車検・点検
皆さんこんにちは。
今回はマツダを代表するスポーツカー「RX-7(FD3S)」がメンテナンスで入庫してきました。
中古車としても人気の高いRX-7ですが、経年劣化している部品も多く、
この車両はエンジン回転を上げていくと異音と共にシフト自体が暴れてしまうトラブルを抱えているようです。
世界唯一の市販型ロータリーエンジンを搭載するマツダのスポーツカー「RX-7」
コンパクトなエンジンに軽量化ボディが組み合わされ、製造中止から15年経ったいまでもトータルバランスの高さで一線級の戦闘力を持つクルマとして人気ですね。
リフトアップしてトラブルを詳しく調べてみると、高回転でガタガタ異音を発してミッションが暴れる原因は、
デフマウントのブッシュ消耗により負荷がかかるとデフケースごと動いてしまうことがわかりました。
FD3Sにはミッションマウントがなく、FRの欠点となる分離しているミッションとデフを一体化しハンドリングを向上させるために、
プロペラシャフトの横に沿ってPPF(パワープラントフレーム)というサブフレームを使っています(赤線部分)。
そのためデフ&エンジンマウントブッシュが消耗すると、ミッションが大きな振動を生んでしまうんですね。
ということで、デフ&エンジンマウントブッシュを交換していきます。
まずはデフマウントブッシュです。デフケースの上側にマウントが位置しているので、これを交換するためにはマフラー・プロペラシャフト・デフケース・ドライブシャフトを外します。
本来はデフケースとドライブシャフトも外しての作業になりますが、予算の都合上デフケースを傾けてマウントを取り出します。
デフマウント自体は左右で繋がっているので、狭い場所から取り出すのは知恵の輪状態(笑)
この両サイドに圧入されているブッシュを交換していきます。
マウントに圧入されているブッシュを交換するには専用のプレス機を使ってブッシュを抜きます。
ブッシュのサイズに合わせて、ジワーッと圧力をかけて抜き取る感じですね。
左が新品ブッシュで右が抜き取ったブッシュです。
古いブッシュは外周に亀裂が入って、中に入っているグリスが漏れてしまいベトベトになっています。
これでは全くゴムの機能を果たしていません。
抜き取る作業と同様にプレス機で新品ブッシュを圧入します。
入れる角度や深さをしっかり見ながら圧入していかないと、あとでガタが出る原因にもなるので特に慎重に。
また、抜き取る際にマーキングした位置から入れるブッシュがずれていないかも確認しながらですね。
ブッシュ交換したデフマウントを装着し、あとは外した部品を元に戻していきます。
駆動系まわりは強いチカラがかかる大事な部分なので、ネジの閉め忘れに注意です。
次にエンジンマウントブッシュの交換です。
FD3Sはフロントメンバーとエンジン本体の間に、左右で2か所のエンジンマウントがあります。
交換はエンジン自体を少し上げておいた状態でネジを4つほど取れば簡単に外れます。
デフマウントブッシュと同じく、エンジンマウントもゴムが裂けた状態で中のグリスが漏れてしまっていました。
ここも振動の原因となっている可能性があります。
左右交換で作業時間は10分ほど。ブッシュから漏れたグリスがフロントメンバーにびっしり付いていたので、しっかり汚れを取り除きます。
下まわりの作業が完了したところで、負荷をかけた状態での作動チェックです。
ミッションから伝わる振動や異音もなくなり、シフトも問題なく入るようになりました!
生産から10年を超えているお車は、ブッシュ類のチェックが必要不可欠です。
二次的なトラブルに繋がる前に、トップランクでは定期メンテナンスをお勧めしています。
担当:福山
【今日のどうでもいい豆知識】
・世界で最も大きい額面の硬貨は500円 特別硬貨としては、昭和天皇在位60年記念で作成された10万円の純金貨が日本硬貨の最高額。 |
トップランク・オートテクニカルベース
〒278-0005
千葉県野田市宮崎293-1
TEL:04-7128-7801 FAX:04-7128-7802
営業時間:AM10:00~PM7:00(月曜定休日)
店舗情報:アクセス