ブレーキ操作時に、「キィー」という高音や金属が擦れるようなスキール音が発生することがあります。これらの音は、ブレーキパッドの摩耗による警告音として現れる場合もあれば、湿気や温度変化による一時的なブレーキ鳴きとして発生するだけの場合もあります。
本記事では、ブレーキ使用時に発生する代表的な音の種類、考えられる原因、そして放置した場合に起こり得るリスクについて詳しく解説します。
ブレーキ作動時に発生する音の主な原因
ブレーキパッドが大きく摩耗すると、パッドウェアインジケーターと呼ばれる金属片がローターに接触し、意図的な警告音として「キィー」という金属音を発します。これは残量が限界に近づいていることを知らせる仕組みで、早めのパッド交換が必要です。
一方、パッドやローターの表面に湿気が付着したときや、低温時の初期作動では、「摩擦が安定するまで一時的に発生するブレーキ鳴き（スキール音）」が聞こえることがあります。これは構造上避けられない現象で、走行によって温度が上がるとほとんどの場合は自然に収まります。
走っても音が消えない場合は点検を
本来、湿気や低温が原因のブレーキ鳴きは、走行してパッドとローターが適温に達すると収まることがほとんどです。しかし、走行後も金属音や高い擦過音が続く場合は、パッド残量の不足やローターの摩耗が進んでいる可能性が高く、早急な点検が必要です。
異音を放置すると、摩耗したパッドの金属部分がローターを傷つけ、最終的にはローター自体の交換が必要になるケースもあります。ローター交換はパッド交換に比べて費用がかかるため、早めの対応が結果的に負担を軽減します。
さらに、音以外にも「ペダルの踏みごたえが変わった」「制動距離が伸びている」「ブレーキを引きずるような感覚がある」などの症状がみられる場合は、ブレーキ系統全体にトラブルが発生しているサインです。こうした変化に気づいたら、深刻な不具合につながる前に点検を受けることをおすすめします。
ブレーキペダルを踏んだときの異音を放置するとどうなる？
ブレーキ操作のたびに「キィー」という高音や金属音が続いていても、クルマ自体が動くために「まだ大丈夫だろう」と判断してしまう人もいます。しかし、このような継続的な異音の放置は非常に危険です。
ブレーキパッドの摩耗が進むと、摩擦材が薄くなり、最終的には金属部分がローターに直接当たってしまいます。その結果、ローター表面に深い傷が入ったり、歪みが生じたりして、ローター交換が必要になるケースも珍しくありません。ローター交換はパッド交換よりも費用が高くつくため、早期点検が経済的にも安全面でも重要です。
また、音だけでなく、「ペダルを踏んだときの抵抗感の変化」「制動距離が以前より長い」「ブレーキを引きずるような感覚」などが現れている場合は、ブレーキ系統全体に不具合が広がっている可能性があります。
「いつもと違う」と少しでも感じたら、早めに販売店や整備工場でブレーキまわりを点検してもらいましょう。異音の原因を放置すると、安全性の低下だけでなく、修理費用が大きく膨らむリスクがあります。
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ブレーキは、クルマの速度を落としたり確実に停止するための最も重要な安全装備です。走行性能だけでなく、「しっかり止まれること」がドライバーに安心感を与えます。
ブレーキ操作時の金属音や違和感は、制動力の低下につながる前兆であることがあります。異音が続く、ペダルの感触が変わったなど、少しでも不安材料がある場合は早めの点検が欠かせません。
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