昨今、各自動車メーカーがSUVに力を入れているのはご存知のとおりです。それはメルセデス・ベンツにおいても例外ではありません。メルセデス・ベンツにおけるSUVモデルのなかでも高い人気を誇るモデルが「GLCクラス」です。
今回は、現行モデルのX254型と先代モデルのX253型を、それぞれ「GLC350」と「GLC300」を基準に徹底的に比較してみました。
メルセデス・ベンツ GLCクラスについて

メルセデス・ベンツブランドにおけるポジションについて
「GLC」の前身である「GLK」は、2008年に誕生したメルセデスにおける4番目のSUVです。3.5リッター V6エンジンとフルタイム4輪駆動がもたらす走行性能や、個性的なデザインを特徴に持つモデルとして人気を博しました。
初代モデルにあたる「X253型GLC」は、日本市場では2016年2月にデビューしました。同モデルはその後グローバルで販売を伸ばし、2020年および2021年時点で累計販売台数が260万台に達するなど、メルセデス・ベンツのラインナップの中でもベストセラーSUVの一つとなりました。
2代目となる「X254型GLC」は2023年3月に日本市場においてデビューし、現在にいたります。
現在ラインナップされているモデルの紹介
メルセデス・ベンツGLCクラス(GLC350/X254型)
X254型GLC(2代目)は、美しいシルエットのなかにもスポーティかつ洗練された外観のデザイン、リアルウッドインテリアトリムを採用した質感の高い内装を併せ持つモデルです。
直感的な行先案内が可能なARナビゲーション、片側130万画素を誇るデジタルライトによる効果的な夜間の視界確保、良好な取り回しや優れたハンドリングを実現するリアアクスルステアリングなど、Sクラス譲りの最新技術を多数採用しています。
また、精度を高めた安全運転支援システムや、縦型の大型メディアディスプレイを装備。このディスプレイには、MBUX全体のなかから、走行に合わせて変化するコンテンツをユーザーのために取り出し、関連するサービスとともにMBUX情報アーキテクチャーに表示するゼロレイヤーデザインが採用されており、直感的な操作および設定が可能です。
さらに、メディアディスプレイにはクルマのフロント部分下方の路面の映像を映し出す「トランスペアレントボンネット」や、車両の傾き、路面の勾配等をディスプレイに表示する「オフロードスクリーン」を標準装備。街乗りだけでなく、オフロード性能の向上にも配慮されています。
メルセデス・ベンツGLCクラス(GLC300/X253型)
X253型GLC(初代)は、日本の道路事情や駐車場事情に適したボディサイズがセールスポイントといえます。さらに、大きく切れるステアリングにより、最小回転半径は5.7mを達成しています。外観のデザインは短いオーバーハングにスポーティでダイナミックなメルセデスデザインを踏襲しています。
また、ボディ細部にわたる徹底した空力最適化により、Cd値0.31(先代GLK:0.34)というセグメント最高水準の空力特性を実現。空気抵抗を抑えることで、風切り音を減少させるとともに燃費効率を高めています。
主なスペック
メルセデス・ベンツGLCクラス(GLC350/X254型)
- 全長×全幅×全高:4725×1920×1635mm
- ホイールベース:2890mm
- 車両重量:2350kg
- 駆動方式:フルタイム4WD
- トランスミッション:9速AT
- エンジン:直列4気筒DOHCターボ+モーター
- 排気量:1997cc
- エンジン最高出力/最大トルク:204ps/320N・m
- ステアリング:右
メルセデス・ベンツGLCクラス(GLC300/X253型)
- 全長×全幅×全高:4670×1890×1645mm
- ホイールベース:2875mm
- 車両重量:1830kg
- 駆動方式:フルタイム4WD
- トランスミッション:9速AT
- エンジン:直列4気筒DOHCターボ
- 排気量:1991cc
- エンジン最高出力/最大トルク:258ps/370N・m
- ステアリング:右
パワートレイン
メルセデス・ベンツGLCクラス(GLC350/X254型)
X254型GLC350は、最高出力204ps、最大トルク320 N・mを発生する2.0リッター直列4気筒ターボエンジンに、容量が31.2kWhのリチウムイオンバッテリーと出力136ps(最高出力100kW、定格出力60kW)、トルク440N・mの電気モーターを組み合わせたプラグインハイブリッドモデルです。
システム総合の最高出力は313ps(230kW)、最大トルクが550N・mのパワーユニットを備え、電気モーターのみで140km/hまで走行することが可能です。また、EV走行換算距離(等価EVレンジ)は118kmを誇り、お買い物や通勤など日常では電気自動車のように使用することが可能です。電気モーターとガソリンエンジンのメリットを掛け合わせることで、航続可能距離や充電時間を気にすることなく遠方へのドライブもスムーズです。
メルセデス・ベンツGLCクラス(GLC300/X253型)
X253型GLC300 4マチックには、排気量2リッター 直列4気筒ターボエンジンを搭載しています。ツインスクロールターボチャージャーと可変バルブリフトシステム「CAMTRONIC」を採用し、低回転から高回転まで伸びやかな加速を実現。
従来のGLC 250 4マチック スポーツと比較して、最高出力が47ps向上し、258psを発揮。また最大トルクも20N・m向上し、370N・mとなります。
外装のデザイン
メルセデス・ベンツGLCクラス(GLC350/X254型)
X254型GLC(2代目)は、メルセデスのデザイン基本思想である「Sensual Purity(官能的純粋)」を継承し、ひと目でメルセデス・ベンツSUVファミリーの一員であることが分かるデザインが特徴です。X253型GLC(初代)と比較して、ホイールベースを15mm、全長を50mm伸長し、伸びやかでスポーティなシルエットを手に入れています。
ボディサイドのデザインも「Sensual Purity(官能的純粋)」に基づき、ラインやエッジを減らし、曲線を描く彫刻的なデザインで構成されています。リアデザインも、力強く張り出したフェンダーと水平基調のリアバンパー、ツーピース構造で内部に立体感があるスリムな新型リアコンビネーションランプが採用され、リアエンドをよりワイドでシャープに印象づけるデザインとなっています。
メルセデス・ベンツGLCクラス(GLC300/X253型)
X253型GLC(初代)も、メルセデス・ベンツのデザイン思想「Sensual Purity(官能的純粋)」を具現化し、現代的なラグジュアリーを表現しています。細かなエッジやラインを減らして面を強調し、本質的に重要なものだけを残す質実剛健なデザインが特徴です。
フロントは、クローム仕上げのアンダーガードと2本のパワードームを備えたボンネットが、SUVとしての存在感とパワーを表現しています。これに加えて、ラジエターグリル内に特徴的なツインルーバーデザインが装備されSUVらしさを強調しています。
リアエンドのデザインも、フルLEDリアコンビネーションランプの採用など、パワフルさを強調するものとなっています。
内装のデザイン
メルセデス・ベンツGLCクラス(GLC350/X254型)
X254型GLC(2代目)の内装は、ダッシュボードが上下2つに分かれており、上部は翼のような形状が採用され、下部にはインテリアトリムが敷かれています。また、リアルウッドインテリアトリムを採用し、質感の高い室内空間を演出しています。
さらに、ダッシュボードと縦型の11.9インチのメディアディスプレイを、わずかに6度だけドライバー側に傾けた新しいデザインを採用しており、ドライバーの視認性を向上させています。そのほか、コックピットディスプレイとメディアディスプレイは3つのスタイル(ジェントル/スポーティ/クラシック)と4つのモード(ナビゲーション/アシスタンス/サービス/オフロード)のなかから選択することでカスタマイズすることが可能です。
メルセデス・ベンツGLCクラス(GLC300/X253型)
X253型GLC(初代)の内装は、Cクラス同様に機能的で上質なデザインが採用されています。8.4インチディスプレイを備えた「COMANDシステム」も、COMANDコントローラーに加えタッチパッドも採用することにより、さまざまな入力方法が可能となるなど、より使いやすく進化しました。
また、先代モデルであるGLKに比べて前後席ともに乗員のための空間が広くなっています。特にリアシートのレッグルームは57mmも拡大されており、ゆったりとしたスペースを確保しています。さらに足元のスペースも34mm拡大しており、乗降時の快適性が大きく改善しています。
安全装備
メルセデス・ベンツGLCクラス(GLC350/X254型)
X254型GLC(2代目)には、Sクラスに搭載されるメルセデス・ベンツ最新の安全運転支援システムが採用されています。さらに以下の新しい機能が追加となりました。
ステレオマルチパーパスカメラだけでなく、360度カメラシステムも車線認識に使用することで、多くのカーブに対応が可能で、高速道路上で今まで以上に精密に車線中央を維持することが可能な「アクティブステアリングアシスト」、ドライバーが周囲の道路状況に反応しなくなってからかなりの時間が経過していると判断した場合に警告を発したり、徐々に減速して最終的に車両を停止させる「アクティブエマージェンシーストップアシスト」、交差点や曲がり角での右左折の際に、対向、飛び出し、巻き込みなどにより、車、自転車及び歩行者と衝突する危険がある場合、ドライバーに警告したり、ブレーキを作動させる「アクティブブレーキアシスト」、車両前方にいる車道横断中の歩行者などとの衝突の危険を検知すると、システムが正確なステアリングトルクを計算して、ドライバーのステアリング操作をアシストします。
また、自車と同じ方向や反対方向に進む歩行者や自転車を含む車両も検知する「緊急回避補助システム」、走行している車線を意図せず逸脱しそうな場合に警告、および進路を修正する「アクティブレーンキーピングアシスト」、車両の斜め後ろのミラーでは見にくい死角エリアに車両や自転車がいることを警告し、30km/h以上で走行中に側面衝突の危険がある時に危険回避をサポートする「アクティブブラインドスポットアシスト」。
この「アクティブブラインドスポットアシスト」は、停車時にドアを開けようとした際、後方から障害物が迫っている場合に警告機能も作動します。
メルセデス・ベンツGLCクラス(GLC300/X253型)
X253型GLC(初代)には、Cクラスにも導入されている技術が搭載されています。全モデルに標準装備の安全運転支援システム「レーダーセーフティパッケージ」は、ドライバーの疲れを最小限に抑える快適性が安全なドライブに貢献するという思想に基づいた「インテリジェントドライブ」のひとつです。
このシステムの土台となっているのが、クルマの周囲をほぼ360°をカバーする複合的なセンサーシステムです。フロントウインドウ内側のカメラは、最大500mの広範囲をモニターするほか、2つのカメラで車両前方約50mの範囲を立体的に捉えることが可能です。
またレーダーセンサーは、フロントおよびリアバンパーに内蔵された25GHzの短距離レーダー計4個、ラジエーターグリル奥の77GHz中・長距離レーダー1個、リアバンパー中央の25GHzマルチモードレーダー1個の合計6個が搭載されています。これらのカメラと、レーダーから得られたデータをコントロールユニットで融合させ、安全運転支援システムに対応するデータを作成します。
このデータを解析することで、先行車両、横断車両、後方車両、対向車、歩行者などを検出し、その位置を特定し、状況に応じて、アクセル、ブレーキ、ステアリングを自動でアシストします。また、夜間の安全なドライブをサポートするアダプティブハイビームアシスト・プラスを備えた「LEDインテリジェントライトシステム」も全モデルに標準装備しています。
新車の価格帯
- GLC350e 4マチックスポーツ エディションスター:10,330,000円
- GLC300 4マチック:8,630,000円
中古車の価格帯
- 平均価格:738.8万円
- 価格帯:548万円~1050万円
※この価格は2026年3月時点のものです(Webカーセンサー調べ)
- 平均価格:339万円
- 価格帯:154.4万円~608万円
※この価格は2026年3月時点のものです(Webカーセンサー調べ)
主なライバル車
メルセデス・ベンツGLCクラス(GLC350/X254型)
- BMW X3 xDrive30e (G01 LCI/次期G45)
BMW X3は、X254型GLC(2代目)にとって最大のライバルです。メルセデスが「快適性と静粛性」を標榜するのに対し、BMW X3はSUVでありながら、BMWの伝統的な「50:50の前後重量配分」に近い運動性能を誇ります。
- レクサス NX450h+ (AAZH26型)
プレミアムDセグメントSUVのPHEV市場において、GLCの地位を脅かす存在がレクサスNXです。なかでもNX450h+は、トヨタのハイブリッド技術が搭載されたモデルであり、トヨタ車という絶対的な安心感、完成度の高さが強みといえます。
- ボルボ XC60 Recharge
ドイツ車とは一線を画した、どことなくラグジュアリーかつ気品を感じさせるモデルがボルボXC60です。インテリアにウール混紡素材や天然木を採用し、自宅のリビングにいるかのような居心地の良い空間を演出します。
メルセデス・ベンツGLCクラス(GLC300/X253型)
- BMW X3(G01型)
X253型GLC(初代)における最大のライバルといえばBMW X3です。同じSUVでありながら、GLCはメルセデス・ベンツらしい重厚さを放ついっぽうで、X3はBMWらしい軽快かつスポーティさ、そして若々しさを感じさせる仕立てが魅力です。
- アウディ Q5(FY型)
アウディQ5は、全方位において高い完成度を誇る「優等生」的な立ち位置でX253型GLC(初代)に立ちはだかるモデルです。また、アウディの代名詞である「quattro(四輪駆動システム)」による安定感と、バーチャルコックピットに代表されるデジタル技術を積極的に採用しています。
- ポルシェ マカン
X253型GLC(初代)の上位グレードを検討するユーザーにとって選択肢として挙げられるモデルのひとつがポルシェ マカンです。「SUVの形をしたスポーツカー」というコンセプトにより、絶対的な走行性能とステータス性において、GLCを上回る存在といえるでしょう。
好むユーザー像についての考察:
メルセデス・ベンツGLCクラス(GLC350/X254型)
- 「賢く、効率的に生きたい」スマート派を自認するユーザー
X254型GLC(2代目)の最大の特徴は、電気だけで100km以上(カタログ値)走れることです。「毎日の送り迎えや買い物は電気だけで静かに済ませたい。でも、週末の旅行で充電切れを心配するのは絶対に嫌」という、合理性と安心感の両方を求めるユーザーにこそおすすめです。
さらに自宅に充電設備があり、ガソリンスタンドに行く回数を劇的に減らしたい「タイパ(タイムパフォーマンス)」重視派ともいえるでしょう。
- 「デジタルな最先端」にワクワクするガジェット派のユーザー
X254型GLC(2代目)の車内は、まるで大きなスマートフォンのようなデジタル化が進んでいます。新しいiPhoneや最新の家電が出るとチェックしてしまうような、テクノロジー好きなユーザー、さらには「ヘイ、メルセデス!」と話しかけてエアコンの温度を変えたり、巨大な液晶画面でナビを操作したりすることにストレスを感じず、むしろ楽しめるユーザーといえるでしょう。
- 「静寂とゆとり」をこよなく愛するコンフォート重視派のユーザー
X254型GLC(2代目)は、乗り心地を劇的に良くする「エアサスペンション」が装備されていることが多いです(仕様によります)。「運転はスポーツではなく、リラックスするための時間」と考えているユーザー、家族や大切な人を乗せる際、路面のガタガタを感じさせたくないという、おもてなしの心を持つユーザーといえるでしょう。
メルセデス・ベンツGLCクラス(GLC300/X253型)
- 「アナログの安心感」を大切にする実力派のユーザー
最新モデルはスマホのようにすべてがタッチパネルですが、あえてそれを「使いにくい」と感じるユーザーも確実に存在します。運転中にブラインド操作(手元を見ずに操作)ができる物理ボタンの使いやすさを重視するユーザー、液晶画面だらけのインテリアよりも、温かみのあるウッドパネルや本革の質感を好む、落ち着いたテイストを好むユーザーといえるでしょう。
- 「都会での使い勝手」を賢く見極めるユーザー
X253型GLC(初代)は、絶妙なサイズ感が最大の武器であり魅力です。都心に住んでいて、狭い路地や機械式立体駐車場を利用する機会が多いユーザー、あるいは「巨大なSUVは威圧感があって苦手だが、安っぽいクルマには乗りたくない」という、バランス感覚を持つユーザーといえるでしょう。
- 「失敗したくない」堅実なバリュー志向派
X253型GLC(初代)はモデル期間が長かったこともあり、熟成されています。新型モデルの初期不良や、デジタル機器の不具合に振り回されたくないユーザー、最新であることよりも「長く安心して乗れる完成度」を優先するユーザーといえるでしょう。
まとめ:独断と偏見でそれぞれどのような人におすすめか考察してみた

メルセデス・ベンツGLCクラス(GLC350/X254型)
おすすめしたいユーザー像
- 充電環境を完備し、知的な効率性を追求するユーザー
X254型GLC(2代目)は、電気のみで100kmを超える航続距離を誇ります。自宅や職場に充電設備があり、さらに日常の移動を電気のみで賄うことができるユーザーにとって、これほど理想的な選択肢はありません。ガソリンスタンドへと足を運ぶ煩わしさから解放される悦びは、何物にも代えがたいでしょう。
- デジタル・インターフェースに習熟した「革新派」
Sクラス譲りの巨大な縦型ディスプレイと、AIによる学習機能を備えたMBUXは、まさに「走るスマートフォン」といえます。最新のテクノロジーを使いこなし、車を単なる移動手段ではなく、生活を最適化する「デバイス」として捉えるユーザーにこそおすすめです。
- 「静けさ」こそがラグジュアリーだと考えるユーザー
エアサスペンションと、エンジン停止時の圧倒的な静けさは、同クラスのライバルを圧倒するほどです。喧騒から隔絶された空間で、心身の疲労を癒やしながら移動したいコンフォート重視のドライバーにとって、まさに理想的な選択といえるでしょう。
避けた方がいいユーザー像
- 自宅に「充電環境」がないユーザー
GLC350eの最大のアドバンテージは「電気だけで100km以上走れること」です。そのため、自宅で充電できないと、ただの「重くて燃費があまり良くないガソリン車」となってしまいます。外出先において急速充電だけで移動するのは時間と手間がかかり、PHEV本来の良さを引き出せません。充電環境が整わないなら、軽快で燃費の良いディーゼルモデル(GLC220d)の方がおすすめです。
- 「物理ボタン」で直感的に操作したいユーザー
X254型GLC(2代目)のインテリアは、液晶モニターの画面にあらゆる機能が集約されています。そのため、エアコンの温度調整やオーディオの操作も、基本的には画面のタッチや音声認識で行います。「カチッ」としたボタンの手応えを好むユーザーや、運転中に手元を見ずに操作したいアナログ派にとっては、メニューを探す操作が煩わしいと感じるでしょう。
- 「軽快でスポーティな走り」を求めるユーザー
GLC350eは、巨大なバッテリーを積んでいるため、車重が約2.4トンもあり、かなり重いです。また、長距離を走り続ける場合、バッテリーの充電が切れてしまうと、そこからは重いボディをガソリンだけで動かすことになるため、非常に非効率です。長距離移動の頻度が高いとしたら、燃料代が安く、高速クルージングが得意なディーゼルエンジン車の方が、経済的にも走りの面でもメリットが大きいといえるでしょう
メルセデス・ベンツGLCクラス(GLC300/X253型)
おすすめしたいユーザー像
- 「クルマの操作はボタン派」を認ずるアナログ好きなユーザー
X254型GLC(2代目)は画面ですべてを操作しますが、X253型GLC(初代)のエアコンやオーディオの操作は、従来の「物理ボタン」で行います。運転中に手元を見なくても感覚で操作できるため、デジタルデバイスに馴染めないユーザーや、カチッとした操作感を好むユーザーにおすすめです。
- 日本の道路や駐車場でストレスを感じたくないユーザー
X253型GLC(初代)は、日本の道路で扱いやすいサイズ感(車幅約1.9m弱)に収まっています。そのため、狭い路地や都市部の立体駐車場でも「大きすぎて困る」という場面が少ない点が魅力です。セダンから乗り換えても違和感が少なく、初めての輸入SUVとしてもおすすめです。
- 「熟成された完成度」を重視するユーザー
フルモデルチェンジ直後のモデルは初期不良が起こりがちですが、X253型GLC(初代)は生産期間が2016年2月~2023年2月と長く、不具合がある程度は出尽くした状態にあります。「最新技術に挑戦するより、壊れにくくて品質がある程度安定したモデルに長く乗りたい」というユーザーにもおすすめです。
避けた方がいいユーザー像
- 「最新ガジェット」に目がないユーザー
X253型GLC(初代)にも液晶メーターなどがあるものの、X254型GLC(2代目)の大型の縦型ディスプレイや、最新のAI機能と比べると、どうしても「一世代前の雰囲気」を感じてしまいます。最新のものを求めるなら、物足りなさを感じるはずです。
- 山道を攻めるような「スポーティな走り」を求めるユーザー
メルセデスの哲学はあくまで「優雅で快適」であることです。GLC300は十分パワフルですが、足回りは柔らかめです。BMW X3やポルシェ・マカンのような「地面を這うような鋭い走り」を期待すると、少しおっとりしすぎていると感じるかもしれません。
- 燃料代を極限まで抑えたい長距離派のユーザー
GLC300は、ハイオクガソリン仕様の2リッターターボエンジンを搭載しています。燃費が極端に悪いわけではありませんが、もし毎日長距離を走るなら、軽油で安く済むGLC220dや、一定の距離を電気だけで走れるPHEVモデルの方が、経済的なメリットが大きいといえるでしょう。
ファミリーカーとしておすすめできるのか?
メルセデス・ベンツGLCクラス(GLC350/X254型)
もしも「家族との移動時間をA地点からB地点への単なる移動ではなく『安全かつ安らぎが得られる上質な時間』にしたい」と考えるのであれば、X254型GLC(2代目)理想的な選択となります。
その一方で、荷室の広さを重視し、例えばアウトドア用品を積み込むような用途がメインであれば、バッテリーの干渉がないディーゼルモデルや、より上位のGLEクラスを検討してみてもよいかもしれません。
メルセデス・ベンツGLCクラス(GLC300/X253型)
もしも「最新の大型の液晶画面や煌びやかなアンビエントライトの演出などよりも、家族が安心して身を委ねられる『実直なラグジュアリーさ』」を求めるのであれば、X253型GLC(初代)はおすすめできる一台です。中古車の平均価格が300万円台半ばと、いまや国産ミニバンよりも安価で入手可能な点も魅力といえるでしょう。



