メルセデスベンツにおいて、なくてはならないモデルのひとつ。それがSクラスです。そして、このSクラスベースをスペシャルモデルに仕立てたのがメルセデスAMG Sクラスです。
今回は、似て非なるこの2台のスペックや特徴について掘り下げてみましょう。
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両モデルの市場での位置づけと消費者に対する魅力について
どれほどメルセデスベンツのラインナップが増えようとも、頂点に君臨するモデルは今も昔も変わりません。メルセデスベンツSクラス。成功の証であり、他のメーカーに浮気しても結局戻ってきてしまう、本妻のような存在。
このうえなく高級でありながら、自宅で寛いでいるような安心感をもたらせてくれる本革シートならびにオールレザーインテリアの心地よさ。この魅力に取りつかれてしまうと、代わりになるクルマが見つからないのです。
そして、このSクラスをベースによりハードに、よりスポーティに仕立てられたのがメルセデスAMG Sクラスです。ノーマルのSクラスがラグジュアリーなら、メルセデスAMG Sクラスはハイパフォーマンスセダン。ラグジュアリーさと、最高出力600psオーバーのエンジンからなる0-100km/h加速が3秒前半という、スーパースポーツ並みの加速や2トンを優に超える車重を感じさせないスポーティな走りを味わえます。
メルセデスベンツ Sクラスの概要
では、この項目ではメルセデスベンツ Sクラスとはどのようなクルマなのかを考察してみましょう。
Sクラスのデザインやスペックの紹介
現行Sクラスのエクステリアデザインは「Sensual Purity(官能的純粋)」というデザインの思想に基づいて設計されています。従来のモデルのようなラインやエッジを大幅に削減し、曲線を描く彫刻的な面により構成されています。
その結果、シンプルかつクリーンでありながらも存在感を放ち、堂々とした佇まいも健在です。まさに今後のメルセデスベンツ車のデザインをけん引するモデルでもあるのです。
ヘッドライトは3点が光る「デイタイムドライビングライト」を採用、先代より上下方向に薄く、全体に少し小さく、エッジの効いたデザインとなっています。ボンネットマスコットは伝統のスリーポインテッドスターが配され、多角形のラジエーターグリルとフロントバンパー下部はクローム仕上げとなり、ラグジュアリーな印象を与えます。
そしてサイドビューは、ラインやエッジを大幅に削減し、美しい面の張りや陰影でラグジュアリーを表現している一方で、キャラクターラインを配することで車高を低く、スマートに見せる効果があります。
また、メルセデスベンツでは初となる格納型のドアハンドルを採用。キーを持った人が近づくことで、ドアハンドルがボディ面から自動でせり出します。このドアハンドルは通常時にはボディ面に格納されていますが、万一のときには自動でせり出すことで、従来どおり引っ張りドアを開けることができる安全性もしっかりと継承されています。
リアエンドには2分割型のリアコンビネーションランプを採用し、昼夜を問わずメルセデスベンツSクラスとすぐに識別できる造形を採用しています。さらに、前面投影面積がわずかに拡大したにも関わらず、Cd値は最小で 0.22を達成。世界最高水準のエアロダイナミクスを実現しているだけでなく、省燃費性能も追求しています。
なお、現行Sクラスの最新のグレード展開は以下となります(2024年2月現在)
- S 450 d 4MATIC(ISG搭載モデル)
- S 500 4MATIC(ISG搭載モデル)
- S 580 4MATIC(ISG搭載モデル)
- S 500 4MATIC ロング(ISG搭載モデル)
- S 580 4MATIC ロング(ISG搭載モデル)
Sクラスのラグジュアリーな乗り心地と快適性
現行メルセデスベンツSクラスのシートは人間工学を考慮した設計となっています。各種ヒーターやパフュームアトマイザー、シート設定、照明、音楽等のシステムを統合的にコントロールし、快適性を高める「エナジャイジングコンフォート」を装備。
「リフレッシュ」や「トレーニング」など5つのプログラムから選択することが可能となっています。また、シートクッションとバックレストのわずかな動きにより、着座姿勢の変更をサポートする「エナジャイジングシートキネティクス」も標準装備です。
現行メルセデスベンツSクラスのリアシートには、新たに左右のシートにヒーター機能付きの調整可能な追加ヘッドレストクッションを採用。これは、内蔵の膜ヒーターを使って、乗員の頭や首を気持ちよく温めるものであり、ヒーター機能はシートヒーターを介して起動します。
そして、現行メルセデスベンツSクラスでは、さらなる静粛性を追求するべく、ボディシェルの一部に遮音発泡材を採用。これにより、Cピラーを通した音の伝達など、ボディ構造内の遮音性能が大幅に改善されています。
また、ファイアウォール遮音材をAピラーの側面やフロア部まで延長されています。さらに、高い紫外線カット機能を持った、グリーンティンテッド断熱ガラスをフロントおよびフロント左右に採用、プライバシーガラスをリア左右2面ずつとリアの計5面に標準装備。
また、フロントウィンドウは遮音膜を挟み込んだ合わせ安全ガラスを採用しているほか、遮音効果や赤外線を反射する性質を持つ全面合わせガラスを設定し、快適性を追求しています。
メルセデス-AMGモデルの概要
ここではSクラスの頂点であるメルセデスAMG Sクラスについて考察してみましょう。
AMGモデルの性能志向のデザインとエンジニアリングの特徴
メルセデスベンツSクラスをメルセデスAMG社がパフォーマンスラグジュアリーに仕立てたのが「メルセデスAMG S 63 E PERFORMANCE」です。
グレードの位置づけとしてもSクラスのさらに上位モデルとなります。Sクラスのひとつの頂点に位置づけられるモデルといえます。
モータースポーツにおける栄光の歴史を受け継ぐAMGグリルを初採用し、さらにモダンで力強いジェットウィングデザインのフロントエプロンの採用、デュアルツインのエグゾーストエンドおよびディフューザーデザインを採用したリアエプロンが、特別なモデルであることをさりげなく主張します。
- エンジン:V型8気筒
- 排気量:3982cc
- エンジン最高出力/最大トルク:612ps/900N・m
- ハイブリッドモジュール最高出力/最大トルク:140kW/320N・m
- ステアリング:左/右
- ボディサイズ(全長×全幅×全高):5335×1920×1515mm
- メーカー希望小売価格(税込):¥35,760,000【MP202401】
AMGモデルのパワーとパフォーマンスの特徴
メルセデスAMG S 63 E PERFORMANCEが誇るプラグインハイブリッドの駆動システムは、612ps/900Nmを発する4リッター、V型8気筒ツインターボエンジンを搭載。AMGスピードシフトMCT9トランスミッション、リアアクスルに搭載する交流同期モーターと、AMG自社開発による高性能バッテリー(13.1kWh)、連続トルク可変配分四輪駆動システムの「4MATIC+」を組み合わせています。
その結果、このモデルのパワーユニットは、システム総合で802ps/1430Nmを発揮するほど、すさまじいまでのパフォーマンスを備えています。
また足回りでは、セルフレベリング機構付きマルチチャンバーエアサスペンションおよび電子制御アダプティブダンパーを組み合わせた「AMGライドコントロール+エアサスペンション」を標準装備しています。
そして最大3度まで動作するリアアクスルステアリングを採用し、最大100km/hの速度域では前輪と逆方向に作動することでスムーズなコーナリングを実現。100km/hを超える高速域では前輪と同方向に作動。安定性にプラス効果をもたらします。
主要な違いの比較
この項目ではメルセデスベンツSクラスとメルセデスAMGのスペックを比較してみましょう。
エンジン性能、ドライビングダイナミクス、加速能力の比較
2024年2月現在の各グレードのエンジンスペックをまとめてみました。
メルセデスベンツ
- エンジン:直列6気筒
- 排気量:2924cc
- エンジン最高出力/最大トルク:330ps/750N・m
- ハイブリッドモジュール最高出力/最大トルク:17kW/205N・m
- エンジン:直列6気筒
- 排気量:2996cc
- エンジン最高出力/最大トルク:435ps/520N・m
- ハイブリッドモジュール最高出力/最大トルク:16kW/250N・m
- エンジン:V型8気筒
- 排気量:3982cc
- エンジン最高出力/最大トルク:503ps/700N・m
- ハイブリッドモジュール最高出力/最大トルク:17kW/205N・m
- エンジン:直列6気筒
- 排気量:2996cc
- エンジン最高出力/最大トルク:435ps/520N・m
- ハイブリッドモジュール最高出力/最大トルク:16kW/250N・m
- エンジン:V型8気筒
- 排気量:3982cc
- エンジン最高出力/最大トルク:503ps/700N・m
- ハイブリッドモジュール最高出力/最大トルク:17kW/205N・m
メルセデスAMG
- エンジン:V型8気筒
- 排気量:3982cc
- エンジン最高出力/最大トルク:612ps/900N・m
V型8気筒 4.0リッターツインターボエンジンに交流同期モーターとAMG自社開発の高性能バッテリ(13.1kWh)、それにAMG のパフォーマンス志向連続トルク可変配分四輪駆動システムの4MATIC+を組み合わせたもので、出力140kW(190PS)の交流同期モーターはリアアクスルに搭載されており、電動シフト式2速トランスミッションや電子制御式リミテッド・スリップ・デフとともにコンパクトなEDU(エレクトリックドライブユニット)にまとめられています。
なお、0-100km/h加速は、S 500 4MATIC(ISG搭載モデル)が4.9秒、S 580 4MATIC(ISG搭載モデル)が4.4秒という、一昔前のスーパースポーツモデルの匹敵する加速力を持ちあわせています。
メルセデスAMG S 63 E PERFORMANCEは3.3秒と、もはやスーパースポーツにも勝るとも劣らないハイパフォーマンスぶりを発揮します。
内装の質感、装備、テクノロジーの違い
メルセデスベンツの内装・設備の特徴
現行メルセデスベンツSクラスでは、センターコンソール上部に12.8インチの「有機ELメディアディスプレイ」がレイアウトされています。
そして、センターコンソールのブラックパネルからシームレスにつながる縦型のディスプレイを採用。このディスプレイに多くの機能を集約することで、スイッチ類を減らすことができるようになり、多機能なモデルながらシンプルな内装となっています。
先代モデルと比較してウッドトリムは大幅に面積を拡大、さらに高級感を演出するとともに、ドアパネルまで回り込むデザインとすることで、一体的に包まれているような感覚が得られます。このウッドトリムは、「ブラウンウォールナットウッドトリム」標準仕様とし、AMGラインを選択すると「ハイグロス・スレートポプラウッドトリム」が装着されます。
センターコンソール、ドアパネル、ステアリングなどにはブラックパネルのスイッチ類が採用され、必要に応じて点灯したり、触覚フィードバックをするなどの使い勝手も考慮されています。
また、室内を彩る 「アンビエントライト」も、先代と比べLED光源の数は40個から標準ボディで247個、ロングボディで263個となり、1平方メートル当たり最大200カンデラと、先代の10倍の明るさを実現。
周囲の明るさに応じて日中モードと夜間モードが自動で切り替わるとともに、手動でも20段階で調整することができ、64色から選択可能となっています。
さらに流れるような光の効果や、光の帯内部での緩やかな変化を生み出すほか、単色の発光に加えて色の連続変化を楽しむこともできます。そしてエアコンの温度設定に連動して、青や赤にも点灯します。
さらに、音声入力を行っているシートをハイライトしたり、停車時にドアを開けようとした際に危険がある場合、警告で赤く点灯するなどの機能も備わっています。
メルセデスAMGの内装・設備の特徴
インテリア、Sクラスの高い質感をそのままに、AMG固有の機能を組み合わせた特別仕立てです。優れた座り心地を実現するダイヤモンドステッチ入りのナッパレザーシート、ダッシュボードやドアトリムなどにナッパレザーをあしらったフルレザー仕様とし、スポーティでラグジュアリーな空間を演出しています。
その他、AMGパフォーマンスステアリング(ナッパレザー)、AMGドライブコントロールスイッチ、AMGスポーツペダル、AMGロゴ入りイルミネーテッドステップカバーを採用。
また、AMG専用ダイヤモンドステッチのシートに加え、AMGバッジ付き前席バックレスト、ヘッドレストにエンボス加工された AMGロゴを採用。ドライビングに集中しながら各種メニュー操作が可能なAMGドライブコントロールスイッチを備えた「AMGパフォーマンスステアリングホイール」を標準装備しています。
価格とメンテナンスコストの比較
ここでは、メルセデスベンツSクラスとメルセデスAMG Sクラスの車両本体価格および維持費について比べてみましょう。
メルセデスベンツSクラス
モデル | メーカー希望小売価格(税込) |
---|---|
S 450 d 4MATIC(ISG搭載モデル) | ¥15,180,000 |
S 500 4MATIC(ISG搭載モデル) | ¥16,060,000 |
S 580 4MATIC(ISG搭載モデル) | ¥18,330,000 |
S 500 4MATIC ロング(ISG搭載モデル) | ¥19,850,000 |
S 580 4MATIC ロング(ISG搭載モデル) | ¥22,330,000 |
年間維持費の内訳(参考値)
S 450 dを例にすると
- 重量税:16,400円(49,200円÷3年分)
- 自動車税:51,000円
- 自賠責保険:10,000円
- 任意保険:50,000円〜(車両保険別)
- ガソリン代:140,000円〜
- 法定1年点検:40,000円〜
合計:307,400円〜
メルセデスAMG Sクラス
モデル | メーカー希望小売価格(税込) |
---|---|
メルセデスAMG S 63 E PERFORMANCE | ¥35,760,000 |
年間維持費の内訳(参考値)
メルセデスAMG S 63を例にすると
- 重量税:20,500円(41,000円÷2年分)
- 自動車税:88,000円
- 自賠責保険: 20,010円
- 任意保険:80,000円〜(車両保険別)
- ガソリン代:180,000円〜
- 法定1年点検:80,000円〜
合計:307,400円〜
両者を比較しても維持費には大きな差はないと言えます。
ターゲットと用途の違い
メルセデスベンツSクラス、そしてメルセデスAMG Sクラス、それぞれのターゲットを考察してみましょう。
各モデルがターゲットとする消費者層とそのライフスタイル
名実ともに最高級車であるSクラスに相応しい、40代〜70代の経営者あるいは士業、有名企業の管理職に就く方など、社会における成功者の方はもちろん、メルセデスベンツSクラスを手に入れることで、さらに自分を鼓舞したいという野望・野心を秘めた方にもおすすめしたいモデルといえます。
地位が人を作ると同時に、クルマが人を作ることもあります。名実ともにメルセデスベンツSクラスに相応しい大人を目指す…。そんな生き方を実践したくなる魅力と魔力を秘めているのが、このクルマのセールスポイントかもしれません。
また用途や好みに基づいた適切なモデルは以下のようになるでしょう。
メルセデスベンツSクラス
- 飽きがこない、そして長く付き合える高級車をお求めの方
- ゴルフや国内旅行の安全かつ快適な足としてSクラスを使いたい方
- 衣食住を含め、ライフスタイルのすべてにラグジュアリー志向の方
メルセデスAMG S 63
- メルセデスベンツの最高級モデルであるSクラスをさらにハイパフォーマンスに仕立てたモデルに乗りたい方
- 人とは違う、さらに上級かつハイスペックなSクラスを求める方
- ガソリンエンジンのほぼ最終形ともいえるハイパフォーマンスエンジンを今のうちに存分に楽しみたい方
まとめ
メルセデスベンツSクラスならびにメルセデスAMG Sクラスは、選ばれし者だけがステアリングを握ることを許されるクルマです。
本当にこのクルマに相応しいオーナーになるために、そしていまの社会的な地位を永続的に維持するために何ができるのか?何をすればいいのか?そんなことに想いをめぐらせながらこのクルマのステアリングを握り、じっくりと自身の考えを固めていく…。そんな動く書斎ともいえる存在です。
近い将来、メルセデスベンツSクラス、そしてメルセデスAMG Sクラスも電気自動車へと置き換わっていくのかもしれません。大排気量のガソリンエンジン、そしてありあまるパワーとトルクを堪能できる時間は意外と限られているのかもしれません。
私たちトップランクでは、そんなガソリンエンジンで動く最後の(かもしれない)メルセデスベンツSクラス、そしてメルセデスAMG Sクラスの高品質な中古車を皆さまにお届けするべく、日々、リサーチを続けております。
トップランクこだわりの、厳選されたメルセデスベンツSクラス、そしてメルセデスAMG Sクラスの高品質な中古車をぜひその目でご覧いただきたく、皆さまのお問い合わせを心よりお待ちしております。