タイヤの脱着・交換を自分でやるのは危険!?

寒い季節の訪れと共にスタッドレスタイヤへ交換するという方は多いかと思います。特に洗車やカスタマイズといった愛車に触れることを楽しむオーナーにとっては、スタッドレスタイヤへの交換も愛車との時間を楽しむ1つのイベントともいえるかもしれません。

しかし、簡単なイメージがあるタイヤ交換ですが、正しい作業を行えなくては事故に繋がります。今回はタイヤ交換に必要なアイテム、重要なポイントについて改めて確認します。

目次

タイヤを脱着交換するタイミングはいつ?

タイヤの脱着交換という経験は、人によっては一度もすることが無いかもしれません。ただ、想定される脱着タイミングはこのように存在します。

パンクの時

道路を走っている以上、パンクのリスクは常に隣り合わせです。いつもの道をいつも通り走っていても、突然パンクというアクシデントに遭遇することも考えられます。パンク修理キットの搭載車は多くなってはいますが、スペアタイヤ搭載車では脱着が伴います。

スタッドレスタイヤへ交換の時

季節を問わず遠くへ出かける機会が多い方や路面凍結や降雪地域を走る機会がある場合、季節に合わせたタイヤ選びとして、冬季シーズン前に交換する事となるのがスタッドレスタイヤです。

冬の寒さが落ち着き、路面凍結の心配がなくなったタイミングでスタッドレスタイヤからいわゆる「夏タイヤ」へと履き替える際にも脱着を伴い、年間2回タイヤの脱着・交換の機会が存在します。

タイヤ交換を自分でするには?

スタッドレスタイヤへの交換の様に、定期的に脱着する機会が訪れる場合は、自身での交換作業を考えることもあるでしょう。その際に必要となる工具や作業条件について紹介します。

工具の準備

交換作業をする上で必要となるのは、きちんとした工具類です。特に車両からタイヤセットを取り外す作業を伴うため、信頼できる工具を揃えることが基本です。

タイヤを車両から脱着する上で必要となる工具は、基本的には以下のものです。

タイヤを車両から脱着する上で必要となる工具
  • タイヤストッパー
  • ジャッキ
  • ウマ
  • レンチ
  • トルクレンチ

挙げた各工具の役割について説明します。

タイヤストッパー

車両をジャッキアップする際、地面と接触している場所のタイヤに設置します。タイヤが回転しないように抑止することで、ジャッキアップ中に前後へ動いてバランスを崩すことが防げます。

ジャッキ

ジャッキにはいくつかの種類が存在します。車載工具のジャッキの多くは、クランク型のハンドルを回し、1カ所のタイヤを地面から浮かすことが可能です。基本的にはパンクした際に使用する、緊急時の工具と思った方が良いです。

そのため、ジャッキサイズも収納を考え細身となっており、安定感が良い作りではありません。タイヤがパンクした等の緊急時以外は使用する事をお勧めしません。

ジャッキでのオススメは油圧タイプです。整備工場などで使用している物を思い浮かべていただければイメージしやすいでしょう。一般的なDIYで使用するジャッキは「ガレージジャッキ」の名称で売られている小型のものです。

カー用品店やホームセンターで購入する事は可能です。小型なため、持ち運びがしやすいサイズになっていますが、持ち上げることが可能な重量はさほど大きくありません。また、車両の最低地上高が低い場合、ジャッキを潜らせる事ができない場合もあるため、購入する際は、ご自身の愛車の重量や車高の高さを確認して購入することが重要です。

また、ガレージジャッキをかけて良いジャッキアップの箇所は、車両ごとに異なる点も注意が必要です。

リジットラック(ウマ)

ガレージジャッキで車両を持ち上げた状態では不安定なため、安全面を考慮して作業を行うのはご法度です。持ち上げた状態を維持するために「リジットラック」通称「ウマ」と呼ばれる工具の上に車両を乗せます。

そうすることで車両を安定して保持させることができます。ただし、このリジットラックに乗せる箇所も車両ごとに決まっており、誤った箇所に乗せた場合、部品の破損もしくは車両自体の損傷を発生させる恐れがある点に注意が必要です。

レンチ

ボルトやナットの脱着をする上で必要となるレンチは、十字形状のものがタイヤ交換をする際には一般的です。車載工具では、L字形のレンチが積載されていますが、作業性を考えると十字形レンチの方が適しています。

十字レンチは4箇所それぞれ異なるサイズが設定されているため、装着されているボルト・ナットのサイズに合わない事は滅多にありません。しかし、一部装着されているホイールによってはボルト・ナットとホイールとの隙間が狭く、工具が入らないケースもあります。

その際には「薄口」の十字レンチも販売されているので、自身の愛車に対応するものを選ぶ必要があります。

トルクレンチ

タイヤを脱着した後は、規定のトルクでボルト・ナットを締めなくては危険です。タイヤのボルト、ナットの締め付けトルクは高く設定されています。トルクレンチを用いずに手の感覚で締め付けた場合、想定より低いトルクになっているケースは多いです。

しかし、稀に高いトルクで締め付けを行うために体重をかけて締め込むなどの方法が話題に上がりますが、この場合規定のトルク以上のオーバートルクとなってしまいます。オーバートルクの場合、ボルト・ナットの寿命を縮めてしまいます。また次回外す際に外れないというトラブルにも発展してしまいます。

このような締め込みが足りない、オーバーしてしまうといったトラブルを避けるため、トルクレンチを用いて、適切なトルクでの締め付けが安全への重要な方法です。

安全な作業スペースの確保

作業をする上で必要なのは、安全に作業を行えるスペースの確保です。理想的なスペースは、アスファルトやコンクリートで整地されたフラットな傾斜のない場所です。

またタイヤの脱着とジャッキアップを行うため、車両の前後左右にもスペースがあるのが望ましいです。マンションや月極の駐車場を利用している場合、そのようなスペースを確保する事は難しくなってしまいます。

簡単に見えるのは大間違い!実は危険を伴う重労働!

タイヤの脱着作業は、動画などで作業手順を見た印象ではさほど難なく行えるように感じると思います。しかし、実際の作業では想像以上にハードな内容です。その理由について紹介します。

タイヤとホイールのセットは重量物

タイヤやホイールを実際に手にしたことがある方はその重さに驚いたかと思います。18インチのセダン向けコンフォートタイヤ単品での1本あたりの重量は約11キロ、純正ホイール単品での重量も約11キロです。合わせたセット重量は約22キロです。

約22キロあるタイヤホイールセットを車両から外して取り付ける作業では、重いタイヤを持ち上げる動作が何度も必要になります。スタッドレスタイヤへの交換では、この作業を4箇所分繰り返すため、身体への負担は決して小さくありません。

モデルによって異なる取り付け方

車両へ取り付けるにあたって、大きくは国産車と輸入車で取り付け方式が異なる点の理解が必要です。国産車の一部モデル以外は、車両側からボルトが出ているタイプが一般的です。このタイプはホイールをナットで締めるため「ナット式」と呼ばれます。

欧州車の多くは逆の構造を採用しています。車両側に穴が開いているタイプとなり、ホイールをボルトで締めるため「ボルト式」と呼ばれます。この2つの方式については、各々想定される使用環境への考え方やメンテナンス性などを考慮して採用されています。

タイヤの脱着を行う観点からは、国産車で採用されている「ナット式」の方が作業性の点では利便性が高いです。その理由として、車両側から出ているボルトの位置とホイールの穴位置を合わせることで、簡単に装着位置を合わせることが可能です。

「ボルト式」は車両側に穴が開いている状態のため、ホイールの取り付け位置を合わせることに難儀します。そのため「ナット式」のように位置決めをしやすくするための特殊工具も販売されています。これは車両側の穴2か所に位置決めのピンを固定して、ホイールの取り付け位置をガイドする役割を持ちます。

作業性を比較した場合「ナット式」の方が良い印象を持ちますが注意も必要です。車両側から出ているボルトにホイールを装着する際、ボルトの山を傷つけてしまう恐れがある点です。仮にボルトの山をつぶしてしまうなど損傷が発生してしまった場合、ナットを締めることができない問題が発生します。

そうなった場合、車両の移動はもちろん、損傷したボルトを交換するためにハブの脱着を行うほどの大規模な修理を行う必要が発生します。

適切に取り付けられていないと危険

ホイールを締める際は、ボルト・ナットが規定トルクで確実に締まっていることが最も重要です。そのためには、ボルト・ナットが正常な状態であることに加え、ホイールとハブの当たり面が正しく密着していることが欠かせません。

これらの条件が整っていないと、正確に締め付けることができず、最悪の場合は緩みやボルト折れにつながります。前段で述べたように、ボルト・ナットの山が傷んで規定位置まで締め込めない場合、走行中の振動で緩みが生じ、脱落の危険さえあります。

また、ホイールとハブの接触面に異物が挟まっていると、わずかな隙間が原因で均一に締め付けられず、同様のトラブルが発生する恐れがあります。

タイヤ交換をするにはどうすればよい?

DIYでタイヤ交換をすることに不安がある場合は、プロに依頼することが賢明な判断です。主な依頼先と選ぶポイントを紹介します。

専門店へ任せる場合

タイヤの脱着をする上で依頼先として考えられるのは、ディーラーや整備工場、カー用品店、タイヤ専門店が挙げられます。

ディーラーや整備工場では、タイヤ脱着以外の整備や点検も併せて依頼できる点がメリットです。カー用品店やタイヤ専門店では、脱着に合わせて劣化したタイヤの交換や外したスタッドレスタイヤの保管サービスを行っている店舗もある点がメリットです。

ショップ選び

作業をお願いする上で重要なのはショップ選びです。特に輸入車の場合、作業を受けないケースやタイヤのエア圧を監視するセンサーへの対応の可否がポイントです。特にエア圧センサが装着されている車両では、タイヤの脱着後にエラーが出るケースも稀にあり、リセット作業ができないショップの場合、再度別のショップへ依頼する手間が発生する恐れもあります。

もし、どこへ依頼すればよいのか迷った際には、是非トップランクへご相談ください。多数の輸入車メンテナンスを行ってきた実績を持つトップランクでは、タイヤ脱着のような一般整備はもちろん、入庫のタイミングで12か月点検や車検整備も承っています。

輸入車の場合、来店や見積りをしなくては点検費用や車検の基本料金を提示しないケースもありますが、トップランクではホームページ(https://toprank.jp/support/inspection/)に点検費用の金額や内容を記載しております。事前に価格を確認していただき安心してご検討いただけます。

また、様々なメーカーに対応できるよう各種コンピュータ診断機も用意しています。些細な気になる点についても併せてトラブルシューティングも行えます。その他メンテナンスやカスタマイズに関するご相談についても、是非一度ご連絡をいただければと思います。

 

お車に関するご相談や、気になる車種の故障リスクなど、どんな些細なことでもお気軽にお問い合わせください。

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