現在の外車は昔ほど敷居の高い存在ではありません。新車でも手の届く価格帯のモデルが増え、中古車では新車購入を想定した予算で選択肢が大きく広がります。欲しかったモデルの上級グレード、ステップアップしたモデルも狙えます。
外車購入を考える際、多くの方が心配するのはメンテナンスをどうすれば良いかという点ではないでしょうか。今回はこれから購入する方、すでにオーナーの方が気にしているメンテナンスについて紹介します。
外車こそメンテナンスが大事

外車の場合、多くのメーカーは自社の所在する国での使用を想定して、車両開発を行っています。外国から見て日本の交通事情は、渋滞や短距離移動が多く少々過酷な面があります。日本で使用する上でのメンテナンスの必要性について確認しましょう。
そもそもメンテナンスとは?
「メンテナンス」という言葉をよく目にするものの、多くの方はなんとなくしか理解していないかもしれません。メンテナンスとは「整える」ことになります。人間でも「ボディメンテナンス」というように体調を整える表現等に使われています。
クルマでも同じように、外観を綺麗に維持するために洗車などの「メンテナンス」、問題なく走行することができるようにエンジンオイル交換などの「メンテナンス」が必要となります。
理想的なのは、故障を防ぐために先回りしてメンテナンス(整備)を行い、車の調子を万全に維持することです。故障が原因で予定が狂ってしまうこともあります。最悪のケースとしては事故の発生にも繋がります。
故障してから修理対応を行う場合、最初の故障が原因による別の故障が発生する可能性も考えられます。それらのことを踏まえ、メンテナンスは重要なことと認識してもらえればと思います。
外車のメンテナンスが大事な理由
欧州や北米ではクルマでの移動がメインとなり、長距離移動を日常的に行っているイメージを多くの方が持っていると思います。実際に100キロ先のレストランへランチに出かけたり、片道400キロの場所へ日帰りで出かけることも日常の風景となっています。
一回あたりの走行距離が多いため、トータルの走行距離も日本ユーザーの使用環境と比べて多くなります。その点から、外車は走行距離が多くても大丈夫だと思われるかと思います。しかし外車の場合、国産車と比べ消耗部品の耐久年数や距離は短く設定されています。
その背景には、高速移動が主流となっている交通事情も関係しています。高速走行を想定したクルマ造りをしているため、ブレーキをかけた際の制動力を優先しています。外車のホイールが黒く汚れているのをよく見かけることがあると思います。
長期間洗車していないわけではなく、ブレーキの制動力を高める素材が原因で汚れが発生しています。国産車の場合、ブレーキパッド交換2回に対し、ブレーキローター交換は1回が目安とされています。しかし、外車の場合、ブレーキパッドとブレーキローターは同時交換が基本とされています。これは、双方の部品の性能を最大限発揮させ、ブレーキの制動力を高めるためです。
また、高速走行が前提となっているため、日本の都市部のように渋滞が多い地域ではエンジンルーム内に熱がこもりやすくなります。そのため、冷却水やオイルなどの液体類、エンジンルーム内の樹脂部品にも大きな負担がかかります。
外車の場合、使用する想定環境の違いから日本ではクルマへの負担は大きくなってしまいます。そのため、故障によるアクシデントを防ぐためにも、早めのメンテナンスが重要です。
メンテナンス履歴の確認方法は?

中古車の場合、過去のオーナーが行ってきたメンテナンスの履歴は気になると思います。すでに乗っている愛車も、今までのメンテナンス履歴を振り返りたいケースもあります。
その際に確認する方法を紹介していきます。
メンテナンスノート
これまでにどのようなメンテナンスを受けていたかを把握するための手段として、メンテナンスノート(整備記録簿)があります。人間で例えるならばカルテになります。
比較的新しい年式のモデルは、新車購入時のディーラーでメンテナンスを受けているケースが多いです。少し古いモデルの場合、複数のオーナーを経由しているケースも多く、ディーラーだけでなく専門店やカー用品店など、メンテナンスを受けた場所が多岐にわたることもあります。そんなケースでもメンテナンスノートが残っていれば過去のメンテナンス履歴を把握することができます。
中古車の購入を考えている際には、見に行ったタイミングでメンテナンスノートも見せてもらうようにしましょう。そこには過去に整備を行った詳細な内容や実施店舗の情報が残っています。記載されている内容や詳細がわからない際には、遠慮なく記載内容について説明をしてもらうようにしましょう。
もし購入予定の車両にメンテナンスノートがなく、実車の状態から判断できない場合は、購入を見送るのが無難でしょう。
定期点検の入庫
クルマには6か月、12か月、24か月点検という定期点検があります。この点検のタイミングで、プロの整備士に愛車の状況を確認してもらうことができます。車両全体の現状把握、消耗部品の劣化具合等を確認してもらい、重要度に合わせてメンテナンスを行いリフレッシュすることは可能です。
中古車の場合、購入時に点検をお願いすることが可能な場合が多くあります。自社で工場を持っている場合、点検の結果をタイムリーに直接確認することが可能です。また、車検が切れている車両の場合は、車検を取得して納車する際に24か月点検の項目を確認する必要があります。その際、車検に適合できない部分は部品交換や調整等の整備を行う必要が出てきます。
車検取得に向けた整備は、必要最低限のみで行われることが多いです。整備を実施するタイミングでもあるため、消耗部品の交換も併せて依頼し、リフレッシュすることをおすすめします。
外車のメンテナンスはどこですればよい?

外車を中古で購入した際、メンテナンスをどこにお願いすればよいのか迷ってしまうと思います。ここでは、それぞれのメリットを紹介していきたいと思います。
ディーラー
新車の販売も行うディーラーでは、自動車メーカーからの情報が一番に入ってきます。リコールはもちろん、サービスキャンペーンといった重要度がリコールほど高くない品質向上対応作業についても把握しています。
現代のクルマは、診断機を接続して設定やプログラムの変更が可能なため、メーカーからアップデートプログラムの情報が提供された際に、メンテナンスと合わせて実施を依頼できます。年式の新しい車両にはメリットが多いと考えられます。
専門店
特定のメーカーやモデル、ちょっと特殊なスポーツモデルといった、それぞれの得意分野を持つ専門店も多くあります。
ここでは、得意なメーカーやモデルを多く取り扱っているため、それぞれのウィークポイントを把握しており、事前に対策を行うことで不安要素を減らすことも可能となります。
中古車販売を行っている場合、購入前から専門店ならではの視点でメンテナンスを施した上で販売されているケースがあります。
前オーナー時代からそのお店でメンテナンスを行っていた場合は、それまでの履歴がはっきりしているため安心感はあります。カスタムも得意な専門店の場合、購入時に新しいオーナーの要望を取り入れたカスタムとメンテナンスを合わせたメニューを提案してくれることもあります。
また、少し古いモデルになった場合、ディーラーで対応することが困難な場面が発生することがあります。そんなモデルの駆け込み寺となっているお店もあります。
専門店ではブログなどで情報を発信していることが多いため、欲しいモデルが決まっている場合は、インターネットでそのモデル名を検索すると見つかることがあります。
カー用品店
一番身近な存在であり、気軽に相談できるのはカー用品店でしょう。大手のカー用品店では、外車への対応メニューも近年増え始めています。以前は外車のエンジンオイル交換に対応してもらえないこともありました。
現在ではエンジンオイルやオイルフィルターを在庫している店舗も増えているので、国産車同様に作業予約をして持っていくだけで対応してもらえるようになっています。そのような店舗では、メンテナンス時期をメーターに表示する機能をリセットするためのテスターを備えていることが多くあります。
外車の場合、テスターでメンテナンスモードへの切り替えを行わなくてはならないこともあります。テスターを備えている店舗では、軽微な不具合やエラーが表示された際にも相談に対応してもらえるでしょう。
メンテナンスの度合いによってそれぞれ依頼先を使い分けることも、メンテナンスのコツともいえるでしょう。
自宅で自分でもできる外車のメンテナンスは?

メンテナンスはお店に頼むだけが全てではありません。自分でできるメンテナンスについて紹介していきます。自分でやることで愛着も湧き、愛車の異常にいち早く気付けるようになるかもしれません。
実車の確認
簡単にでき効果の高いメンテナンスとしては、タイヤの空気圧チェックになります。近年、セルフのガソリンスタンドが増えたことで、タイヤの空気圧確認をお店に提案される機会も減りました。関心がない場合、確認するタイミングが定期点検のみになっていることがあります。
ガソリンを入れるタイミングで空気圧を適正圧力まで補充することも、立派なメンテナンスになります。もし1本だけ空気圧が低い状態であれば、パンクの可能性もあります。空気圧が低い状態で高速走行をすると、タイヤが波打つ状態となりバーストの危険性があります。
空気圧が燃費へ与える影響は意外と大きく、最近燃費が悪くなったと感じている場合には改善効果があります。タイヤを近くで確認することで、残り溝や亀裂といった劣化に気づくこともできます。
意外かもしれませんが、自分で洗車をすることもメンテナンスといえるでしょう。洗車後、拭き上げる際に注意深くチェックしてみてください。ヘッドライトやテールライトの内部に水滴が入っていないか?取れかかっている部品はないか?など気づくことができます。
ライト内部に水滴が入っていた場合、漏電を起こしてバッテリー上がりにつながることや、ライトが点灯しなくなる危険性があります。早期発見によって、事故や大きな故障を未然に防ぐことができます。
メンテナンスノートの確認
愛車のこれまでの点検や車検に出した際の結果を振り返るには、メンテナンスノートの確認が一番となります。これまで定期点検を行った際の点検記録、整備の実施内容が書いてあります。
意外と忘れがちですが、消耗部品の交換時期を確認することで、今後のメンテナンスタイミングを考える際の参考になります。
前述の実車を見てメンテナンスをした際、タイヤの残量は前回の点検時からどれほどの距離を走り、どれほど減っているのかが分かれば次回の交換タイミングを把握することも可能となります。
メンテナンスノートには日常点検の結果を書くページが用意されていることもあります。そこに気づいたことを記載しておけば、次回の点検時に併せて確認を依頼することを忘れずに済むメリットがあります。
もし、これから外車の中古車購入を考えている中で、メンテナンスについて分からないことや不安があれば、是非トップランクにご相談ください。経験豊富なスタッフがメンテナンスについてアドバイスし、素敵な一台との出会いをお手伝いいたします。
