昔から外車には可愛いデザインのモデルが多くラインナップされています。もし街中で「可愛いクルマは何ですか?」と質問をすれば、クルマに興味のない人でも名前を挙げるのは「ミニ」や「ルパンのクルマ(フィアット500)」という答えが多く集まるのではないでしょうか。
今回は、長年の定番モデルに加え、新たなジャンルにも増えている可愛い外車を紹介し、可愛さの魅力や外車に対する不安点、購入時の注目ポイントを案内します。
代表的な可愛い外車とは?

可愛い外車のラインナップは昔からお決まりのモデル以外に、人気のSUVにも可愛いモデルが新たに加わっています。ここからは可愛い代表モデルを紹介します。
可愛いの代表車種
過去のモデルから数十年にわたり、モデルチェンジを重ねても可愛さの地位を確立しているモデルの共通点は、そのボディラインにあります。長年人気のある代表的な可愛いモデルを紹介します。
ミニ
「ミニ」という名前を聞いて、何か物足りなさを感じるかもしれません。日本では「ミニクーパー」と呼ぶ人が圧倒的に多いため、車名が「ミニクーパー」と思われている方も多いのではないでしょうか。「クーパー」はもともとグレード名で、正式な車名は「ミニ」ですが、一般的な会話では「ミニクーパー」の方が通じやすいでしょう。
ミニと聞くと、軽自動車よりも小さいクラシックなモデルを思い浮かべる方もいるかもしれません。そのモデルはいわゆる「オールドミニ」と呼ばれ、イギリスのローバー製モデルとなります。
今回は、2000年代から販売されているBMW製モデルを紹介します。現在、新車として販売されているのは4代目モデルです。2001年の初代モデルから人気車種のため街中で目にする機会も多いと思います。
初代と2代目は、エクステリアデザインを大きく変えずにモデルチェンジを行いましたが、ボディタイプのバリエーションが増えたことが特徴です。ルーフをカットしたような「クーペ」や、オープンモデルの「ロードスター」など、ベースとなる2ドアボディを活かした展開をしました。
先代の3代目からはボディサイズを拡大し、3ドアボディに加えて5ドアボディも用意され、使い勝手と居住性が向上しました。
フィアット 500
日本では「ルパンのクルマ」でお馴染みとなっているのは2代目モデルになります。アニメ「ルパン三世 カリオストロの城」作中で愛車として描かれ、強いイメージがついているためです。
今回紹介するのは、2007年にデビューした3代目です。このモデルは2024年までの17年間生産され、エクステリアデザインは大きく変えずにアップデートが続けられていました。ボディタイプは3ドアのみで、全体が丸みを帯びたデザインのため、可愛い外車の代名詞といえる存在です。
前席の頭上からリアウィンドウまで開閉できるキャンバストップの「500C」も用意されていました。また、特別仕様車も多くラインナップされ、特別色や専用装備が設定されている点は、中古車を探す際の楽しみの一つといえます。
アバルトモデルも設定されており、その可愛いデザインとは裏腹に過激なチューニングが施されていました。マニュアルトランスミッションも用意されており、小柄なボディサイズと相まって軽量ホットハッチとして老若男女問わず好まれています。
ルノー トゥインゴ
ルノーのコンパクトカーとして1992年に初代がデビューし、2回のモデルチェンジを経て2023年まで販売されていました。今回紹介するのは、最後のモデルとなった3代目になります。日本では2016年から販売が開始されました。
それまでのモデルとは異なり、全長と全幅を短縮し、全高を高くしたことで、コロンとした丸みを帯びたデザインに変わりました。例えるなら、子犬のような愛くるしいデザインです。
5ドアボディですがリアのドアノブがピラーに設置されているため、サイドビューは3ドアハッチバックに見え、スポーティーさも演出しています。このモデルの最大の特徴は、エンジンが後輪より後ろに搭載されたリアエンジン・リアドライブ(RR)という駆動方式です。
この駆動方式のメリットは、エンジンが後方にあるため、ハンドルを切った際にタイヤの切れ角を大きく取れる点です。そのため、コンパクトな車体はさらに小回りが利きます。また、エンジンが後方にあるため、エンジン音が気になりにくい点もメリットです。
SUVモデルも
可愛いのはコンパクトなモデルだけではありません。人気のSUVにも可愛いデザインのモデルが存在します。
ミニ クロスオーバー
先に紹介したミニのクロスオーバーSUVモデルです。2代目モデルから登場し、ミニシリーズ初の5ドア車となりました。ベースとなるミニをさらに丸く膨らませたデザインはSUVの持つ武骨さとは異なる可愛らしさがあります。
日本仕様のボディサイズは全高1550mm、全幅1790mmとし、機械式立体駐車場の制限である全高1550mmをクリアするよう設計されています。3代目へのモデルチェンジ時にシャーシ(プラットフォーム)が変更され、ボディサイズが全長210mm、全幅30mm、全高45mm拡大し、よりSUVらしさが増しました。
走行性能も向上しており、「ALL4」と呼ばれる4WDシステムとの組み合わせにより、悪天候時の路面状況だけでなく、通常の走行時にも安定性が向上しています。
ジープ レネゲード
アメリカのジープと聞くと、大きくて力強いイメージがあり、可愛いとはかけ離れていると感じるかもしれません。レネゲードはコンパクトクロスオーバーSUVのジャンルに属しています。そのデザインはジープらしさをしっかりと主張しながらも、角を丸め、フロントやリアフェンダー周りに柔らかい雰囲気を持たせることで、可愛さを演出しています。
今までと異なる可愛らしいコンパクトSUVを作れた理由の一つに、フィアットが共同開発を行っている点も関係していると考えられます。フィアットは長年コンパクトなクルマを得意としていたので、そのノウハウが生きた結果といえます。
サイズも日本で扱いやすく、取り回しのしやすさの指標となる最小回転半径は5.5mと、従来のアメリカ車と比べて小さくなっています。また、4WDグレードのパワーユニットは1.3Lのターボチャージャー付ガソリンエンジンとプラグインハイブリッドの組み合わせになります。そのため、WLTCモードでの燃費は16km/Lと低燃費の部類に入ります。
可愛いだけじゃない!

可愛いだけでなく、実力も兼ね備えた魅力について紹介します。
取り回し抜群のサイズ
ここまでに紹介した代表モデルのように、可愛い外車は比較的コンパクトなボディサイズとなっています。そのため、街中はもちろん、住宅街や駐車場でも取り回しがしやすくなっています。
全長が短いフィアット500やトゥインゴは、コンパクトなボディサイズのため、取り回しがしやすいです。特にトゥインゴは、エンジンが後方にあるため、ハンドルの切れ角が大きく、さらに小回りが利きます。
実用性も兼ね備えている
ハッチバックタイプのボディのため、ラゲッジスペースへの積み込みがしやすいです。コンパクトなボディのため、駐車場でもラゲッジドアを問題なく開けられます。また、リアシートを倒して荷物を積み込むのも簡単で、使い勝手は良いといえます。
3名以上で乗る機会が多い方には5ドアボディがおすすめです。コンパクトながらリアドアがあることでリアシートへのアクセスはよく、リアシートを倒す作業も、ドアを開けて行えます。
充実した装備と性能
現代のモデルでは、装備に不満を感じることはほとんどありません。強いていえば、先進技術の運転支援装置の有無や内容に差がある点です。その点を重視しなければ、十分な装備がそろっています。特に近年のモデルは、オーディオ関係もアップデートされています。
従来は汎用のデッキを使うことで、インストパネルのデザインを損ねることもありました。現在はディスプレイオーディオが主流となり、インストパネルのデザインを損なわなくなっています。ディスプレイオーディオはスマートフォンとリンクし、音楽の再生はもちろん、カーナビを表示してスマートフォン感覚で操作できます。
走行性能も可愛い見た目とは裏腹に、他の外車同様高い水準となっています。高速走行が多い環境を想定して開発されているため、コンパクトカーでもしっかりとした足回りを備えています。動力性能も日本では十分すぎるほどの実力を備えています。
外車を購入する際に不安に感じるポイント

これから初めて外車を所有しようと思う方も多くいると思います。よく話題になる外車に対する不安な点について解説します。
国産車との違い
国産車と外車を比べた際、異なる点は多々あります。特に注意が必要なのは、走行時に使用する装備です。代表的なものはウィンカーレバーとヘッドライトのスイッチです。
ウィンカーレバーの位置は、ハンドルを挟んで左右逆です。国産車だとハンドルに対して右側についているウインカーレバーが、外車の場合は左側です。
また、ヘッドライトのスイッチは、国産車ではウィンカーレバーと一体化しているのが一般的です。しかし、外車ではレバーではなく、インストパネルにスイッチが付いていることが多くあります。それぞれの位置関係を理解し、慣れることが必要です。
維持費の不安
国産車と外車の維持にかかる税金は、条件が同じであれば違いはありません。例えば排気量で区分される自動車税の金額は、国産車と同じ排気量の場合同額となります。現在、外車の主流は、ダウンサイジングエンジンと呼ばれる小排気量のエンジンを搭載したモデルです。
ダウンサイジングエンジンは、ターボチャージャーと組み合わせることで、小排気量ながらエンジン効率を高め、力強い走りと燃費性能の両立を実現しています。モデルチェンジで搭載しているエンジンの排気量が小さくなっているケースもあります。その場合、排気量の区分が下がっていれば、自動車税も安くなります。
しかし、ガソリンエンジンを搭載した外車の多くは、ハイオクガソリンを指定しています。国産車は基本的にレギュラーガソリンとなるため、国産車のコンパクトカーと比べガソリンの単価は高くなってしまいます。一部のモデルではディーゼルエンジンを選択でき、その場合、燃料が軽油のため、燃料代を安く抑えられます。
その他にかかる維持費としてはメンテナンス費用が該当します。故障した場合、部品を海外から取り寄せる必要があることもあります。修理の際、国産車と比べ外車は特殊な点もあるため作業工賃が国産車より高く設定されている点にも注意が必要です。
外車を購入する際の注意点は?

実際に中古の外車を購入する際に注意すべきポイントを紹介します。
メンテナンス状況の確認
可愛い外車はその性質上、過去のオーナーが新車購入時にメンテナンスパックに加入して、整備をディーラーに任せて定期的に入庫していれば大きな問題はないでしょう
一方、複数のオーナーを経由している場合、メンテナンスをせずに乗り続けていた可能性もあります。そのような車両の場合、購入後のメンテナンス費用やトラブルなどの心配があります。
購入する車両を確認する際は、メンテナンスノートに記録されている履歴を確認することをおすすめします。6、12、24か月ごとに点検の記録ページが設定されています。そこの記載情報で、過去の交換部品などの把握が可能です。
見方が分からない場合は、販売店のスタッフに説明を依頼してください。
外装の傷などを確認
可愛さに惚れて購入する愛車は、ボディのへこみや傷が少ないに越したことはありません。しかしボディ以外にも気をつけておきたい点があります。過去に事故でフレームなどに大きな損傷を受けている場合、修復歴に該当します。
修復歴に該当しない場合でも、路肩への幅寄せなどでホイールを強くぶつけていることがあります。そのような衝撃を受けた場合、足回りが損傷していることもあります。大規模な損傷がある場合、メンテナンスノートに部品交換の記載があることもあります。
修理が行われていない場合、走行時に違和感が生じたり、タイヤが片減りすることがあります。実車確認の際は、ホイールの傷やタイヤの摩耗状態も注意して確認するとよいでしょう。
過去の履歴や車両状態の確認について不明な点や不安がある場合は、ぜひトップランクにご相談ください。多くの車両を取り扱ってきた経験を持つスタッフが多数在籍し、車両状態を正確に見極めることができます。
また、希望する可愛い外車についても、遠慮なくご相談ください。最適な一台をお探しするお手伝いをいたします。
