ボルボカーズ屈指のベストセラーモデル、ボルボ XC60の魅力に迫る

ボルボといえば、少し前の日本でのイメージはステーションワゴンという人も多いのではないでしょうか。昨今、世界的に人気のボディタイプといえばSUVであり、ボルボといえども例外ではありません。

そのなかでもボルボの屋台骨を支えているモデルのひとつでもある「XC60」。今回は、日本でも人気の互いこの「XC60」について解説します。

目次

ボルボ XC60とは?

2008年にデビューしたボルボのミドルサイズSUVである「XC60」。ボルボカーズの世界販売の約30%を占める最重要モデルでもあります。日本では2009年に販売が開始され、国内で初めて完全停止する自動ブレーキを搭載したモデルです。

2008年に発売された初代XC60の後継モデルは、2017年10月にフルモデルチェンジが行われ、現在にいたります。2代目となるXC60は、安全性を飛躍的に向上させ、電動化や高度な運転支援技術の搭載を見据えた「スケーラブル プロダクト アーキテクチャー(SPA)」プラットフォームにより開発されています。

同時に、T字型のトールハンマーヘッドライトを象徴とする、ボルボの新しいデザインが採用されたモデルでもあります。洗練されたスタイリングは国内外で高く評価され、2017-2018日本・カー・オブ・ザイヤーをはじめ、ワールド・カー・オブ・ザ・イヤーや北米SUV・オブ・ザ・イヤー等、多くの賞を受賞したモデルであり、グローバルおよび国内ともにXC40に次ぐ主力モデルとなっています。

XC60は、ボルボカーズのベストセラーモデルであり、2代目のXC60は、これまでに世界中で150万台以上が販売されており、2024年には過去最高の年間販売記録を達成しています。日本においても、2017年に導入され日本カーオブザイヤー(2017-2018)を受賞し、2024年までに累計で約23,000台を販売している、ボルボ車の主力モデルといえる重要なクルマなのです。

あわせて読みたい
ボルボXC40のおすすめグレードを紹介 XC40は、ボルボ初のコンパクトSUVとしてデビューしました。ボルボの高い安全性能はそのままに、強豪モデルがひしめき合う世界的に人気のCセグメントカテゴリーへ初参戦...

2代目ボルボ XC60のデビュー時のモデル概要

ボルボ カー グループのデザイン担当上級副社長であるトーマス インゲンラート氏は「XC60は、自らを誇示する為ではなく、運転するためにデザインされたSUVです。エクステリアはスポーティな造形で繊細かつ普遍的なクオリティを感じさせます。

インテリアはしっかりとまとめられ、美しい素材と最新のテクノロジーが組み合わされています。全てが完璧に溶け込んで一体化しています。XC60は、お客様に特別な雰囲気を感じさせる真のスカンジナビアンエクスペリエンスを提供しています」と語っています。

また、2代目にあたる現行モデルのXC60には、3つの新しい技術が採り入れられています。

ステアリング・アシスト機能

車両や歩行者、サイクリスト、大型動物との衝突を回避・軽減するオートブレーキシステム「シティ セーフティ」にステアリング アシスト機能を追加。このシステムは50km/h~100km/hの速度域で作動し、オートブレーキだけでは衝突を回避できない場合に、ステアリングの操作をアシストして前方の障害物を避けるサポートを行う機能です。

オンカミング レーン ミティゲーション(正面衝突回避支援機能)

オンカミング レーン ミティゲーションと呼ばれるセーフティシステムは、クルマが走行車線から対向車線への意図しないはみ出しを検知すると、ドライバーに警告するとともに、ステアリングのオートアシストによってクルマを対向車線から元の車線に戻します。このシステムは、60km/h〜140km/hの速度域において作動します。 

BLIS(ブラインド スポット インフォメーション システム)に、ステアリング アシストを追加

ボルボのBLIS(ブラインド スポット インフォメーション システム)が進化を遂げ、ステアリングアシストの機能を利用して車線変更時における衝突のリスクを軽減します。ドライバーの死角に他の車両が存在することを警告し、ステアリングの自動操作によってクルマを元の車線に戻し、死角に入っている車両との衝突を回避します。

ボルボ XC60のマイナーチェンジおよび仕様変更について

2017年のデビュー以来、ボルボ XC60はさまざまな仕様変更を行ってきました。時系列で紹介していきます。

2019年3月の仕様変更では「CTA(クロス トラフィック アラート)」に衝突回避・被害軽減ブレーキ機能を追加。駐車スペースから後退して出発する際、リアバンパーに内蔵されたミリ波レーダーが接近する車両や歩行者、サイクリストを検知し、警告音で知らせるだけでなく、新たに衝突の回避または被害の軽減を図るブレーキが作動します。

また、車線を維持するためにステアリングを穏やかに自動的に修正し、車線の中央を保持できるよう支援する「パイロット・アシスト(車線維持支援機能)」にステアリングホイールの微振動により運転者に一時解除を知らせる機能も新たに追加されました。

2020年4月の仕様変更では、ボルボ初となる新開発48Vハイブリッドパワートレーン「B5」パワートレーンは、ISGM(インテグレーテッド スターター ジェネレーター モジュール)による回生ブレーキで発電した電力を48Vリチウムイオンバッテリーに蓄電し、エンジンの始動や動力補助を行うハイブリッドシステムを搭載しています。

また、スターターモーターに代わり、先述のISGMを使い、エンジンの始動を行うことでアイドリングストップ後の再始動時におけるノイズやバイブレーションの大幅な低減を実現しています。さらに、エンジン本体にも大幅な改良が施され、気筒休止機構の採用との相乗効果もあり、上質感のある走行性能と実用域での燃費を向上させています。

そのほか、ギアセレクターをバイワイヤー化したことにより「XC60 B5 AWD Inscription」にはスウェーデンオレフォス社のクリスタルガラスシフトノブを採用しています。

2021年9月の仕様変更では、内外装に新しいデザインを採用したほか、Googleを搭載した Androidベースの新しいインフォテイメントシステムを装備。Googleアシスタントを使えば、ドライバーは運転に集中したまま、声でさまざまな機能をコントロールすることが可能でます。

それ以外にも、エアコンの温度調節や目的地の設定、音楽やポッドキャストの再生、メッセージの送受信や、その他のGoogleアシスタント対応デバイスの操作まで、ドライバーはハンドルから手を離さずに行うことが可能となりました。新しいインフォテイメントシステムには、「Google Apps and Services (Google アプリ/サービス)」と、緊急通報サービスや故障通報サービスなどと連携する「Volvo Cars app(テレマティクス・サービス/ボルボ・カーズ・アプリ)」が採用されています。

2022年7月の仕様変更では、最上級モデルとなる「Ultimate」(アルティメット)と、装備を充実させた「Plus」(プラス)の2グレードを基本とするラインナップへと変更されました。また、アルミホイールのデザインを一新。新外装色 ブライトダスクメタリックを設定。外観が変更されたプラグイン・ハイブリッド最上級モデル「Ultimate T6 AWD plug-in hybrid」と、充実装備のFF(前輪駆動)モデル 「Plus B5」をラインナップしています。

2023年8月の仕様変更では、オプション(有償)カラーであったプレミアムメタリックペイントが標準色(無償)に変更されています。また「Plus B5」の本革シート、エアピュリファイヤー(アドバンスト エア クリーナー、PM2.5センサー付き)、フロントシートの助手席シートメモリー機構、電動ランバーサポート(4ウェイ)、電動クッション・エクステンションを標準装備しています。

従来はクライメート パッケージアイテムであった、フロントシートヒーター、リアシートヒーター、ステアリングホイールヒーターも標準装備に変更されています。

2023年8月の仕様変更では、センターディスプレイが9インチから11.2インチに大型化されたほか、従来比で解像度が21%向上し、情報をより鮮明に表示できるように。さらに、Googleを搭載したインフォテインメントシステムは、従来と比べて情報処理速度が2倍以上に、グラフィック生成速度も10倍に向上し、より快適でスムーズな操作を実現しています。

外観も仕様変更が行われ、ボルボのアイコンであるアイアンマークと斜線が重なり合うデザインを取り入れたフロントグリルは、XC90に共通したデザインとなっています。さらに、新デザインのホイール、ダークカラーに変更されたフルLEDテールライトを採用しています。

さらに、新色となる「フォレストレイク」「オーロラシルバー」「マルベリーレッド」を追加。室内では、レザーフリー素材の採用を拡大。最上級のUltraグレードでは、従来のファインナッパレザーに加え、100%リサイクルポリエステル素材「ネイビー ヘリンボーンウィーブ」を無償オプションに設定。

また、Plusグレードには、従来の本革シートに替わり、リサイクル素材とバイオベース素材から作られる「ノルディコ」シートを標準装備。また、全グレードにテイラード 1ダッシュボードやオレフォス社製クリスタルシフトノブを採用するなど、スカンジナビアンデザインならではの上質で心地よい空間の演出と、さらなる環境負荷の低減を果たしています。

そのほか、ピラーやエンジンルーム等への遮音材の追加採用により、室内の静粛性が向上しています。

ボルボ XC60の最新の新車価格および中古車相場

ボルボ XC60新車価格について

※この価格は2025年6月時点のものです。

プラス B5:7,890,000円
  • 全長×全幅×全高:4710×1900×1660mm
  • ホイールベース:2865mm
  • 車両重量:1820kg
  • 駆動方式:FF
  • トランスミッション:8速AT
  • エンジン:水冷直列4気筒DOHC16バルブICターボ+モーター
  • 排気量:1968cc
  • エンジン最高出力/最大トルク:250ps/360N・m
  • ステアリング:右
ウルトラ B5 AWD:8,790,000円
  • 全長×全幅×全高:4710×1900×1660mm
  • ホイールベース:2865mm
  • 車両重量:1900kg
  • 駆動方式:フルタイム4WD
  • トランスミッション:8速AT
  • エンジン:水冷直列4気筒DOHC16バルブICターボ+モーター
  • 排気量:1968cc
  • エンジン最高出力/最大トルク:250ps/360N・m
  • ステアリング:右
ウルトラ B5 AWD エアサスペンション装着車:9,120,000円
  • 全長×全幅×全高:4710×1900×1660mm
  • ホイールベース:2865mm
  • 車両重量:1930kg
  • 駆動方式:フルタイム4WD
  • トランスミッション:8速AT
  • エンジン:水冷直列4気筒DOHC16バルブICターボ+モーター
  • 排気量:1968cc
  • エンジン最高出力/最大トルク:250ps/360N・m
  • ステアリング:右
ウルトラ T6 AWD プラグインハイブリッド:10,290,000円
  • 全長×全幅×全高:4710×1915×1660mm
  • ホイールベース:2865mm
  • 車両重量:2180kg
  • 駆動方式:フルタイム4WD
  • トランスミッション:8速AT
  • エンジン:水冷直列4気筒DOHC16バルブICターボ+モーター
  • 排気量:1968cc
  • エンジン最高出力/最大トルク:253ps/350N・m
  • ステアリング:右

ボルボ XC60の特別仕様車および限定車

T8 ポールスターエンジニアード(2020年11月発売/特別仕様車):10,240,000円
  • 全長×全幅×全高:4690×1940×1660mm
  • ホイールベース:2865mm
  • 車両重量:2160kg
  • 駆動方式:フルタイム4WD
  • トランスミッション:8速AT
  • エンジン:水冷直列4気筒DOHC16バルブICターボSチャージャー+モーター
  • 排気量:1968cc
  • エンジン最高出力/最大トルク:333ps/430N・m
  • ステアリング:右
T8 ポールスターエンジニアード(2021年9月発売/限定40台):10,340,000円
  • 全長×全幅×全高:4710×1940×1660mm
  • ホイールベース:2865mm
  • 車両重量:2140kg
  • 駆動方式:フルタイム4WD
  • トランスミッション:8速AT
  • エンジン:水冷直列4気筒DOHC16バルブICターボSチャージャー+モーター
  • 排気量:1968cc
  • エンジン最高出力/最大トルク:333ps/430N・m
  • ステアリング:右
アルティメット B5 AWD ラグジュアリーエディション(2021年9月発売/特別仕様車):10,340,000円
  • 全長×全幅×全高:4710×1900×1660mm
  • ホイールベース:2865mm
  • 車両重量:1920kg
  • 駆動方式:フルタイム4WD
  • トランスミッション:8速AT
  • エンジン:水冷直列4気筒DOHC16バルブICターボ+モーター
  • 排気量:1968cc
  • エンジン最高出力/最大トルク:250ps/350N・m
  • ステアリング:右
アルティメット B5 AWD アクティブスタイルエディション(2024年7月発売/特別仕様車):8,390,000円
  • 全長×全幅×全高:4710×1900×1660mm
  • ホイールベース:2865mm
  • 車両重量:1900kg
  • 駆動方式:フルタイム4WD
  • トランスミッション:8速AT
  • エンジン:水冷直列4気筒DOHC16バルブICターボ+モーター
  • 排気量:1968cc
  • エンジン最高出力/最大トルク:250ps/350N・m
  • ステアリング:右
アルティメット B5 AWD アクティブスタイルエディション エアサスペンション装着車(2024年7月発売/特別仕様車):8,700,000円
  • 全長×全幅×全高:4710×1900×1660mm
  • ホイールベース:2865mm
  • 車両重量:1930kg
  • 駆動方式:フルタイム4WD
  • トランスミッション:8速AT
  • エンジン:水冷直列4気筒DOHC16バルブICターボ+モーター
  • 排気量:1968cc
  • エンジン最高出力/最大トルク:250ps/350N・m
  • ステアリング:右
ウルトラ T6 AWD プラグインハイブリッド ブラックエディション(2024年9月発売/特別仕様車):10,390,000円
  • 全長×全幅×全高:4710×1915×1660mm
  • ホイールベース:2865mm
  • 車両重量:2180kg
  • 駆動方式:フルタイム4WD
  • トランスミッション:8速AT
  • エンジン:水冷直列4気筒DOHC16バルブICターボ+モーター
  • 排気量:1968cc
  • エンジン最高出力/最大トルク:253ps/350N・m
  • ステアリング:右
ウルトラ B5 AWD ダークエディション(2025年1月発売/特別仕様車):8,790,000円
  • 全長×全幅×全高:4710×1900×1660mm
  • ホイールベース:2865mm
  • 車両重量:1900kg
  • 駆動方式:フルタイム4WD
  • トランスミッション:8速AT
  • エンジン:水冷直列4気筒DOHC16バルブICターボ+モーター
  • 排気量:1968cc
  • エンジン最高出力/最大トルク:250ps/350N・m
  • ステアリング:右
ウルトラ B5 AWD ダークエディション エアサスペンション装着車(2025年1月発売/特別仕様車):9,100,000円
  • 全長×全幅×全高:4710×1900×1660mm
  • ホイールベース:2865mm
  • 車両重量:1930kg
  • 駆動方式:フルタイム4WD
  • トランスミッション:8速AT
  • エンジン:水冷直列4気筒DOHC16バルブICターボ+モーター
  • 排気量:1968cc
  • エンジン最高出力/最大トルク:250ps/350N・m
  • ステアリング:右

ボルボ XC60 中古車相場(2025年6月現在)

ボルボ XC60 中古車相場(2025年6月現在)
  • 生産期間:2017年10月~
  • 中古車の価格帯:169.8万円~999万円
  • 平均価格:486万円

ボルボ XC60のライバル車は?

BMW X3をはじめ、メルセデス・ベンツGLC、レンジローバー イヴォーク、アウディQ5、レクサスNXといった、各メーカーのSUVが挙げられます。いずれも各自動車メーカーのラインナップのなかでも人気モデルばかり。つまり「ボルボ XC60一択」でもない限り、実に悩ましい選択を迫られることとなります。

各メーカーそれぞれに特徴や個性があります。当然のことながら乗り心地やステアリング越しに伝わってくるフィーリングもまったく異なります。スポーティなデザイン、そして走りの質感を求めるならメルセデス・ベンツGLCやBMW X3、アウディQ5といったドイツ車勢がおすすめです。

人と違うモデルに乗りたいのであれば、ボルボ XC60やレンジローバー イヴォーク、日本車ならではの安心感と質感の高さを求めるならレクサスNXといった具合に、自身や同乗する機会が多いパートナーの人との好みの違いやクルマに求めるものをじっくりと見極め、比較してみてください。その際、実車を見ることはもちろん、試乗することも強くおすすめします。

ボルボ XC60の魅力、そしておすすめのユーザー像とは?

ボルボ XC60の魅力を端的に表現するなら「どこにでも乗っていける、そしていかなる場面に乗って行っても恥ずかしくないクルマ」であることが挙げられます。旅行や日常使いはもちろん、冠婚葬祭に乗って行ってもカドが立つことはありません。

さらにいうなら、さりげなくイイクルマに乗っていることをアピールできる。つまりは「いい趣味してますね」といったパブリックイメージを周囲に与えることができる数少ないクルマなのです。

この「嫌味がない」というのは、クルマ選びにおいてなかなか重要です。お堅い仕事をしていたり、上司や取引先への配慮が必要だったり・・・。それでいて、可能な限り自分たちのライフスタイルを投影したクルマに乗りたい…。その最大公約数のひとつがボルボ XC60というわけなのです。

自己主張は控えめだけど、さりげなくセンスの良さや洗練された内外装を持つクルマに乗りたい…。そんなユーザーにこそ、おすすめしたいモデルです。

ボルボ XC60のメンテナンスを安心して任せられるショップとは?

ボルボ XC60のメンテナンスを安心して任せられるショップとは?正規ディーラーがベストな選択であることはいうまでもありません。しかし、コストを気にすることなくすべてのメンテナンスをディーラーに任せられるユーザーは限られてくるのではないでしょうか。

そうなると、どこに大切な愛車を託せばよいのか?おすすめはボルボに精通した専門店です。ただし、対象車種がクラシックモデルに限定されていたり、現行モデルにあたるXC60のメンテナンスを引き受けてくれるショップは意外と限られてきます。

民間の整備工場でも診てはくれますが、通り一遍の項目しか診られないのが現状です。そうなると、最新の輸入中古車を得意とする工場に預けるのがよい落としどころといえるでしょう。

輸入中古車の取扱いを得意とし、なおかつ整備工場を併設しているようなショップであれば安心ですし、ワンストップで完結できます。輸入中古車ビギナーはもちろんのこと、XC60をはじめとする、最近のモデルを所有しているオーナーにとっては心強い存在となってくれるでしょう。

 

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次