マクラーレンというブランドに憧れを抱きながら、「ちょっと手が届かないかも」と感じている方は少なくないはずです。そんな方にこそ知っていただきたいのが、マクラーレン 570Sという1台です。F1コンストラクター直系のテクノロジーを惜しみなく注ぎ込みながら、ブランド初のエントリーシリーズ「スポーツシリーズ」を代表するモデルとして設定された570Sは、近年中古車市場で価格がこなれ、手が届くスーパーカーとして注目を集めています。本記事では、マクラーレン 570Sの位置づけ、F1直系シャシーから生まれる別格のハンドリング、購入時に押さえておきたいポイントまでを徹底解説します。
マクラーレン 570Sとは|ブランドが初めて投入したエントリーシリーズ

マクラーレン市販車の歴史と570Sの位置づけ
マクラーレンの市販車ラインナップは、2011年に登場したMP4-12Cから本格的な歴史が始まりました。その後、マクラーレンらしいデザインを引き継ぎながら現在まで約10年以上にわたって受け継がれており、マクラーレンの市販車デザインの軸を作り上げてきました。570Sは、その流れの中で2015年に登場した「スポーツシリーズ」のコアモデルです。
それまでのマクラーレンには、12CやP1といったハイエンドモデルしかありませんでした。570Sはそうしたフラッグシップ群とは別軸で、ブランド初のエントリーシリーズ「スポーツシリーズ」の中核モデルとして位置づけられた特別な存在です。レーシングカー開発で培われた技術を受け継ぎながら、よりオーナーの幅を広げるために投入された戦略的な1台と言えるでしょう。
12Cから引き継がれた現行フェイスデザイン
570Sの顔つきは、12C時代に確立されたマクラーレンの基本デザインを引き継ぎながら、スポーツシリーズ独自のシャープさを加えた仕上がりになっています。マクラーレンらしい流麗で機能美に満ちたスタイリングは、登場から年月が経っても色褪せることがありません。中古車市場で出会う個体も、デザイン面で古さを感じさせない強みがあります。
ブランド初のエントリーシリーズ「スポーツシリーズ」として設定された意味
570Sがエントリーシリーズとして設定されたことは、マクラーレンというブランドの歴史において大きな意味を持っています。それまでスーパーカー専業メーカーとして特定の富裕層向けに展開していたマクラーレンが、より広いオーナー層に向けて門戸を開いた象徴的なモデルとも言えます。
570Sのスペックと上位グレードとの違い

3.8L V8ツインターボエンジン|570PSの「570」の由来
570Sの名前にある「570」は、最高出力を表す数字です。搭載されるエンジンは、3.8L V8ツインターボ(M838TE型)で、最高出力570PS、最大トルク600Nmを発揮。0-100km/h加速はわずか3.2秒、最高速度は328km/hという、スーパーカーとしてまったく不足のないスペックを備えています。
650Sなど上位グレードとの差別化ポイント
570Sのエンジンは、上位の650SやMP4-12Cと同じM838TE型V8ツインターボをベースとしています。違いはチューニングで、650Sは650PSまで引き上げられているのに対し、570Sは570PSに抑えられた仕立て。マクラーレンのラインナップでは570Sが「スポーツシリーズ」、650Sや後継の720Sは「スーパーシリーズ」とシリーズ自体が分けられており、ポジションが明確になっています。同じV8ツインターボエンジンを共有しつつ、出力や装備、シャシーチューニングの差で性格を変えるのが、マクラーレンらしい設計思想です。
内装の質感とインテリアの違い
上位の650Sや720Sと比較すると、570Sのインテリアはアルカンタラやレザーの使用範囲、カーボン素材の装着量、メーターまわりの仕立てに違いがあり、コストバランスを意識した作りになっています。それでもスーパーカーとしての本質的な質感は十分に確保されており、エントリーシリーズ「スポーツシリーズ」の中核モデルとしての気軽さと、マクラーレンならではの上質さを両立した内装に仕上がっているのが特徴です。
570Sはどんな人におすすめか

マクラーレンに一度は乗ってみたい人にとっての現実的な選択肢
「マクラーレンに一度は乗ってみたい」というドリームを持つ方は少なくありません。570Sは、そうした夢を現実的なものに近づけてくれる中古スーパーカーの代表格です。540C や マクラーレンGT 等とならんで、エンスージアスト層から熱い注目を集めています。
フェラーリ・ランボルギーニとは違う方向性を求める層
スーパーカーといえばフェラーリやランボルギーニが定番ですが、「あえてマクラーレン」を選ぶオーナーが近年確実に増えています。フェラーリの華やかさやランボルギーニの主張の強さとは異なり、マクラーレンは「モータースポーツで培われた技術を市販車へ惜しみなく投入した」純粋な走りの道具としての魅力を持っています。
コスパよくスーパーカーオーナーになりたい人
570Sは、中古車市場で値段がこなれてきたタイミングであり、コストパフォーマンスの観点でもスーパーカー入門に適したモデルです。状態の良い個体を選べば、長期的な所有満足度も高く保つことが可能です。
570Sの最大の強み|F1直系のカーボンモノコックMonoCell II

わずか80kgのカーボン製シャシーが生む別格の剛性
570S最大の魅力は、なんと言ってもF1直系のカーボンモノコックシャシー「MonoCell II」です。一般的なスポーツカーのシャシーは軽量タイプでも200kg、通常モデルだと300kg前後の重量があるのが普通ですが、MonoCell IIはなんとわずか80kg。一枚一枚カーボンを手作業で積層し、しっかりと焼き固めて作り上げる本格派のモノコックシャシーで、市販車にここまでのシャシーを搭載しているクルマはほとんど存在しません。
MonoCell Iから進化したMonoCell IIの「乗り降りしやすさ」
MonoCell IIの興味深い特徴は、剛性を上げながらも開口部を広げ、乗り降りのしやすさを実現している点です。一般的にスポーツカーのシャシーは、剛性を稼ぐために開口部を狭くする傾向があります。狭いほど剛性が上がりやすく、コーナリング性能にも有利になるためです。
しかしマクラーレンはMonoCell IIで、シャシーの内部構造とカーボンの厚みを徹底的に調整することで、剛性を妥協せずに開口部を広げる設計を実現しました。これにより、サーキット走行を視野に入れた強固な骨格と、日常使用のしやすさを高い次元で両立できているのです。
ライバル車では味わえないシャシー由来のフィーリング
シャシーが軽くて剛性が高いということは、運転者に対する情報量の精度が一段違うレベルで上がるということです。570Sのステアリングを握ると、路面の細かい凹凸からタイヤのグリップ状態まで、シャシー越しに鮮明に伝わってきます。フェラーリやランボルギーニでも味わえない、マクラーレン特有のシャシーフィーリングがここにあります。
異次元のハンドリングと両立した上質な乗り心地

フェラーリ・ランボルギーニのワンランク上のハンドリング性能
マクラーレン 570Sのハンドリングは、率直に言って「異次元」です。フェラーリやランボルギーニのスーパーカーが達成しているハンドリング性能の、さらにワンランク上の領域にあると感じさせる仕上がりです。
通常のクルマはコーナリングで3段階程度のロールしか感じ取れませんが、570Sはまるでドライバーに対して10段階で姿勢変化をインフォメーションしてくれるかのようです。クルマの傾く絶対量自体はむしろ小さいのに、姿勢変化の繊細さがそのまま伝わってきます。
スーパーカーらしからぬノーマルモードの快適性
ここまでハンドリングを追い込んでいると、乗り心地が犠牲になっていそうに感じる方もいるかもしれません。しかし570Sの面白いところは、ノーマルモードでの乗り心地が驚くほど上質という点です。
その理由は、シャシー本体の素性が極めて優れているためです。BMW MモデルやAMGなども高い運動性能を実現していますが、570Sは専用設計のカーボンモノコックシャシーを採用しているため、異なるアプローチで高い快適性と運動性能を両立しています。結果として、ノーマルモードでは「レーシングカー由来の設計思想を持つスポーツカーとは思えない」乗り心地が実現されています。
トラックモードに切り替えた瞬間の変化
ノーマルモードの快適性とは対照的に、トラックモードへ切り替えると、もともと備えている高い運動性能をさらに引き出すセッティングへと変化します。足回りはより引き締まり、アクセルレスポンスやステアリングフィールも一段とダイレクトになり、サーキット走行時には570S本来のポテンシャルを存分に味わえます。日常使いでの快適性と本格的なスポーツドライビングを高いレベルで両立している点こそが、570Sの大きな魅力です。
バタフライドアの隠れた合理性

なぜマクラーレンは斜め上方向に開くドアを採用するのか
マクラーレンの象徴とも言えるバタフライドア(ディヘドラルドア)は、見た目のインパクトだけで採用されているわけではありません。実はサイドシルが他のクルマよりも大きく張り出している構造ゆえの、機能的な必然性があります。
強固なサイドシルとバタフライドアの組み合わせの意味
カーボンモノコックシャシーの剛性を高めるため、570Sのサイドシルは通常のクルマよりかなり外側に張り出しています。横方向に開くドアだと、このサイドシルがあるために乗り降りで足を大きく上げる必要が出てきますが、ドアを斜め上方向に開くことで、開口部の上方向への余裕が生まれ、人間が体を起こしながら乗り降りしやすくなるのです。
つまりバタフライドアは見た目の派手さではなく、強固なシャシーと乗り降りのしやすさを両立するための合理的な設計の結果ということです。マクラーレンの設計思想を象徴する装備と言えるでしょう。
中古で570Sを購入する際に知っておきたいこと

パーツ供給と整備体制の確保
マクラーレンを中古で所有するうえで意識しておきたいのが、パーツ供給と整備体制です。マクラーレンは生産台数が限られるブランドのため、街の整備工場で気軽に整備というわけにはいかず、整備はマクラーレンに精通した専門ファシリティで行うのが基本となります。購入時には、購入後の整備計画もあわせて検討しておくと安心です。
信頼できる販売店から保証付き個体を選ぶ重要性
570Sのようなスーパーカーでは、信頼できる販売店から保証付きの個体を選ぶことが、購入後の満足度を大きく左右します。整備履歴の透明性、保証プログラムの充実度、購入後のサポート体制を含めて総合的に判断するのが、後悔しない購入への近道です。
マクラーレン 570Sを購入するなら信頼できる輸入車専門店で
ここまで見てきたように、マクラーレン 570Sは、F1直系のテクノロジーをエントリーシリーズというパッケージに落とし込んだ、唯一無二の中古スーパーカーです。MonoCell IIシャシーが生み出す異次元のハンドリングと意外なほど上質な乗り心地、そしてバタフライドアに込められた合理性。フェラーリやランボルギーニとは違う方向性を求める方にとって、まさに理想的な1台と言えるでしょう。
ただし、570Sのようなスーパーカーは、整備体制やパーツ供給のノウハウを持った専門店から状態の良い個体を選ぶことが、所有後の満足度を大きく左右します。マクラーレンを含むスーパーカーを多数取り扱い、自社サービス拠点を持つトップランクであれば、状態の良い車両を見極めてご提案するだけでなく、購入後のアフターサービスも充実しているため安心です。マクラーレン 570Sの中古車を検討し始めたときは、ぜひトップランクにご相談ください。



