ポルシェボクスター981の魅力を徹底解説!

2012年にデビューを果たしてから12年が経過したポルシェボクスター(981型)。しかし、いまなお高い人気を誇り、中古車価格も高値安定が続いています。さらに、途中で追加されたGTSおよびスパイダーについては新車価格を大きく上回るプレミア価格で販売されている個体も少なくありません。

なぜこれほどボクスター(981型)は高い人気を誇っているのでしょうか?その理由、そして先代モデルおよび先々代モデルである987型および986型とのスペックや価格なども含めて検証してみましょう。

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この情報は2024年3月現在のものです。

目次

ポルシェボクスター(981型)のモデルラインナップ内の位置付け

ポルシェボクスター(981型)は、2012年春にスイスジュネーブショーで発表されました。

日本では2012年6月22日にデビュー。ボクスターとしては3代目にあたる981型は、先代モデルにである987型と比較してホイールベースおよびトレッドを拡大、さらに18インチホイールを標準装備(ボクスターSは19インチを標準装備)し、よりモダンかつアグレッシブなデザインとなりました。

2016年にはマイナーチェンジが行われ、982型と呼ばれる後期型に進化。このタイミングで、ボクスター、そしてケイマンは「718」という新しい車名が与えられました。

ポルシェボクスター(981型)の性能とデザイン

エンジンスペックとパフォーマンス

981型ボクスターのエンジンは、987型に採用していた2.9リッターよりも排気量が下げられた2.7リッター直噴エンジンをボクスターに、そして3.4リッター直噴エンジンをボクスターS)を搭載しています。

また、燃費および環境性能にも配慮がなされており、オートスタート/ストップ(アイドリングストップ)機能を搭載。その結果、ヨーロッパ仕様の燃費は最大で15%向上しており、マイナーチェンジ後に設定されたPDK仕様のボクスターのNEDC(New European Driving Cycle)モード燃費は13.0km/L、ボクスターSは12.5km/L(いずれもカタログ値)を達成しています。

ボディサイズは全長4374×全幅1801×全高1282mm、ホイールベースは2475mm。ホイールベースを先代から60mm延長しており、その分室内が広くなっています。サスペンションは前後ともストラット式を採用。

またトランスミッションは、6速MTの他に7速PDKを設定されています。なお、PDK仕様では、特定の条件を満たすとエンジンとトランスミッションの接続を遮断し、エンジンブレーキがかからない「コースティング」状態にすることで燃料消費を抑える機能を備えています。

デザインの特徴

981型ボクスターのスタイリングは、先代の987型で採用されていた911風の丸いヘッドランプデザインから、2003年に限定販売されたスーパースポーツモデルである、カレラGT風のフロントマスクを採用したデザインに改められています。

さらに室内空間も拡大され、カレラGTと共通イメージのセンターコンソールデザインを採用し、987型と比較して格段の質感の向上とともにモダンなデザインとなりました。

フロントセクションの基本構造は今回も911と共通であり、981型では、フルモデルチェンジにともない大型化されたボディに対して軽量化を行っています。

床、ドア、前後フードなどボディシェルの46%以上がダイキャストおよびプレスによるアルミニウム製、またマグネシウムや高張力鋼を採用し、高い剛性を重量を抑えながら確保しています。

その結果、先代よりも軽量化を実現。987型のMTモデルの車重が1335kgだったのに対して、981型は1310kgとなっています。

なお、911やカレラGTといった上位モデルをモチーフにした箇所だけでなく、981型で初となるドアパネルに専用のデザインを採用。リアフェンダーへと導かれるエアインテークのプレスラインがそのまま左右のドアにも伸びており、ミッドシップ車ならではのフォルムを表現しています。

先代987型ボクスターとの比較との比較

2004年12月に発表された、987型こと2代目ボクスターです。デビュー当初、987型ボクスターは2.7リッターおよび3.2リッター、水平対向6気筒エンジンを搭載。

2008年12月にマイナーチェンジが行われ、直噴式の2.9リッターおよび3.4リッター水平対向6気筒が与えられました。また、マイナーチェンジ後に、長らくポルシェで採用されてきたティプトロニックから、ついにデュアルクラッチ式トランスミッションである7速PDKに変更されました。

987型ボクスター前期モデル

ボクスター:2004年12月~2008年12月
  • エンジン:水平対向6気筒
  • 排気量:2687cc
  • エンジン最高出力/最大トルク:265ps/270Nm
  • トランスミッション:5速MT/5速ティプトロニック
  • ステアリング:左(MTのみ)/右
  • ボディサイズ(全長×全幅×全高):4330×1800×1295mm
  • メーカー希望小売価格(税込):¥5,690,000万円(MT)/¥6,110,000万円(ティプトロニック)
ボクスターS:2004年12月~2008年12月
  • エンジン:水平対向6気筒
  • 排気量:3179cc
  • エンジン最高出力/最大トルク:280ps/320Nm
  • トランスミッション:6速MT/5速ティプトロニック
  • ステアリング:左(MTのみ)/右
  • ボディサイズ(全長×全幅×全高):4330×1800×1295mm
  • メーカー希望小売価格(税込):¥6,860,000万円(MT)/¥7,280,000万円(ティプトロニック)

987型ボクスター後期モデル

ボクスター:2008年12月~2012年1月
  • エンジン:水平対向6気筒
  • 排気量:2893cc
  • エンジン最高出力/最大トルク:255ps/273Nm
  • トランスミッション:6速MT/7速PDK
  • ステアリング:左(/右
  • ボディサイズ(全長×全幅×全高):4342×1800×1292mm
  • メーカー希望小売価格(税込):¥6,080,000万円(MT)/¥6,550,000万円(PDK)
ボクスターS:2008年12月~2012年1月
  • エンジン:水平対向6気筒
  • 排気量:3436cc
  • エンジン最高出力/最大トルク:310ps/360Nm
  • トランスミッション:6速MT/7速PDK
  • ステアリング:左/右
  • ボディサイズ(全長×全幅×全高):4342×1800×1292mm
  • メーカー希望小売価格(税込):¥7,520,000万円(MT)/¥7,990,000万円(PDK)

ポルシェボクスター(981型)のドライビングエクスペリエンス

0-100km/hまでの加速時間は、ボクスターが5.7秒、ボクスターSが5.0秒(いずれもPDK仕様)となっています。クルマ好きの方ならピンとくるであろう、ひと昔前のスーパースポーツに匹敵する加速性能の持ち主なのです。

前期モデルであればボクスターは2.7リッター/265ps、ボクスターSは3.4リッター/315ps。途中で追加された「オプションてんこ盛り仕様の」ボクスターGTSは3.4リッター/330ps、そして極めつけはボクスタースパイダーの3.8リッター/375ps、いずれも水平対向6気筒エンジンが搭載されているのです。

トランスミッションはDSGが定番だが、6速MTもおすすめ

フラットシックスをオープンで、自分の力量や好みのスペックに応じてボクスターを選べば、モデルごとでの違いを味わえるでしょう。伝統の6速MTか、電光石火のシフトアップ&シフトダウンが楽しめる7速PDKか、実に悩ましいところですが、走りを楽しみたいのであれば思いきって6速MTをチョイスしてみてください。

ミッドシップならではのフロントやリアに大きな荷重が掛かるエンジンが搭載されていないシャープなハンドリング、オプションの電子制御式の可変減衰力ダンパー「PASM」やダイナミックエンジンマウント、カーボンブレーキシステムのPCCBが装着された個体であれば、さらに鋭い、911とはまったく異なるボクスターワールドを存分に味わえることでしょう。

ポルシェボクスター(981型)は、初代(986型)から続くモデルとしてひとつの完成形

さらに、ルーフの開閉が完全自動化をされており、開閉時間はわずか9秒。ミッドシップレイアウトの特性を活かし、前後に大容量のトランクスペースを備えています。スポーツカーでありながら、旅行などの長距離ドライブとして頼れる実用的な2シーターオープンスポーツなのです。986型としてデビューし、フルモデルチェンジを2度、そして無数の仕様変更を行った結果、ボクスターとしてのひとつの完成形ができあがった、と表現しても過言ではありません!

ポルシェボクスター(981型)シリーズのバリエーション

ではここで、ボクスター(981型)、ボクスター(981型)S、ボクスター(981型)GTS、ボクスター(981型)スパイダーとの違いについてまとめてみました。こうして並べてみると、いかにポルシェがグレードによるヒエラルキーを重視しているかが伺えます

ボクスター:2012年6月〜

  • エンジン:水平対向6気筒
  • 排気量:2706cc
  • エンジン最高出力/最大トルク:265ps/280Nm
  • トランスミッション:6速MT/7速PDK
  • ステアリング:左/右
  • ボディサイズ(全長×全幅×全高):4374×1801×1282mm
  • メーカー希望小売価格(税込):¥5,960,000万円(MT)/¥6,430,000万円(PDK)

ボクスターS:2012年6月〜

  • エンジン:水平対向6気筒
  • 排気量:3436cc
  • エンジン最高出力/最大トルク:315ps/360Nm
  • トランスミッション:6速MT/7速PDK
  • ステアリング:左/右
  • ボディサイズ(全長×全幅×全高):4374×1801×1282mm
  • メーカー希望小売価格(税込):¥7,400,000万円(MT)/¥7,870,000万円(PDK)

ボクスターGTS:2013年3月〜

  • エンジン:水平対向6気筒
  • 排気量:3436cc
  • エンジン最高出力/最大トルク:330ps/370Nm
  • トランスミッション:6速MT/7速PDK
  • ステアリング:左/右
  • ボディサイズ(全長×全幅×全高):4405×1800×1270mm
  • メーカー希望小売価格(税込):¥8,850,000万円(MT)/¥9,490,000万円(PDK)

ボクスタースパイダー:2014年2月〜

  • エンジン:水平対向6気筒
  • 排気量:3799cc
  • エンジン最高出力/最大トルク:375ps/420Nm
  • トランスミッション:6速MT
  • ステアリング:左/右
  • ボディサイズ(全長×全幅×全高):4410×1800×1260mm
  • メーカー希望小売価格(税込):¥10,120,000万円

ボクスター(981型)の中古車の状況

中古車市場での価値

全グレードが「水平対向6気筒エンジン」を搭載する981型ボクスター。販売期間は2012年6月~2016年2月と4年にも満たない。実質的な後継モデルにあたる718ボクスターが2016年2月にデビューしたときは直列の4気筒エンジンのみ。いわゆるダウンサイジングエンジンに対する市場の抵抗があったことはほぼ間違いないでしょう。

  • ボクスター(981型)の相場
  • 平均価格:560.9万円
  • 価格帯:399.9万円~1599.9万円
  • ポルシェ718ボクスターの相場
  • 平均価格:849.6万円
  • 価格帯:439.5万円~1885万円

最終モデルであってもすでに8年落ちにもかかわらず、非常に高い人気を誇る981型ボクスター。特にモデル終盤で追加されたボクスターGTSおよびボクスタースパイダーに関しては、新車価格を上回るプレミア価格で取引されている個体も少なくありません。

ボクスター(981型)の値上がり傾向と投資価値

多くの個体が10年選手となりつつあるボクスター(981型)、市場価値がどうなっていくか予想します。一般的に初年度登録から10年というと、中古車価格はほぼゼロに等しいモデルが多いなか、空冷モデルなどと同様に、ボクスター(981型)の人気は当分のあいだ続くと予想されます。

特に、ボクスターGTSおよびボクスタースパイダーを選んでおけば、コンディションを維持し、極端に走行距離を伸ばさなければ購入時と同等かそれに近い金額で売却が可能だと思われます。

986モデルとの比較

いわゆる初代モデルである986ボクスターと、3代目にあたる981型は、パッケージングに類似性があってもまったくの別モノといっていいでしょう。

エンジンはパフォーマンスはもちろん、パワートレーンの作動効率を高めて燃料消費を抑制するサーマルマネージメントシステムの採用や、アイドリングストップ機構が追加され、さらにPDKの設定やブレーキキャリパーがイエローにペイントされ、標準ブレーキよりも大経かつ軽量化されたPCCB(ポルシェセラミックコンポジットブレーキ)の採用など、いうなれば、986〜987〜981と続いたボクスターのパッケージング(2シーターMRオープン水平対向6気筒エンジン)が981型で終焉を迎えたことを意味します。

ちなみに、986型の相場は以下のとおり。販売期間が1996年10月~2004年11月と、最終モデルであってもすでに20年が経過しているため、中古車としてはかなりこなれた相場となっています。

  • ポルシェボクスター(986型)
  • 中古車の平均価格:168万円
  • 中古車の価格帯:94万円~330万円

ボクスター(981型)はどんな人におすすめか?

ダウンサイジング化が叫ばれる前、BMWにとってストレート6エンジンが是であるように、ポルシェにとってのフラットシックスエンジンはひとつのシンボルともいえます。718ボクスターでも水平対向6気筒エンジンが追加されました。しかし、市場に出回る個体は少なめで、しかも高値安定です。またデザインも好みがあると思われます。

いわば水平対向6気筒エンジンを搭載した「古き良き時代の味を残しつつも、現代のテクノロジーで内包したボクスターを求めている」、「将来的にも寝落ちの心配が少なく、また動産(投機対象)としても所有したい」という、ちょっとワガママ(笑)な方にこそ、おすすめしたいモデルです。

また他にも気になる中古車がございましたら、お気軽にご連絡ください。皆さまからのお問い合わせを心よりお待ち申し上げております。トップランクではオンライン商談でもご購入に関する相談を受け付けております。弊社では試乗ナシでも安心してご購入いただけるよう、安心して乗れる在庫のみをご用意しております。

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