロール
を装備し、状況に応じてドライバーがもっとも操作しやすい方法で、必要な情報や設定にアクセスすることが可能な設計となっています。
BMW X5に搭載されているテクノロジー
BMW X5には快適に運転を実現するために以下のテクノロジーも搭載されています。
- 安全運転をサポートするシステム
- ドライビング・ダイナミクスを向上させるシステム
- 快適な運転をサポートするシステム
- BMWインテリジェントパーソナルアシスタント
それぞれについて解説します。
安全運転をサポートするシステム「ドライビングアシストプロフェッショナル」
高性能カメラ&レーダーおよび高性能プロセッサーによって精度と正確性が向上した運転支援システム「ドライビングアシストプロフェッショナル」を標準装備しています。
具体的には以下のような機能を標準装備しています。
- アクティブクルーズコントロール(ストップ&ゴー機能付)
- レーンチェンジウォーニング(車線変更警告システム)
- レーン・ディパーチャー・ウォーニング(車線逸脱警告システム)
- ステアリング&レーンコントロールアシスト
- レーンチェンジアシスト
- サイドコリジョン・プロテクション
- 衝突回避・被害軽減ブレーキ(事故回避ステアリング付き)
- クロストラフィックウォーニング
- ペダル踏み間違い急発進抑制機能
また、35km/h以下で車両が直前に前進したルート最大200mまでを記憶し、その同じルートをバックで正確に戻ることが可能となる「リバースアシストプロフェッショナル」を装備。
日本に多数点在する細い道での対向車とのすれ違いに困った際など、安全かつ正確に元のルートに復帰することが可能な機能です。
ドライビング・ダイナミクスを向上させるシステム
他車を圧倒する走行性能、あらゆる運転状況における抜群の安定性、シャープなハンドリング、そして優れた乗り心地。これらの要素を実現させるべく、BMW X5にはさまざまなシャシーテクノロジーが採用されています。
「オートマチックセルフレベリングコントロール付きアダプティブ2アクスルエアサスペンション」および「アダプティブMサスペンションプロフェッショナル」は、それぞれのモデルの特性に応じた、快適で安全なハンドリングを実現。
また、BMW X5 M60i xDriveには、卓越性とハンドリング快適性を高める「インテグレイテッドアクティブステアリング」は、走行快適性と長距離ドライブの快適性を実現しています。
快適な運転をサポートするシステム
BMWが国内認可取得モデルとして初めて導入した「ハンズオフ機能」を搭載しています。この「ハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能」は、高速道路での渋滞時において、ドライバーの運転負荷を軽減し安全に寄与する運転支援システムです。
この機能はドライバーが絶えず前方に注意するとともに、周囲の道路交通や車両の状況に応じて直ちにハンドルを確実に操作することができる状態であれば、一定の条件下においてステアリングから手を離しての走行が可能*となります。。
*SAE International(Society of Automotive Engineers)が定めるレベル2の段階であり、自動運転ではなく、前方注視が必要となるなど、ある一定の条件が必要です。
BMW Intelligent Personal Assistant(インテリジェントパーソナルアシスタント)
BMWインテリジェントパーソナルアシスタントは、AI技術を活用することで、音声会話だけで車両の操作、情報へのアクセスが可能となる機能です。
今までの音声入力と異なり、より自然な会話に近い言葉で、ドライバーの指示や質問を理解し、適切な機能やサービスを起動可能にするだけでなく、使用頻度に応じてドライバーの好みを学習してくれます。
また、オーナーがシステムの名前を自由に付けることが可能です。例えば、BMWインテリジェントパーソナルアシスタントを起動する際、「OK, BMW」だけでなく、呼びかける言葉を任意に設定することが可能なユニークな機能といえるでしょう。
BMW X5のモデルバリエーションと価格帯
2024年2月現在、BMW X5のラインナップおよび車両本体価格は以下のとおりです。
モデル | 価格 |
---|---|
BMW X5 xDrive40d M Sport | ¥12,900,000 |
BMW X5 xDrive50e M Sport | ¥12,600,000 |
BMW X5 M60i xDrive | ¥15,200,000/¥15,683,000 |
BMW X5 M Competition | ¥19,857,000 |
現在はディーゼルエンジン、ガソリンエンジン、そしてガソリンエンジンのハイパフォーマンス(Mシリーズ)モデルの5グレード展開となっています。いずれもモデルも、車両本体価格が1000万円を軽くオーバーする高級車です。
BMW X5の競合車種との比較
では、BMW X5の競合車種となりうる各メーカーのSUVモデルの主なスペックを元に比較してみましょう。
- 全長×全幅×全高:4935×2005×1770mm
- ホイールベース:2975mm
- 直列6気筒DOHCターボ+モーター
- 排気量:2997cc
- 最高出力:313ps
- システムトータル最高出力:489ps
- 価格:¥12,600,000
- 全長×全幅×全高:4940×2020×1715mm
- ホイールベース:2935mm
- 直列6気筒DOHCディーゼル+モーター
- 排気量:2988cc
- 最高出力:367ps
- システムトータル最高出力:387ps
- 価格:¥14,800,000
- 全長×全幅×全高:5065×1970×1705mm
- ホイールベース:2995mm
- V型6気筒DOHCターボ
- 排気量:2995cc
- 最高出力:340ps
- 価格:¥11,180,000
- 全長×全幅×全高:4930×1983×1696mm
- ホイールベース:2895mm
- V型6気筒DOHCターボ+モーター
- 排気量:2995cc
- 最高出力:304ps
- システムトータル最高出力:470ps
- 価格:¥13,950,000
端的に表現すると、BMW X5プラグインハイブリッドモデルでありながら、他のモデルよりも車両本体価格が抑えめです。
エンジン+モーターを掛け合わせたシステムトータルの最高出力ももっともパワフルです。コストパフォーマンスが良いという表現を用いることに抵抗はあるものの、性能に対するBMW X5の車両本体価格設定が比較的良心的であることがお分かりいただけるのではないでしょうか。
BMW X5のリセールバリュー
では、2024年2月現在、BMW X5のリセールバリューはどのくらいなのでしょうか。大まかな目安としては以下となります。
リセールバリュー(年間走行距離は1万キロ未満、事故歴なしとして)
- 初年度登録から1年:73%〜76%
- 初年度登録から3年:50%〜55%
- 初年度登録から5年:28%〜35%
- 初年度登録から7年:24%〜27%
一般的にSUVモデルのリセールバリューは比較的高値が期待できますが、BMW X5は多少低めです。その理由として、BMW X5には、日本車をはじめ、欧米のあらゆるプレミアムブランド、ラグジュアリーブランドにおける競合車種の多さ=選択肢の多さが挙げられます。
BMWをこよなく愛するユーザーにとってBMW X5は魅力的な存在ですが、さまざまな選択肢のなかから自分の理想とするSUVモデルを選びたい場合、あまりにもライバルが多すぎるのです。
また、全長×全幅×全高:4935×2005×1770mmという、かなり大柄なボディサイズも乗り手や使用環境を選びます。大きなクルマの運転に慣れている方でなければ躊躇してしまう大きさなのです。これが都市部など、道が狭かったり、交通量が多い場所で使用するとなればなおさらです。
特にコインパーキングや、設計が古い施設の駐車場は自動車の規格そのものがあっていないため、止めるのも難儀するどころか、クルマが大きすぎて止められないという可能性もあります。日常の足としても購入を検討している場合は、ご自身の生活環境(よく立ち寄る場所)も加味してみてください。
BMW X5はどんな人におすすめか?
最後に、BMW X5をおすすめしたいユーザー像を考察してみましょう。
「BMWというブランドに対してシンパシーを抱き、なおかつ同社のクルマ造りに共鳴している」、「スポーツモデルやセダン/ステーションワゴンではなくとも、そして重心が高いクルマであっても“駆け抜ける歓び”を享受したい」方にこそおすすめしたい1台です。
あるいは、BMWのクルマが持つ感性が肌にしっくりくる、さりげなく上質かつハイブランドのモデルを所有したい。自他ともにクルマ好きではない、自身のライフスタイルを体現するアイテムのひとつとしてBMW X5を愛車に選ぶ…という選択肢も大いにありだと考えます。
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